蛙の唄が聞こえてくるよ

春秋花壇

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問題について話し合う

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今日は日曜日。

良太さんの信仰する宗教の集会が10時から行われます。

茜は、直接会場にいこうか、それともZOOMのオンラインで参加しようか

迷っています。

婚約期間を含めてこの10年間、二人で話し合わなければいけない

重要な問題はさほどなかったように思います。

きっと、わだかまりとかなかったから

すなおにそのまま良太さんとお話が出来たんですよね。

今回のように、もしかしたら嫌われたんじゃないかというような

できれば何もなかったことにしたいと思うような

マイナーな感情になったことはなかったように思います。

これから、少しずつ、距離を置きたいとか

見なかったことにしたいとか聞かなかったことにしたいという

出来事は人間だから増えていくんでしょうね。

できれば、蜜月のままお花畑でずっと暮らしていたいのだけど……。


問題について話し合うには

という記事には、

「本当の気持ちを夫に話す機会がないと、いつまでも悩んでしまいます。

話せればそれで終わりにできます」

と、書かれています。


いつまでも、ひょっとしたら良太さんに嫌われたんじゃないかと

不安に思うのは得策ではないと頭では分かっているのですが、

やっぱり怖いんですよね。

良く祈って、良太さんにLINEしてみることにしました。


「おはようございます。集会の後にお話ししたいことがあるのですが、

お時間取れますか?」

と聞いてみました。

1分もしないうちに、

「おはよう。もちろん」

と、返事がきました。

「場所と時間はどうしましょうか?」

と質問すると、

「集会はどうするの?」

と返ってきたので、

「できれば一緒に行きたいです」

と、答えたら、

「じゃあ会場で」

とのこと。

心臓がバクバクしています。

取って食われるわけでもないのにね。

わたしは、良太さんを良く知らないんだなと少し悲しくなりました。

こんなことで嫌ったりする人じゃないと信頼していれば今回のように

実家に逃げ込むこともなかったでしょう。

過ぎてしまったことは仕方がないので、お父さんが言うように

良いコミュニケーションが取れるようにこれから努力していこう。

そして、良太さんの事をもっと知るようにしてみよう。


「わたしはまるで探偵のようなことをします。

話しながら問題の推移を分析し、その根本原因に迫ろうとするのです」

と、答えている妻もいました。


「アドバイスの前に、まず理解が必要である。

解決策を提案する前に、問題を十分に理解していること、

悩みに共感していることを配偶者に伝える必要がある。

妻は多くの場合、解決策を考え出して欲しいとは少しも思っていない。

ただ話を聞いてほしいだけなのだ」



わたしも、聞き上手になるために

目を見て、頷きながら集中して聞けるようにしたい。

問題について効果的に話し合うには、

配偶者がどのようにして欲しいと思っているかを考える必要があります。

夫の述べる提案に喜んで耳を傾けるようにするのはよい事です。

夫婦が歩み寄るなら、双方が益を受けるのです




「聞く​こと​に​速く,語る​こと​に​遅く……ある​べき​です」。―ヤコブ 1:19。

「互い​を​敬う​点​で​率先​し​なさい」。―ローマ 12:10。

「みな​同じ​思い​を​持ち,思いやり​を​示し​合い……なさい」。―ペテロ​第​一 3:8。


「大事​な​話​は,おなか​が​空い​て​いる​時​や​疲れ​て​いる​時​は​絶対​に​だめ​です」。


タイミングが大切だということも学びました。

今日は土用の丑の日。

集会の後に、ウナギ屋さんに行ってご飯を食べおわってから

お話しできたら嬉しいです。

コミュニケーションは技術なんだそうです。

夫を敬い、愛し、良い妻になれるよう成長できますように。


愛、喜び、平和、辛抱強さ、親切、善良、信仰、温和、自制。

霊の実を育ててくださるのは神です。

調和した行いが出来ますように。

明るい、楽しい、幸せ、ついてる。

ポジティブに取り組めますように。

夏のぎらぎらした灼熱の太陽がアスファルトに照り返します。

シャワーを浴びた生乾きの髪が時折、強い風にあおられてうなじにまとわりつきます。

紺地に白のピンドットのワンピースが爽やかさを連れてきてくれるでしょうか。

このワンピースは、良太さんのお気に入り。

16歳の青リンゴのような香りを携えて、いつかきっと笑い話に変わるよと

自分に安らぎを与えるのです。

今日も暑くなりそうですね。
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