徒然草

春秋花壇

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徒然草 第二十八段

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徒然草 第二十八段

原文

諒闇の年ばかり、あはれなることはあらじ。倚廬の御所のさまなど、板敷を下げ、葦の御簾をかけて、布の帽額あらあらしく、御調度どもおろそかに、皆人の装束・太刀・平緒まで、異様ことやうなるぞゆゝしき。

現代語訳

喪服を着て喪に服している一年間は、悲しく心細いものだ。倚廬の御殿の様子は、板敷を下げ、葦の御簾をかけ、粗末な布の覆いをかけ、御調度も簡素で、皆人の装束や太刀、平緒までが普段と異なり、物々しく感じられる。

解説

この段落は、喪服を着て喪に服している一年間の様子を描いたものです。

喪服は、黒色で地味なものであり、普段着とは大きく異なります。また、喪に服している間は、華美な装飾や娯楽を控え、静かに過ごすことが求められます。

この段落の語り手は、そのような喪に服している様子を「悲しく心細い」と表現しています。それは、大切な人を失った悲しみだけでなく、普段とは異なる生活への戸惑いや不安を感じているからでしょう。

また、語り手は倚廬の御殿の様子を「物々しく」と感じています。これは、喪服を着た人々や簡素な御調度などが、普段とは異なる雰囲気を醸し出しているためです。

この段落は、喪失感や悲しみ、そして喪に服すことの物々しさを描いた、哀愁漂う内容となっています。

参考資料

徒然草: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%92%E7%84%B6%E8%8D%89
徒然草現代語訳: [移除了无效网址]
その他

この段落は、喪服を着て喪に服している様子を具体的に描写することで、読者に当時の様子を鮮明に想像させる効果があります。

また、語り手の率直な感情表現によって、喪失感や悲しみなどの感情がより深く伝わってくるものとなっています。

徒然草は、このように様々な表現技法を用いて、読者に深い感動を与える作品と言えるでしょう。
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