ライト文芸に挑戦

春秋花壇

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桜色の約束

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桜色の約束

春の日差しが降り注ぐ公園で、少女は桜の木の下で目を閉じていた。入学式の帰り道、ふと立ち寄ったこの場所。満開の桜が咲き誇り、甘い香りが鼻腔をくすぐる。

「綺麗だね…」

少女は思わず呟いた。その声に反応するように、一羽の蝶が舞い降りた。桜色の蝶は、少女の指先にとまり、羽ばたきを止めた。

「こんにちは、あなたは誰?」

少女は優しく語りかける。蝶は少女の言葉を理解しているかのように、触角を少女の指先に触れた。

「私は…約束の蝶…あなたの願いを叶えるために…」

蝶の言葉は、少女の心に直接響いた。驚く少女だったが、すぐに気持ちを落ち着かせた。

「私の願いは…大切な人とずっと一緒にいられること…」

少女は小さな声で願った。蝶は少女の言葉を聞き、再び羽ばたき始めた。そして、少女の頭上に舞い上がり、桜色の光を放ち始めた。

光に包まれた少女は、目を閉じた。そして、懐かしい記憶が蘇る。

幼い頃、少女は病気で入院していた。その時に出会ったのが、少年だった。少年はいつも少女を励まし、一緒に遊んでくれた。二人は親友となり、将来は結婚することを約束した。

しかし、数年後、少年は事故で亡くなってしまった。少女は悲しみに打ちひしがれたが、少年との約束を胸に、前向きに生きてきた。

光が消え、少女は目を覚ました。すると、目の前に少年が立っていた。

「約束だよ…」

少年は優しく微笑んだ。少女は驚きと喜びで涙を流した。

「本当に…あなたは…?」

「約束の蝶が、あなたの願いを叶えてくれたんだよ…」

少年は少女の手を取り、桜並木を歩き始めた。二人は長い間、語り合った。

「ずっと一緒にいられるね…」

少女は幸せを感じながら、少年の腕に抱きついた。

桜色の約束は、永遠に続く…
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