陽だまりの家

小さなピクニック

サクラは25歳の母親であり、長女のハル5歳、次女のヒナ3歳、三女のミク1歳との幸せな母子家庭を築いている。彼女の夫は、1年前にがんで身罷った。今は、一人で子供たちを育てていた。夫を急に失った悲しみからようやく少しずつ立ち直りつつある。

ある日、サクラは子供たちと楽しいピクニックに行くことに決めた。目的地は、近所の電車の見える公園。色とりどりの河津桜が3本あでやかに咲いている。彼女は早朝から準備を進め、手作りのお弁当とお菓子を詰め込んだカゴを用意した。プチトマトとブロッコリーは、次女のヒナがタッパーに入れた。一口ハンバーグと唐揚げは長女のハルがホイルに包んで大判のハンカチでくるんでいた。三女のミクも

「ミクもー、ミクもー」

と、お手伝いをせがんでくる。

ヒナがミクにお菓子を渡すと、

「よいちょ、よいちょ」

と、布の袋に入れていた。

子供たちはワクワクしながらリュックサックに必要なものを詰め込み、家族での楽しい時間を心待ちにしていた。

「ママー、のみものわすれてるよー」

長女のハルに言われて慌てて麦茶を用意する。

「あわてんぼさんだねー」

と、サクラがわざとしょぼくれたふりをすると、ヒナが慌てて、頭をなでてくれる。

(まんなかはたいへんだなー)

ベビーカーにミクをのせて、ハルとヒナは歩いて踏切のそばまで行った。

ヒナは電車が大好きで、決まってこの踏切で何回も遮断機の上がったり下がったりを楽しむ。

一人一人、興味を示すものや好きなものが違う。

ハルは、すごく甘えん坊さんなのに、

「おねえちゃんなんだから～」

と、自分に言い聞かせて自制する。

我慢しきれなくなると、

「ハルもー」と素直に言えるからまだ救われているのかな?

最近は、3人で喧嘩することも増えてきて、体調の良くない時は、

「やかましいー」

と、怒鳴りそうになるときもあるけど、深呼吸をしたり、水を飲んだりしてサクラは感情をコントロールしている。

みんな一生懸命なんだよね。

役割錯誤だけはしないようにしないと、毒親になってしまいだから気を付けてるけどどうかな?

公園に着くと、子供たちは笑顔で駆け回り、楽しそうに遊んでいた。よそのお子さんとも仲良く砂場で遊べている。サクラも笑顔で彼らを見守りながら、家族との幸せな時間を楽しんだ。

彼女は、一人で子供たちを育てることの大変さも感じながらも、彼らとの絆を大切にし、幸せな母子家庭を築いていくことを決意した。彼女の愛情と努力が、子供たちの成長と幸せにつながっていくのである。

よくお話をするママ友さんが、

「うちの主人、家事も育児も全く手伝ってくれないから、いったい誰の子よって腹が立ってくる」

ってぼやいてた。

明日、一緒に図書館に行く約束をした。

少しずつママ友との付き合いにも慣れていけたら嬉しいな。

帰りがけに、5.3歳検診のことを言われた。

生活習慣とか保育園や幼稚園に行ってないから、家に帰ったらネットで調べてみないとね。

大丈夫だよね。ちゃんと育ってるよね。ちょっと、不安。

夫もいないし、私も今は働いていないから生活が少しルーズになっているかも。