陽だまりの家

春秋花壇

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9時就寝

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サクラは、25歳の若い母親だった。彼女は明るく、優しい性格で、常に家族の幸せを第一に考えていた。

サクラには3人の可愛らしい娘がいた。5歳の長女ハル、3歳の次女ヒナ、そして1歳の三女ミク。彼女たちは明るく元気で、サクラの生活にはいつも笑顔と活気があふれていた。

そう、サクラはめっちゃ幸せな母子家庭なのだ。

サクラの家族は夜9時を就寝時間として厳守することにした。ハルの5歳児検診のチェック項目に9時就寝があるからだ。子供たちが健康に成長し、元気に過ごすためには、十分な睡眠が必要だとサクラは考えていた。そのため、毎晩、就寝前には風呂に入り、絵本を読んでから子供たちをベッドに入れていた。

ある晩、子供たちは早めに就寝し、サクラは静かな時間を楽しんでいた。彼女は台所で一人静かに過ごし、明日の準備をすることにした。キッチンで食器を洗いながら、子供たちの成長や家族の幸せを思い出し、幸福な気持ちに包まれた。

そのとき、奥の部屋から小さな泣き声が聞こえてきた。(といっても、この家には6畳の台所と6畳の和室しかない)サクラはすぐに奥の部屋に行き、彼女の横に座って彼女をなだめた。ハルは悪夢を見たようだったが、母親の優しい声と温かい手で安心したのか、しだいに眠りに落ちていった。

次に、ヒナのそばに行くと、彼女はまだ寝ぼけている様子だった。サクラは彼女の額にキスをして、「もう眠りなさい、ヒナちゃん。明日は素敵な一日になるよ」と囁いた。ヒナは微笑んで眠りに落ち、安らかな表情を浮かべた。

最後に、ミクのそばに行くと、彼女はまだ元気に布団の中で遊んでいた。サクラは彼女を優しく抱き上げ、ベッドに横たえた。ミクは少し泣き声を上げたが、すぐに母親のそばで眠りに落ちた。

子供たちが静かに眠りに落ちた後、サクラは彼らの顔を見ながら感謝の気持ちでいっぱいになった。彼女は家族の幸せを守ることが彼女の使命だと感じ、心からその役割を果たすことを誓った。

そして、静かな夜が家族の幸せと絆で満たされていくのを、サクラは心から願っていた。

サクラは、几帳面な性格ではない。だから、今回のハルの検診を機に基本的な生活態度をみんなで身に着けていけたら嬉しい。後何年間したら、子供たちは小学校に行く。その時に困らないように、歯磨き、洗顔、片づけ、身支度、入浴、排せつ、挨拶、いろいろ教えていかなきゃいけない。

ママ友さんがつぶやいていた、
「うちの旦那、何にも手伝ってくれないからいつもワンオペ育児」
のつぶやきを思い出し、くすっと笑った。

いずこも同じ春の風。




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