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みるくは大きな勘違いをしていた事に気づく。

今、サブキャラを達也さんのチームクエストのお手伝いにと派遣しているのだが、

チームレベル54は、達也さんではなくサブマスターのういんりーちゃんが

成し遂げて来た物だとばかり思っていた。

ところが、ここ1カ月以上黙って見ているが、

彼女がチームクエを手伝う事はほとんどない。

新職業の海賊がMaxレベルの120になってるのだから、

ログインは毎日している様なのだが、

チームクエに関しては全く関与していないようだ。

達也さんがインしていても、手伝う事もない。

みんなが羨む本妻さんなのにね。

ということは、全く継続力がないという事でもないようだ。

ほっと胸をなでおろす。

これで達也さんのいいところがまた一つ見つかった。

ねー、不思議なくらい出逢ってから2年9カ月がたっているのに

ずーと達也さんに夢中。

自分でもびっくりするくらい一途。

しかも、何度も浮気されこの小説の表題にあるように

Skypeしている最中に他の女を抱いているようなことをするのに……。

恋って不思議ね。

昔から恋は盲目とかいうけど、そんなことは他の人にはそうでも

私には無関係だと思っていた。

だって、3歳の時に近所の高校生のお兄ちゃんに拉致監禁されてから

母親が男を連れ込んで何日も一緒に暮らして居たり、

父親がよその女を孕ませて離婚しちゃったり、

何日もネグレクトされたり何処をどう見たら

信じられる人がいるの?って感じで育って来て

もう誰も信じられなくなっていたのだがら。

保険会社でも上司のトレーナーに見込み客を持って行かれたり、

しかも私の名前でアポイントまで取って><。

そんな自分を一時は悲劇のヒロインだと自己憐憫になっていた。

思うようにならない現実に対して自分をどう変えていくかじゃなくて

運がないんだからしょうがないと言い訳して逃げていただけなんだけど。

今でも、私の周りのリアルな男の人たちはみるくを床の間に飾って

お人形さんのように扱おうとする。


「美しい目のためには、他人のいいところを見ること。美しい唇のためには、優しい言葉しか喋らないこと。そして、美しい身のこなしのためには、一人ではないという知識を持って歩きなさい」

byオードリー・ヘプバーン

https://pin.it/5T5qtF7 via @pinterest


自分のいい所さえ見ようとしない人に

他人のいい所なんて見える訳がない。

だって、人は鏡。

私の想いと心が映し出されているんだもの。

そんな事を考えていたら、何時の間にか笑顔が消え、

しかめっ面になってそうだから、

夜中の公園を堪能する。

大きなかりんの実が幾つもぶら下がり、

あんな大きなものが頭上に落ちてきたら痛いんだろうなと想像して

くすっと笑った。

達也さん、一緒に新ストーリー攻略できてうれしかったです。

何時も誘ってくれてありがとう。

暁前の冴え冴えした月が浄化するように優しく包んでくれる。


11月の満月は「ビーバームーン」と呼ばれます。 冬に着るビーバーの毛皮を確保するため、沼地が凍る前のこの時期に罠を仕掛けることから、アメリカの先住民によってその名が付けられたのだそうです。 一方で、霜(frost)が降り始める時期であることから、フロストムーンという名前も浸透しています。 日本の「霜月」にも通じるものがある呼び名ですよね。pic.twitter.com

部分月食もあったようだが、見る事は出来なかった。
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