お金持ちごっこ

春秋花壇

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小さな村の少年と財布

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小さな村の少年と財布

小さな村に住む少年、ケンはいつも窓の外で、裕福な家の子供たちが楽しそうに遊んでいるのを見て、自分もあんな生活ができたらいいのにと夢見ていた。しかし、ケンの家は貧しく、母親は一人で働いて家計を支えていた。

ある日、ケンは村の祭りで財布を見つけた。中には大金が入っていた。ケンは大喜びでその財布を持ち帰り、母親に見せた。母親は心配そうな顔をして、「それを持ち主に返さないといけないよ」と言った。

しかし、ケンは貧しさから抜け出したいという強い願望から、持ち主を探すことなく、その金で豪華な洋服やおもちゃを買い漁った。そして、村の子供たちの前で豪勢に振る舞い、自分も裕福な家の子供たちと同じように見られることを楽しんだ。

しかし、その喜びも束の間、ケンの心には罪の意識が芽生え始めた。夜になっても、心の内で持ち主に対する後ろめたさが消えず、眠れない日々が続いた。

数日後、ケンは財布の持ち主の家を訪れた。彼は正直に財布を持ち主に返し、自分の行いを謝罪した。驚いた持ち主はケンの行動に感動し、その財布をケンにプレゼントした。

「人は忘れても、自分は忘れないんだ何十年たってもね」

と、ケンの頭をなでてくれた。

「だから、本当のお金持ちは正直であろと努力するんだ」

そして、その出来事は村中に広まり、ケンの勇気と正直さが称賛された。

ケンは家に帰り、母親にそのことを話すと、母親は彼を抱きしめて涙を流した。彼女は、「お金や贅沢は幸せをもたらさない。本当の幸せは正直さや愛情の中にあるのよ」と教えた。

ケンはその言葉を胸に刻み、豊かさが何よりも大切なものではないことを学んだ。以降、彼は誠実に生き、周囲の人々に対して親切で思いやりのある行動を心がけるようになった。

ケンは、お金持ちの家に何度も遊びに行くようになった。

お金持ちは、ケンを孫のようにかわいがり、いろんなことを教えてくれた。

それはきっと、お金では買えない貴重な教えだった。

たとえば、

人はお金を持つと、ブランド品で自分を大きく見せたがる
お金の使い方を知らない人がお金を持つと前より不幸になる
など、聖書を読んでくれて

お金は身の守りであり,知恵も身の守りである。しかし知識や知恵の利点は,人の命を保たせることだ
ケンは、草むしりや犬の散歩のお手伝いをして、感謝を示した。

お金持ちは、ノート鉛筆を買ってくれて、

お小遣い帳をつけなさい。お金の管理を学びなさい
と、励ましてくれた。

雑草と間違えて苗を抜いてしまったり、犬が急に走り出したり、たくさんの失敗もした。

何もしない人は、失敗もしないよ
と、優しくハグしてくれる。

ケンの心は、愛と正直さに満たされ、彼の人生は新たな光を取り戻したのであった。

物語の続き

ケンは、お金持ちの家に通い続けるうちに、お金持ちの家の娘、ミミと仲良くなった。ミミは、ケンが貧しい家出身であることを気にせず、彼の優しさや誠実さを愛してくれた。

ケンとミミは、一緒に遊んだり、勉強したり、将来の夢について語り合ったりした。二人は、いつしかお互いに欠かせない存在になっていった。

ある日、ケンはミミに自分の気持ちを伝え、ミミも彼の気持ちを受け止めてくれた。二人は恋人同士になった。

ケンの母親は、ミミのことをとても気に入り、二人の交際を喜んでくれた。

ケンとミミは、将来結婚して、幸せな家庭を築くことを夢見た。

1000文字小説

この物語は、お金や物質的な豊かさよりも、愛と正直さ、誠実な生き方が真の幸せをもたらすということを教えてくれます。

ケンは、最初は物質的な豊かさに憧れ、罪を犯してまでお金を使い果たしました。しかし、その結果、彼は罪悪感に苛まれ、苦しい日々を送ることになりました。

一方、母親は、お金よりも大切なのは愛と正直さであることをケンに教えました。ケンは母親の言葉を胸に刻み、改心しました。

その後、ケンは周囲の人々に親切で思いやりのある行動を心がけるようになり、真の幸せを見つけることができました。

そして、ケンはミミと出会い、愛の大切さを改めて知りました。

二人は、将来結婚して、幸せな家庭を築くことを夢見て

お金持ちもお母さんも、孫が生まれるのを心待ちにしている。
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