《冷姫》に告白をした結果泣かれてしまったが、その後積極的に話しかけてる件

ひならむ

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第7話

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「いらっしゃーい!」

 どうやら、結奈の方は何も起きなかったようだ。完全に、僕だけを狙っていたようだ…まぁ、その方が都合がいいのだけども。

「自分の家だと思ってくれていいよ~」

 …それは無理があるんじゃなかろうか。だって、女子の家だぞ?おまえら耐えられるか…?僕には無理だな。

「お邪魔します…」

 しかし、これからここで暮らすのか…実感が湧かないな。

「それじゃあ、付いてきて!」

 言われるがままに、後をついて行く。滅茶苦茶広い通路を通り、アホみたいに広い階段を上って案内された部屋は、ピンク一色で埋め尽くされた…いかにも女の子の部屋って感じの部屋だった。どこを見ても、ピンク一色である。

「えへへ~これが私の部屋なんだ!」

「凄いな…一面ピンク色だ」

 広すぎるだろ……。俺の部屋の何倍も広い。てか、ほとんどピンクだな。この一瞬で、一生分のピンクを見た気がする…。 天蓋付きのベッドも初めて見たけど…それすらピンクとは、些かやりすぎ感がある。

「でしょ~~!!啓介君がピンク色が好きって聞いたから、全部ピンク色で揃えたんだよ~!」

「……おぅ」

 俺の……ね、うん。いや、確かにピンク好きだよ?筆箱とか、リュックとかピンクだけども。だけどさ、限度ってものがあるじゃない?

「あっ、あと啓介君の好きな本とかも全部揃えたよ~」

 そういって、壁一面の本棚の前へ引っ張られる。確かに、俺の好きな本ばかり……いややっぱおかしいわ。これ、俺の家にある本棚にあるもの全部あるわ。てか、読みたいと思ってたのも全部あるわ。

「なんで、俺の読みたかった本まで知ってるんデスカネー」

「それは……乙女の秘密です~」

 いや、可愛く言われても……ねぇ。実はスパイでも居たのかな?的なことを考えながら、ぼーっと結奈のことを眺めていると、

「どうしたの?は、恥ずかしいよ……」

 頬を染めながら、顔を逸らされた。……うん、もうかわいいし些細なことは気にしないでおこう。

「あっ、次は啓介君の部屋に案内するね!」

 部屋を出ていく結奈にを追って、俺もピンク一色の部屋を後にした。




「ここだよ~」

 そういって案内されたのは、結奈の部屋と同じ階の端っこの部屋だった。

「ごめんね、ちょっと狭いかもしれないけど……」

「いやいや……広すぎな」

 いや、これで狭いって……。確かに、結奈の部屋よりかは狭いけどもさぁ。俺の家の自室よりも三倍くらいは広いぞ。もはや、ホテルのスイートルームだ。

「じゃあ、荷物の片づけが終わったら食堂に来てね!」

 そう言い残して、結奈は部屋から出て行った。……さて、と片付けますか。





 俺が準備を済ませ、食堂へと足を運んだのは21時を少し過ぎたころだった。

「悪い。待たせた」

「ううん。大丈夫だよ。じゃあ、ご飯にしよっか」

 夕食は彼女の手作り……ではなく一流シェフが作るイタリアンのフルコースだった。いや、家で出てくるレベルじゃないけど……気にしたら負けだ。

「「いただきます」」


 前菜から始まり、その後次々と出てくる料理は…まさに絶品だった。普通に高級料理店とかででてくる料理と同等かそれ以上だった。

 なぜか、結奈が話しかけてこないので……黙々と料理を口に運んでいく。なんだろう、ものすごく居心地が悪いんだが。

 最後にエスプレッソを飲み終え、満腹感に浸っていると……後ろからバリトンボイスの渋い声で話しかけられた。

「ふむ、食事の作法は心得ているようですな」

「ええ、父に昔教わったので」

 そのようで、と俺の後ろに立つ執事服を着たご老人は静かに微笑んだ。食事中に結奈がチラチラと俺の背後をたびたび見ていたので、背後の執事の存在には気づいていた。

「監視するようなマネをして申し訳ありません。ですが、これも旦那様より啓介様がお嬢様と同居なさる資格があるか見極めよ、との命を受けた次第……ご容赦願います」

「まったく、お父様も爺やも心配性なんだから」

 結奈はこう言っているが、こっちにしてみれば冷や汗ものだ。良かった……失礼のないように注意しておいて正解だった。

「それが仕事でしょう。気にしませんよ」

「ご厚意、感謝します。旦那様にも良いご報告が出来そうで嬉うございます」

 どうやら、執事さんには認められたようだ。




「ふぅーー……」

 ベッドに入り、ようやく一息つくことができた。食事の後は、風呂に入った。これもとても広くて、銭湯と同じ位の広さだったと思う。

「なんか、いろいろあったなぁ……」

 思い返せば、今日はたくさんの出来事があった。さすがに体が疲れていたようで……ベッドに入ってすぐに眠気が襲ってきた。

 ガチャリ、と遠くで部屋のドアが開く音がした気がしたが……既に意識が遠のいていた僕が気にとめることは無かった。







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