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18.つかの間の幸せ
おれが釘を刺したのが効いたのか、本邸からの誘いは一切なくなった。
あの女も大人しくしているところをみると、どうやら本邸での生活に満足しているようだ。
侯爵夫妻は現金なもので、あれほど石女だと虐げていたリズの懐妊を知るや否や媚びるような態度で接してくる。今日も前触れもなく勝手にやって来た。本当は追い返そうとしたが、『少しだけでも』とリズが言ったから渋々招き入れてた。
「本当にめでたい事だな。エリザベスの子供の誕生が今から楽しみだ。きっと愛し合うお前達からはロザリンの子より魔力の高い優秀な子が生まれるはずだ。
そうなったら、あちらの子は廃嫡してエリザベスの子を嫡男にしなくてはな。
なあに、私がすべて上手くやるからお前達は何もしなくていい。
ワッハッハ、礼などいらんぞ。可愛い孫の為なんだからこれぐらい当然だ」
「エリザベス、妊娠中は気を付けなさいね。お腹の子は侯爵家の跡継ぎになるのだからちゃんと産むのよ。
子爵家出身のロザリンよりきっとあなたの方が優秀な子を産めるはず、だって伯爵家出身ですものね」
勝手にやって来て、勝手な事ばかり言う二人に心底怒りが沸いてくる。
こいつらどうしてくれようかっ!
証拠を残さない方法…消し炭でいいか。
目の前で消し炭になる侯爵夫妻を想像し、自然と笑みが零れる。それを見て馬鹿なあいつらは増々図に乗って捲し立ててくる。
やはり、やるか。
そんな俺を見て隣にいるリズが口元を片手で隠しながら口パクでなにか言っている。
『だ・め・よ・ア・レ・ク』
やはりリズには敵わない、俺の物騒な考えはお見通しのようだ。腕を俺の手に絡ませ落ち着かせようとしてくれている。
ああなんて可愛いんだ。
困ったようでいて少し怒っているのか?
そんな表情もリズなら最高だ。
うん、天使だな!
目の前の屑よりも隣の天使を優先する、決まりだ!
「胎教に悪いのでもうお引き取りをお願いします」
そう言って彼らが座っている椅子の脚を魔力で折ると、転げ落ちた彼らは慌てて別邸から去って行った。
これで平穏が戻った、愛するリズとの時間を満喫できる。
「もうアレク。あんな事をしては駄目でしょう」
「いいだろう、あれくらい。あいつらは口で言っても理解できないから仕方がないのさ」
「お腹の赤ちゃんもびっくりしているわよ。
お父様が乱暴なのは嫌よね?そうでしょう?赤ちゃん」
リズが母親の顔をして最近膨らみ始めたお腹に向かって優しく声を掛けている。
その声は俺に掛ける声よりも格段に優しくて少し妬けてしまうが、俺達の子なので我慢する。
俺もお腹に顔を寄せて声を掛ける。
「そんなことはないよな。あんな奴らは嫌いだよな?
うんそうか!同じ気持ちか!偉いぞ、流石俺達の子だ」
「生まれる前から親ばかになって…」
「仕方がないだろう、こんなに可愛いんだから」
リズがお腹を撫でている手に自分の手を重ね、一緒に優しく撫でる。
自然とお互いに顔を寄せ合い、軽く口づけを交わす。リズと結婚して愛する人を得た。これ以上の幸せなんてないと思っていたけど、まだまだ彼女となら幸せを増やすことが出来るのを知った。
あの女も大人しくしているところをみると、どうやら本邸での生活に満足しているようだ。
侯爵夫妻は現金なもので、あれほど石女だと虐げていたリズの懐妊を知るや否や媚びるような態度で接してくる。今日も前触れもなく勝手にやって来た。本当は追い返そうとしたが、『少しだけでも』とリズが言ったから渋々招き入れてた。
「本当にめでたい事だな。エリザベスの子供の誕生が今から楽しみだ。きっと愛し合うお前達からはロザリンの子より魔力の高い優秀な子が生まれるはずだ。
そうなったら、あちらの子は廃嫡してエリザベスの子を嫡男にしなくてはな。
なあに、私がすべて上手くやるからお前達は何もしなくていい。
ワッハッハ、礼などいらんぞ。可愛い孫の為なんだからこれぐらい当然だ」
「エリザベス、妊娠中は気を付けなさいね。お腹の子は侯爵家の跡継ぎになるのだからちゃんと産むのよ。
子爵家出身のロザリンよりきっとあなたの方が優秀な子を産めるはず、だって伯爵家出身ですものね」
勝手にやって来て、勝手な事ばかり言う二人に心底怒りが沸いてくる。
こいつらどうしてくれようかっ!
証拠を残さない方法…消し炭でいいか。
目の前で消し炭になる侯爵夫妻を想像し、自然と笑みが零れる。それを見て馬鹿なあいつらは増々図に乗って捲し立ててくる。
やはり、やるか。
そんな俺を見て隣にいるリズが口元を片手で隠しながら口パクでなにか言っている。
『だ・め・よ・ア・レ・ク』
やはりリズには敵わない、俺の物騒な考えはお見通しのようだ。腕を俺の手に絡ませ落ち着かせようとしてくれている。
ああなんて可愛いんだ。
困ったようでいて少し怒っているのか?
そんな表情もリズなら最高だ。
うん、天使だな!
目の前の屑よりも隣の天使を優先する、決まりだ!
「胎教に悪いのでもうお引き取りをお願いします」
そう言って彼らが座っている椅子の脚を魔力で折ると、転げ落ちた彼らは慌てて別邸から去って行った。
これで平穏が戻った、愛するリズとの時間を満喫できる。
「もうアレク。あんな事をしては駄目でしょう」
「いいだろう、あれくらい。あいつらは口で言っても理解できないから仕方がないのさ」
「お腹の赤ちゃんもびっくりしているわよ。
お父様が乱暴なのは嫌よね?そうでしょう?赤ちゃん」
リズが母親の顔をして最近膨らみ始めたお腹に向かって優しく声を掛けている。
その声は俺に掛ける声よりも格段に優しくて少し妬けてしまうが、俺達の子なので我慢する。
俺もお腹に顔を寄せて声を掛ける。
「そんなことはないよな。あんな奴らは嫌いだよな?
うんそうか!同じ気持ちか!偉いぞ、流石俺達の子だ」
「生まれる前から親ばかになって…」
「仕方がないだろう、こんなに可愛いんだから」
リズがお腹を撫でている手に自分の手を重ね、一緒に優しく撫でる。
自然とお互いに顔を寄せ合い、軽く口づけを交わす。リズと結婚して愛する人を得た。これ以上の幸せなんてないと思っていたけど、まだまだ彼女となら幸せを増やすことが出来るのを知った。
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