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18.王女の苛立ち~アイラ王女視点~①
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ガッゴン、ガッシャーン! パリン!
「なによ、なによ!あれはなんなのよ!」
夜会の後、自室に戻ってから手当たり次第に近くにあるものを床に投げつけ壊していく。侍女達が『アイラ様おやめくださいませ!』と懇願しても止めたりはしない。だって腹が立って仕方がないのだ。
---ああ、イライラする!なんで王女である私をこんなに苛立たせるの!
夜会でエドワードの色を纏って仲睦まじい様子を見せつけたのに、あの女は動じていなかった。
周りは『やはりそういう仲なのか』という目で見ていたのに、その言葉も耳に入っていたくせに平気な素振りをしていた。
それどころか私の許可もなく一瞬エドワードと目を合わせて勝手に微笑みかけていたのだ。
エドワード・キャンベルはすでに私の物なのに!
---忌々しい女だわ、見かけもパッとしないくせに妻という地位にしがみついて!
それにもっと腹立たしいのは、私がどんなに誘っても身分差に遠慮して靡かないくせにあの女が微笑んだ時に嬉しそうな顔を一瞬だけ見せたエドワード。
私と踊っていた時は当然笑顔でいたけど、でもその一瞬だけ私から気を逸らしたわ。
一瞬とはいえ、二人のやり取りは…絶対に許せない。ギリッ…王女の私が傍にいながらあんなつまらない女の事を見るなんて許せるはずもない。
まさか彼は私に選ばれておきながら、まだあの女に未練があると…?
---馬鹿馬鹿しい、そんなこと有り得ないわ!
可憐な王女の私があんな目立たない女に劣るはずがない、負けるはずがない!
私はいつだって選ばれる存在なのよ。
苛立ちは治まるどころか増すばかり。また物を投げつけようと近くにあった年代物の花瓶を手に取ると最近仕えるようになった若い侍女が『アイラ様、これだけはいけません』と無礼にも私を止めようと花瓶を押さえてきた。
---お・ま・え、な・に・し・て・い・る・の…?
「煩い煩い!侍女の分際で私のやる事に口出しすると言うの、この愚か者が!」
そう叫ぶと同時に花瓶を強引に手に取り、その侍女の馬鹿な頭目掛けて力一杯叩きつける。
ガッシャーン、パリン。『うっ…』ドサッーー。
派手に花瓶が割れた音とともに侍女が頭から血を流して床に倒れ込んだ。周りの侍女達は慌ててその倒れた侍女を助けようと近づき助け起こそうとするが、
「ヒッーー!し、死んでい…る…。ア、アイラ様…死んで、お、おります」
同僚の侍女が息をしていないのが分かると、王女以外のその場にいた誰もが息をのむ…。
「なによ、なによ!あれはなんなのよ!」
夜会の後、自室に戻ってから手当たり次第に近くにあるものを床に投げつけ壊していく。侍女達が『アイラ様おやめくださいませ!』と懇願しても止めたりはしない。だって腹が立って仕方がないのだ。
---ああ、イライラする!なんで王女である私をこんなに苛立たせるの!
夜会でエドワードの色を纏って仲睦まじい様子を見せつけたのに、あの女は動じていなかった。
周りは『やはりそういう仲なのか』という目で見ていたのに、その言葉も耳に入っていたくせに平気な素振りをしていた。
それどころか私の許可もなく一瞬エドワードと目を合わせて勝手に微笑みかけていたのだ。
エドワード・キャンベルはすでに私の物なのに!
---忌々しい女だわ、見かけもパッとしないくせに妻という地位にしがみついて!
それにもっと腹立たしいのは、私がどんなに誘っても身分差に遠慮して靡かないくせにあの女が微笑んだ時に嬉しそうな顔を一瞬だけ見せたエドワード。
私と踊っていた時は当然笑顔でいたけど、でもその一瞬だけ私から気を逸らしたわ。
一瞬とはいえ、二人のやり取りは…絶対に許せない。ギリッ…王女の私が傍にいながらあんなつまらない女の事を見るなんて許せるはずもない。
まさか彼は私に選ばれておきながら、まだあの女に未練があると…?
---馬鹿馬鹿しい、そんなこと有り得ないわ!
可憐な王女の私があんな目立たない女に劣るはずがない、負けるはずがない!
私はいつだって選ばれる存在なのよ。
苛立ちは治まるどころか増すばかり。また物を投げつけようと近くにあった年代物の花瓶を手に取ると最近仕えるようになった若い侍女が『アイラ様、これだけはいけません』と無礼にも私を止めようと花瓶を押さえてきた。
---お・ま・え、な・に・し・て・い・る・の…?
「煩い煩い!侍女の分際で私のやる事に口出しすると言うの、この愚か者が!」
そう叫ぶと同時に花瓶を強引に手に取り、その侍女の馬鹿な頭目掛けて力一杯叩きつける。
ガッシャーン、パリン。『うっ…』ドサッーー。
派手に花瓶が割れた音とともに侍女が頭から血を流して床に倒れ込んだ。周りの侍女達は慌ててその倒れた侍女を助けようと近づき助け起こそうとするが、
「ヒッーー!し、死んでい…る…。ア、アイラ様…死んで、お、おります」
同僚の侍女が息をしていないのが分かると、王女以外のその場にいた誰もが息をのむ…。
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