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19.ついに報告会
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『コケッコッコー』とはまだ鳴いてないが、離宮の朝は早い。みんな働き者なので、日の出前から起きて働き始めるのだ。もちろん主人であるシルビアも『早起きは三文の徳』の教えを守り早くに起きて、自分の仕度は自分でやっている。 今日の服装は淡い色の可愛い系ワンピースを選んだ。王宮でお茶会だけど、ギルアとは仲良くなったので余所行きモードの服でなくていいだろうと早くも手を抜けるところはしっかりと抜いている。
髪型はどうしようかと悩んでいると、サーサがノックをして部屋に入ってきた。
「シルビア様、おはようございます。今日もお早いですね、ところで今日はお茶会ですが、ドレスはいかがしますか?」
「もうこれでいいかと♪ギルア様とは仲良くなって友達みたいなものだし、余所行きモードだと堅苦しいでしょ?ねっ!」
着飾るのが億劫なだけなのに上手いこと言って乗り切ろうと、王宮専属庭園を友達の家のお庭だと言い張っている。
「はぁ~、仕方がないですね。そのワンピースはよくお似合いなのでとりあえずいいでしょう、髪型はどうしますか?」
「このまま下ろしていくのはどう?」
「それはあり得ません!手抜きも過ぎれば、ただのズボラです!髪型は私が決めます」
もう主人の意見は聞く必要なしとばかりに、髪を梳かして器用に結い始める。横に編み込みを入れ、後ろはお団子風にし白い花飾りを左右に着けていく。サーサが結った髪型のお陰でワンピースが格段に可愛く見える。持つべきものは『出来る侍女』だと感心していると、サーサが真面目な顔でシルビアに話をしてくる。
「シルビア様、昨日の帰りの馬車のお話覚えていますか?」
「もちろん、禁断の愛ね♪」
「それですが、決して国王様やガロン様に話したり、周りを焚き付けることはしないように!」
(シルビア様が誤解しているのはいい(国王が困るのは良い)が、何か言動に移し(煽って)、事態がややこしくなる(シルビア様が揉め事に巻き込まれる)のは避けなくてわ)
「分かったわ。『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ』ってことね。ラジャー♪」
「……」
間違っている、盛大に間違っている。聡明なはずなのに何故かしら…。
***************************
昨日と同じ場所・同じ時間でギルアとシルビアのお茶会がスタートする。
今日こそは公務の報告をしようと、シルビアがテーブルに報告書を出そうとすると、
「今日の格好はなんか、その、可愛いな!凄く似合っているぞ」
「あら、有り難うございます。仲良くなったので気軽な服装にしたのですが、褒めてもらえて嬉しいわ」
「そうだな!俺達は仲が良いぞ!」
ギルアは顔を真っ赤にし、にやけてしまう口元を手で隠している。実は昨晩寝ながら考え、自分の恋心に気づいてしまったので、照れているのだ。だがブンブン尻尾は後ろに控えている者達から丸見えで、隠せていない。
女性を褒めるなどした事がない朴念仁のギルアを知っている周りの王宮侍女達は一様に驚いている。昨日のギルアの様子で正妃に好意があるのは何となく感じたが、『これは恋に間違いない♪』と確信した。
最初は人族の正妃に抵抗があったが、離宮の使用人から話を聞き本人に実際に会ってみると『素敵な女性』だと分かった。それならば、主人である国王の恋を応援せねばと、俄然やる気が出てくる。
そんなギルアと周りの侍女達のやる気に気づかないシルビアはサッサッと『後宮問題解決策㊙』を出してきた。
「頼まれていた公務の解決策を私なりに考えてみました。詳細はこちらに書いてありますので、宰相や側近などとご検討ください」
「うっ、早いな、分かった」
「ギルア様も、早く知りたいでしょう!ねっ!それに質問もあると思いますので、まずは簡単に口頭でお話しします♪」
仕事の報告が出来るのが単純に嬉しいシルビアと、側妃達とは離縁したいがそのことをシルビアに任せてしまった事を後悔しているギルア。あの時の自分の行動を後悔しまくりである。
侍女達はこの時初めて正妃の公務の内容を知った。
(((何てことを依頼したんだー。それでは気持ちが伝わらないどころかマイナスだ--)))
(その時は気持ちに気づかなかったんだーー、グスン…)25歳のマッチョ狼獣人の涙なんて、誰も見たくない。
「まず側妃達はギルア様と離縁する気は現時点で0%です!これは断言できます」
「…自信ありげに言わないでくれ…」
「し・か・し、その0%を100%に変えることは可能です!」
まずはどん底迄まで叩き落してから希望を与えるというエグイ交渉術を披露するシルビア、とても嬉しそうである。
「その鍵はズバリ!『番』です。ギルア様も『番』に執着していますが、それは獣人である側妃達も同じす。側妃達の幸せの究極地点『番』を見つけてあげるのです!そうすれば『番』を選んでギルア様と離縁するでしょう♪」
(どうだ!これぞ、お互いに恨みっこなしで離縁する方法♪)
「そうか、そうだな!側妃達も『番』に会ったら離縁してくれるか、ハッハッハ…。こんな簡単なことに気づけないとは」
(側妃達との離縁は万々歳だが、俺が『番』に今も執着していると認識してるのは困る…。どうすればいいんだ…)
「まぁ、ギルア様はご自分の『番探し』に夢中ですから気が付かなかったのも仕方がないでしょう♪」
「……」
(うっうー)
全くもってその通りなので何も言えない。でも今は『番』ではないシルビアが好きなのだが状況が状況なだけに言えない…、きっと呆れられる。
「解決策は提示しましたので、側妃達の『番』探しはよろしくお願いします」
無事任務完了とばかりに胸を張っている。どうやらお褒めの言葉を待っているようだ。
「有り難う。流石シルビアだ」
褒めているが、その声は元気がない。胸中複雑とはまさにこれ!でも自業自得なので誰かに八つ当たりも出来ないでいる。
周りの侍女達からは憐みの眼差しが向けられている。自分の好きな人に妻と別れる方法を考えさせる男は、恋愛対象にはならない、それは世間一般の常識だ。つまりギルアは現時点でシルビアから恋愛対象外になっているということだ。
(((憐れだが、同情はしません!!)))そんな目で国王を一斉に睨む王宮侍女は間違っているとは言えない。
****************************
ギルアはシルビアの報告書『後宮問題解決策㊙』を持って、国王の執務室に戻ってきた。まずは宰相とガロンに目を通させて、今後の対応策を検討しようと考えていた。
そこに後宮の使用人が入室してきて、何とも痛ましそうに国王をチラチラ見ながら側近ガロンに何かを手渡している。
「ギルア様! 側妃達からプレゼントです『魅惑の当番表ハード版』? ワォ!複数プレイだってよ~レベル上がっているな!後で感想を聞かせてくれ ワッハッハ」
「……」
数秒後、ギルアは両手を使いガロンを床に沈めた。
そして、離宮の使用人から、後宮でのお茶会の様子とシルビアが側妃達に伝えた『ギルアの伝言』なるものを聞き、ガロンの隣に自ら沈んでいくのであった。
---暫くして復活したガロン---
「あれ?なんでギルア様が倒れているんだ?そうか、分かった!『魅惑の当番表ハード版』の凄さに悶絶したんだな~」
「黙っていなさいガロン、命が惜しくないのですか」
「なんか倒れているとき聞こえてきた、『当番表は無くても、夜は覚悟しておけ!』てセリフ凄いな。俺も一回言ってみたい、ワッハッハ」
「そのくらいで止めときなさい」
「それにその伝言を笑顔で伝えるシルビア様は流石だな~。円満仮面夫婦の鏡だな、ワッハッ…」
ドッサ!ボッコ、ボッキ!ズザザザーーー
「……だから言ったのに…」
いつの間にかギルアが自力で復活して、この会話も強制終了…。そしてガロンは医務室のベットの住人になるのであった。
髪型はどうしようかと悩んでいると、サーサがノックをして部屋に入ってきた。
「シルビア様、おはようございます。今日もお早いですね、ところで今日はお茶会ですが、ドレスはいかがしますか?」
「もうこれでいいかと♪ギルア様とは仲良くなって友達みたいなものだし、余所行きモードだと堅苦しいでしょ?ねっ!」
着飾るのが億劫なだけなのに上手いこと言って乗り切ろうと、王宮専属庭園を友達の家のお庭だと言い張っている。
「はぁ~、仕方がないですね。そのワンピースはよくお似合いなのでとりあえずいいでしょう、髪型はどうしますか?」
「このまま下ろしていくのはどう?」
「それはあり得ません!手抜きも過ぎれば、ただのズボラです!髪型は私が決めます」
もう主人の意見は聞く必要なしとばかりに、髪を梳かして器用に結い始める。横に編み込みを入れ、後ろはお団子風にし白い花飾りを左右に着けていく。サーサが結った髪型のお陰でワンピースが格段に可愛く見える。持つべきものは『出来る侍女』だと感心していると、サーサが真面目な顔でシルビアに話をしてくる。
「シルビア様、昨日の帰りの馬車のお話覚えていますか?」
「もちろん、禁断の愛ね♪」
「それですが、決して国王様やガロン様に話したり、周りを焚き付けることはしないように!」
(シルビア様が誤解しているのはいい(国王が困るのは良い)が、何か言動に移し(煽って)、事態がややこしくなる(シルビア様が揉め事に巻き込まれる)のは避けなくてわ)
「分かったわ。『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ』ってことね。ラジャー♪」
「……」
間違っている、盛大に間違っている。聡明なはずなのに何故かしら…。
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昨日と同じ場所・同じ時間でギルアとシルビアのお茶会がスタートする。
今日こそは公務の報告をしようと、シルビアがテーブルに報告書を出そうとすると、
「今日の格好はなんか、その、可愛いな!凄く似合っているぞ」
「あら、有り難うございます。仲良くなったので気軽な服装にしたのですが、褒めてもらえて嬉しいわ」
「そうだな!俺達は仲が良いぞ!」
ギルアは顔を真っ赤にし、にやけてしまう口元を手で隠している。実は昨晩寝ながら考え、自分の恋心に気づいてしまったので、照れているのだ。だがブンブン尻尾は後ろに控えている者達から丸見えで、隠せていない。
女性を褒めるなどした事がない朴念仁のギルアを知っている周りの王宮侍女達は一様に驚いている。昨日のギルアの様子で正妃に好意があるのは何となく感じたが、『これは恋に間違いない♪』と確信した。
最初は人族の正妃に抵抗があったが、離宮の使用人から話を聞き本人に実際に会ってみると『素敵な女性』だと分かった。それならば、主人である国王の恋を応援せねばと、俄然やる気が出てくる。
そんなギルアと周りの侍女達のやる気に気づかないシルビアはサッサッと『後宮問題解決策㊙』を出してきた。
「頼まれていた公務の解決策を私なりに考えてみました。詳細はこちらに書いてありますので、宰相や側近などとご検討ください」
「うっ、早いな、分かった」
「ギルア様も、早く知りたいでしょう!ねっ!それに質問もあると思いますので、まずは簡単に口頭でお話しします♪」
仕事の報告が出来るのが単純に嬉しいシルビアと、側妃達とは離縁したいがそのことをシルビアに任せてしまった事を後悔しているギルア。あの時の自分の行動を後悔しまくりである。
侍女達はこの時初めて正妃の公務の内容を知った。
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(その時は気持ちに気づかなかったんだーー、グスン…)25歳のマッチョ狼獣人の涙なんて、誰も見たくない。
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「…自信ありげに言わないでくれ…」
「し・か・し、その0%を100%に変えることは可能です!」
まずはどん底迄まで叩き落してから希望を与えるというエグイ交渉術を披露するシルビア、とても嬉しそうである。
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(どうだ!これぞ、お互いに恨みっこなしで離縁する方法♪)
「そうか、そうだな!側妃達も『番』に会ったら離縁してくれるか、ハッハッハ…。こんな簡単なことに気づけないとは」
(側妃達との離縁は万々歳だが、俺が『番』に今も執着していると認識してるのは困る…。どうすればいいんだ…)
「まぁ、ギルア様はご自分の『番探し』に夢中ですから気が付かなかったのも仕方がないでしょう♪」
「……」
(うっうー)
全くもってその通りなので何も言えない。でも今は『番』ではないシルビアが好きなのだが状況が状況なだけに言えない…、きっと呆れられる。
「解決策は提示しましたので、側妃達の『番』探しはよろしくお願いします」
無事任務完了とばかりに胸を張っている。どうやらお褒めの言葉を待っているようだ。
「有り難う。流石シルビアだ」
褒めているが、その声は元気がない。胸中複雑とはまさにこれ!でも自業自得なので誰かに八つ当たりも出来ないでいる。
周りの侍女達からは憐みの眼差しが向けられている。自分の好きな人に妻と別れる方法を考えさせる男は、恋愛対象にはならない、それは世間一般の常識だ。つまりギルアは現時点でシルビアから恋愛対象外になっているということだ。
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ギルアはシルビアの報告書『後宮問題解決策㊙』を持って、国王の執務室に戻ってきた。まずは宰相とガロンに目を通させて、今後の対応策を検討しようと考えていた。
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「ギルア様! 側妃達からプレゼントです『魅惑の当番表ハード版』? ワォ!複数プレイだってよ~レベル上がっているな!後で感想を聞かせてくれ ワッハッハ」
「……」
数秒後、ギルアは両手を使いガロンを床に沈めた。
そして、離宮の使用人から、後宮でのお茶会の様子とシルビアが側妃達に伝えた『ギルアの伝言』なるものを聞き、ガロンの隣に自ら沈んでいくのであった。
---暫くして復活したガロン---
「あれ?なんでギルア様が倒れているんだ?そうか、分かった!『魅惑の当番表ハード版』の凄さに悶絶したんだな~」
「黙っていなさいガロン、命が惜しくないのですか」
「なんか倒れているとき聞こえてきた、『当番表は無くても、夜は覚悟しておけ!』てセリフ凄いな。俺も一回言ってみたい、ワッハッハ」
「そのくらいで止めときなさい」
「それにその伝言を笑顔で伝えるシルビア様は流石だな~。円満仮面夫婦の鏡だな、ワッハッ…」
ドッサ!ボッコ、ボッキ!ズザザザーーー
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