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27.何かが起こる夏祭り②
王宮に連れてこられたドギオとその両親は、『番』であるマアラの存在を素直に喜んでいる。ただ、なぜ王宮に連れてこられたのか分からず、待たされている豪華な部屋でお茶も飲まずソワソワとしていた。
しばらく待っていると、扉が開き数人の見知らぬ人物と『番』マアラが入室して来た。ドギオは他の者など眼中になく、マアラの手を掴むと自分の側に連れて来る。
「マアラ、心配したぞ。大丈夫か?それにあのおっさんがなんで一緒にいるんだ!」
マアラと一緒に入ってきた人物の一人が、祭りで自分の『番』を呼び捨てにしたおっさんだと分かると、敵愾心むき出しで威嚇する。子供とはいえ獣人の性なので仕方がない。
とりあえずドギオと両親が今の状況を知らないままでは話が進まないので、宰相がマアラの身分や部屋にいる者達の身分など状況をざっと説明する。
聞いている途中から、ドギオ両親はお互いに手を握りしめガタガタと震えている。自分達の息子のライバルが国王で、その国王に対しおっさん呼びし喧嘩を売っていた事に気づいたのだから当然の反応だろう。
「「も、も、申し訳ございません。知らないとはいえ国王様と側妃様に息子がとんだ無礼を致しました!」」
ドギオの両親が椅子から転がり落ち、声を震わせ土下座をしながら謝罪をする。息子を含め自分達は死刑かと怯えている。
「ぅんだよ!獣人には『番』は絶対じゃんか。謝る必要はねぇ!国王様よ、マアラをさっさと解放しろ」
怯える両親とは反対に、ドギオは国王であるギルアに向かって啖呵を切ってくる。若いうえに『番』に魅了されてるから無謀なことを平気で言ってくる。だが逆にこれは話が簡単に進みそうだとギルア達が思っていると、マアラがドギオに抱き着きながら叫んでくる。
「私はドギオしか愛していないわ。今までもそうだし、これからもよ!私の一族が皆殺しされてもこの愛は奪えないわ!!」
(((あんた言ってること滅茶苦茶だからな!つい昨日まで『国王と愛し愛され結婚した』て言い張っていたよね?!
それに一族皆殺しってなに?狼族は国王の部族じゃん!勝手に殺すな)))
変な世界に浸っている脳筋マアラとお子様ドギオは全員一致で無視することした。震えが止まらないようだが、まともに話が通じそうなドギオ両親にギルアは提案する。
「俺も獣人だ、『番』優先の心情は理解している。よってマアラ妃と本日をもって正式に離縁する。そして、ドギオとマアラを婚約させたいと考えているがどうだ、異存はあるか?」
「もちろん、異存などありません。有り難うございます!有り難うございます!」
あっけなく離縁と婚約が認められ、驚きながらも手を取り合って喜んでいるドギオ両親。その両親の様子に『変な世界』から現実に戻り、自分達が認められたと喜び抱き合うドギオとマアラ。…かなりお目出度いカップル誕生である。本当に大丈夫かこの二人?と思うが、本人達は幸せだし、ドギオ両親もマアラを受け入れているので結果オーライである。『決して脳筋側妃を押し付けたのではない…』と、みんな思い込む事にした。
国王と側妃マアラの離縁は、その日のうちに王宮内には知れ渡った。『番』が見つかっての円満離縁は、番至上主義の獣人にとって当たり前の事として受け入れられ、マアラが後宮から去る時は万歳三唱で盛大に見送られることになった。この様子にマアラは感激し、嬉しさのあまり号泣しながら去っていった。そして、マアラ専属侍女達は違う意味で号泣していた。
(((やっと、脳筋から解放されます~。ばんざーい!)))
またギルアとマアラは同じ狼獣人なので、狼族の方でも離縁については問題は起こらず、マアラの『番』発見を喜んで受け入れていたのである、…この時点では。
**************************
---狼族領地----
国王と離縁したマアラは、狼族の領地に戻ってきている。ネズミ獣人ドギオと婚約しているが、相手がまだ17歳なので結婚は出来ない。獣人の成人は18歳で、あと一年は待たなければならないのだ。
離縁直後は、婚約関係にあるので花嫁修業を兼ねてドギオの実家で同居していた。義両親との関係も良好で何もかも順調にいっていた。
だが同居が二か月経ったある日、事件が起きた!
お酒を飲んで酔っ払った狼獣人マアラがドギオを閨に引きずり込もうとしたのだ。幸い親戚のネズミ獣人が多数いたので総出でなんとか止め、未遂で済んだ。だが、またそんな事が起きたらひ弱なネズミ獣人夫婦だけでは止められないからと、ドギオが成人するまでマアラは狼族領地に戻されることになった。
どんなに『番』とはいえ、相手が未成年なのに襲ったら犯罪だ。狼一族は、そんな性犯罪者を出しては誇り高い狼族の不名誉だと、ドギオが成人するまでマアラと会わせないと決めた。
だが『番』を知った獣人は手強い!
毎日マアラはあの手この手で領地から抜け出しドギオに会いに行こうとするのだ。
それを当番制で阻止する狼一族の疲労は積もっていく…、みんな仕事だってある、暇ではないのだ。
狼獣人の誰もが、ドギオの成人する日を指折り数えるようになっている。
そしていつの間にか、【ドギオ日めくりカレンダー】なるものが、販売されていた。
今日もどこかで一枚めくられる
…【ドギオの成人まであと299日】
しばらく待っていると、扉が開き数人の見知らぬ人物と『番』マアラが入室して来た。ドギオは他の者など眼中になく、マアラの手を掴むと自分の側に連れて来る。
「マアラ、心配したぞ。大丈夫か?それにあのおっさんがなんで一緒にいるんだ!」
マアラと一緒に入ってきた人物の一人が、祭りで自分の『番』を呼び捨てにしたおっさんだと分かると、敵愾心むき出しで威嚇する。子供とはいえ獣人の性なので仕方がない。
とりあえずドギオと両親が今の状況を知らないままでは話が進まないので、宰相がマアラの身分や部屋にいる者達の身分など状況をざっと説明する。
聞いている途中から、ドギオ両親はお互いに手を握りしめガタガタと震えている。自分達の息子のライバルが国王で、その国王に対しおっさん呼びし喧嘩を売っていた事に気づいたのだから当然の反応だろう。
「「も、も、申し訳ございません。知らないとはいえ国王様と側妃様に息子がとんだ無礼を致しました!」」
ドギオの両親が椅子から転がり落ち、声を震わせ土下座をしながら謝罪をする。息子を含め自分達は死刑かと怯えている。
「ぅんだよ!獣人には『番』は絶対じゃんか。謝る必要はねぇ!国王様よ、マアラをさっさと解放しろ」
怯える両親とは反対に、ドギオは国王であるギルアに向かって啖呵を切ってくる。若いうえに『番』に魅了されてるから無謀なことを平気で言ってくる。だが逆にこれは話が簡単に進みそうだとギルア達が思っていると、マアラがドギオに抱き着きながら叫んでくる。
「私はドギオしか愛していないわ。今までもそうだし、これからもよ!私の一族が皆殺しされてもこの愛は奪えないわ!!」
(((あんた言ってること滅茶苦茶だからな!つい昨日まで『国王と愛し愛され結婚した』て言い張っていたよね?!
それに一族皆殺しってなに?狼族は国王の部族じゃん!勝手に殺すな)))
変な世界に浸っている脳筋マアラとお子様ドギオは全員一致で無視することした。震えが止まらないようだが、まともに話が通じそうなドギオ両親にギルアは提案する。
「俺も獣人だ、『番』優先の心情は理解している。よってマアラ妃と本日をもって正式に離縁する。そして、ドギオとマアラを婚約させたいと考えているがどうだ、異存はあるか?」
「もちろん、異存などありません。有り難うございます!有り難うございます!」
あっけなく離縁と婚約が認められ、驚きながらも手を取り合って喜んでいるドギオ両親。その両親の様子に『変な世界』から現実に戻り、自分達が認められたと喜び抱き合うドギオとマアラ。…かなりお目出度いカップル誕生である。本当に大丈夫かこの二人?と思うが、本人達は幸せだし、ドギオ両親もマアラを受け入れているので結果オーライである。『決して脳筋側妃を押し付けたのではない…』と、みんな思い込む事にした。
国王と側妃マアラの離縁は、その日のうちに王宮内には知れ渡った。『番』が見つかっての円満離縁は、番至上主義の獣人にとって当たり前の事として受け入れられ、マアラが後宮から去る時は万歳三唱で盛大に見送られることになった。この様子にマアラは感激し、嬉しさのあまり号泣しながら去っていった。そして、マアラ専属侍女達は違う意味で号泣していた。
(((やっと、脳筋から解放されます~。ばんざーい!)))
またギルアとマアラは同じ狼獣人なので、狼族の方でも離縁については問題は起こらず、マアラの『番』発見を喜んで受け入れていたのである、…この時点では。
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---狼族領地----
国王と離縁したマアラは、狼族の領地に戻ってきている。ネズミ獣人ドギオと婚約しているが、相手がまだ17歳なので結婚は出来ない。獣人の成人は18歳で、あと一年は待たなければならないのだ。
離縁直後は、婚約関係にあるので花嫁修業を兼ねてドギオの実家で同居していた。義両親との関係も良好で何もかも順調にいっていた。
だが同居が二か月経ったある日、事件が起きた!
お酒を飲んで酔っ払った狼獣人マアラがドギオを閨に引きずり込もうとしたのだ。幸い親戚のネズミ獣人が多数いたので総出でなんとか止め、未遂で済んだ。だが、またそんな事が起きたらひ弱なネズミ獣人夫婦だけでは止められないからと、ドギオが成人するまでマアラは狼族領地に戻されることになった。
どんなに『番』とはいえ、相手が未成年なのに襲ったら犯罪だ。狼一族は、そんな性犯罪者を出しては誇り高い狼族の不名誉だと、ドギオが成人するまでマアラと会わせないと決めた。
だが『番』を知った獣人は手強い!
毎日マアラはあの手この手で領地から抜け出しドギオに会いに行こうとするのだ。
それを当番制で阻止する狼一族の疲労は積もっていく…、みんな仕事だってある、暇ではないのだ。
狼獣人の誰もが、ドギオの成人する日を指折り数えるようになっている。
そしていつの間にか、【ドギオ日めくりカレンダー】なるものが、販売されていた。
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