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第3章 5 ジョバンニの誘い
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翌日―
「おはよう、ロザリア。君・・・こんなところで何をしているんだい?」
朝食後の運動を兼ねて、私はメイドさんたちと混ざってエントランス前のモップがけをしていると、何故か呼んでもいないのに紙袋を手に持ったジョバンニがやってきたのだ。ジョバンニはにこやかな笑みを浮かべているし、気付けば口調も変わっている。お前から君に格上げしているじゃないの。
「見ればわかるでしょう?モップかけをしているのよ。自分の住む場所は自分で掃除するのは当然だからね。」
だから早く帰りなさいよ。無言の圧で私は持っていたモップをジョバンニの前で突き出した。
「う、うわっ!な、何するんだよっ!お前っ!」
おお、すぐにメッキが剝がれたか。
「別に。ただ、今足元が汚れていたから拭きとっただけよ?それより何の用なの?私今すっごーく忙しいんだけど?」
目線も合わせずにモップかけをしているとジョバンニは鼻で笑った。
「忙しいって言ったって、たかだかモップかけだろう?そんなのメイドにやらせればいいじゃないか?ねえ。それよりロザリア。君の馬車でどこかへ出かけようよ。あ、そうだっ!実は今町にサーカスのテントが来てるんだよ。猛獣使いとか、他にマジックショーもやってるんだよ。露店もたくさん出ているし・・デートがてらサーカスを見に行こうよ。」
「はあ?デート?」
私は思いっきりジョバンニを軽蔑した目で見ると鼻で笑った。
「何で私がデートしなければいけないのよ。そもそも誘う相手を間違えてるし。貴方にはセレナという素敵な恋人がいるでしょう?」
すると何を勘違いしたのか、ジョバンニが言う。
「セレナ?ああ・・もしかして妬いてるのかな?彼女は違うよ。ちょっと俺が親切にしたら、すっかり勘違いして勝手にのぼせ上ってしまっただけだよ。大体彼女は平民。貴族の俺が相手にするはずないだろう?セレナは俺の財産が目当てなだけだよ。大体住む世界が所詮違うんだから。」
まるきりクズ男のセリフを堂々と吐くジョバンニ。こいつ・・心の中ではこんな事を考えていたのか。セレナが今の話を聞いたらきっとただではすまないだろう。
だいたい、今のセリフはそっくりそのままジョバンニに返してやりたい。それに私はロザリアから話を聞いて知ってるのだ。ジョバンニはセレナと出会う前はデートと称してロザリアを誘っては自分の欲しいもの全てロザリアにお金を支払わせ、自分は一切お金を出したことすら無いって事を。
「・・全く鬱陶しい虫だわ・・・・。」
思わず口に出して言うと、ジョバンニが辺りをキョロキョロしながら言う。
「え?虫?そんなものはどこにもいないようだけど・・?」
ええ。ええ。そりゃ分からないでしょう。だって虫ってのはあんたの事なんだから・・・。そこで私はいい考えを思いついた。
「そんなにデートしたいなら・・・してあげてもいいけど、今日の私はお財布を持っていかないからね?そっちから誘ってきたんだから、デート費用は全額払ってもらうわよ?」
「ええ?!そ、そんな・・・!」
ショックを受けるジョバンニ。おのれ・・・やはりロザリアに全額負担させる気だったんだな?全くとんでもない男だ。
「嫌ならいかない。愛しいセレナの処にでも行ったら?」
シッシッと手で追い払う。
「ロザリア・・・。」
眉間にしわを寄せたジョバンニに私はわざと微笑んだ。
「あら、何かしら?」
すると、ジョバンニの顔が真っ赤に染まる。やはり・・・ロザリアに対して・・・・照れているなっ?!実はさっきからソワソワと落ち着きがなく、時折ロザリアから視線を反らす素振りをするのだ。何せ、今のロザリアは、はっきり言って以前とは比べ物にならないくらい美人になった。うん、こんなクズ男なんか、今のロザリアにとっては不釣り合いだ。
そこで私はある考えが浮かんだ―。
「おはよう、ロザリア。君・・・こんなところで何をしているんだい?」
朝食後の運動を兼ねて、私はメイドさんたちと混ざってエントランス前のモップがけをしていると、何故か呼んでもいないのに紙袋を手に持ったジョバンニがやってきたのだ。ジョバンニはにこやかな笑みを浮かべているし、気付けば口調も変わっている。お前から君に格上げしているじゃないの。
「見ればわかるでしょう?モップかけをしているのよ。自分の住む場所は自分で掃除するのは当然だからね。」
だから早く帰りなさいよ。無言の圧で私は持っていたモップをジョバンニの前で突き出した。
「う、うわっ!な、何するんだよっ!お前っ!」
おお、すぐにメッキが剝がれたか。
「別に。ただ、今足元が汚れていたから拭きとっただけよ?それより何の用なの?私今すっごーく忙しいんだけど?」
目線も合わせずにモップかけをしているとジョバンニは鼻で笑った。
「忙しいって言ったって、たかだかモップかけだろう?そんなのメイドにやらせればいいじゃないか?ねえ。それよりロザリア。君の馬車でどこかへ出かけようよ。あ、そうだっ!実は今町にサーカスのテントが来てるんだよ。猛獣使いとか、他にマジックショーもやってるんだよ。露店もたくさん出ているし・・デートがてらサーカスを見に行こうよ。」
「はあ?デート?」
私は思いっきりジョバンニを軽蔑した目で見ると鼻で笑った。
「何で私がデートしなければいけないのよ。そもそも誘う相手を間違えてるし。貴方にはセレナという素敵な恋人がいるでしょう?」
すると何を勘違いしたのか、ジョバンニが言う。
「セレナ?ああ・・もしかして妬いてるのかな?彼女は違うよ。ちょっと俺が親切にしたら、すっかり勘違いして勝手にのぼせ上ってしまっただけだよ。大体彼女は平民。貴族の俺が相手にするはずないだろう?セレナは俺の財産が目当てなだけだよ。大体住む世界が所詮違うんだから。」
まるきりクズ男のセリフを堂々と吐くジョバンニ。こいつ・・心の中ではこんな事を考えていたのか。セレナが今の話を聞いたらきっとただではすまないだろう。
だいたい、今のセリフはそっくりそのままジョバンニに返してやりたい。それに私はロザリアから話を聞いて知ってるのだ。ジョバンニはセレナと出会う前はデートと称してロザリアを誘っては自分の欲しいもの全てロザリアにお金を支払わせ、自分は一切お金を出したことすら無いって事を。
「・・全く鬱陶しい虫だわ・・・・。」
思わず口に出して言うと、ジョバンニが辺りをキョロキョロしながら言う。
「え?虫?そんなものはどこにもいないようだけど・・?」
ええ。ええ。そりゃ分からないでしょう。だって虫ってのはあんたの事なんだから・・・。そこで私はいい考えを思いついた。
「そんなにデートしたいなら・・・してあげてもいいけど、今日の私はお財布を持っていかないからね?そっちから誘ってきたんだから、デート費用は全額払ってもらうわよ?」
「ええ?!そ、そんな・・・!」
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「ロザリア・・・。」
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「あら、何かしら?」
すると、ジョバンニの顔が真っ赤に染まる。やはり・・・ロザリアに対して・・・・照れているなっ?!実はさっきからソワソワと落ち着きがなく、時折ロザリアから視線を反らす素振りをするのだ。何せ、今のロザリアは、はっきり言って以前とは比べ物にならないくらい美人になった。うん、こんなクズ男なんか、今のロザリアにとっては不釣り合いだ。
そこで私はある考えが浮かんだ―。
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