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第40話 ヒロインに色々教わる悪役令息
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「エディット……」
どうしてここに?と尋ねようとする前に母が声を掛けて来た。
「エディットさんが、どうしても貴方と登校したくてわざわざ迎えに来て下さったのよ?感謝しなさい」
恐らくエディットは両親に言いつけられて、やむを得ず迎えに来ているはずだ。
けれど……どうも母の物言いは押しつけがましく聞こえる。
「あの、ご迷惑だったでしょうか……?」
エディットが伏し目がちに尋ねて来た。
「迷惑だなんてとんでもない!ありがとう、エディット。迎えに来てくれて本当に嬉しいよ」
僕は心から感謝を述べた。
何しろエディットが迎えに来てくれなければ、僕は今までどうやって登校していたのか、皆目見当もつかなかったのだから。
「まぁ、アドルフったら……そんなに喜んで。余程エディットさんのお迎えが嬉しかったのね?」
母が笑いながら僕を見る。
「ええ、当然じゃないですか」
エディットのお陰で悩むことも無く登校できるのだから、これほどありがたいことは無い。
「ア、アドルフ様‥‥」
顔を赤らめて僕を見つめるエディットに声を掛けた。
「それじゃ早速学校へ行こうか?」
「はい」
嬉しそうに返事をするエディットと一緒に、僕たちは母に見送られながら馬車に乗った――。
****
エディットの乗って来た馬車は彼女専用の馬車らしく、白く塗られた綺麗な馬車だった。座席もクッション部分がフカフカして、とても座り心地が良い。
こんなに素晴らしい馬車に乗ることが出来るとは思いもしなかった。
日本に残してきた妹はさぞかし乗ってみたいだろうな……等と考えつつ、エディットに声を掛けた。
「エディットの馬車はとても素敵だね?」
「ありがとうございます。両親が高校に入学した年にプレゼントしてくれた馬車なのです」
はにかみながら答えるエディット。
「そうなんだ。でもこの馬車を見る限り、エディットのご両親がどれだけ愛情深く思ってくれているか分かるね」
「え?ほ、本当ですか?」
「うん、本当だよ」
エディットはこれほど大切に育てられているお嬢様なのだからな……。前評判が悪い僕のような悪役令息には彼女の相手は荷が重すぎる。
王子が現れたら、僕はエディットから離れよう。なんなら原作には無かったけれども、僕が2人の仲を取り持つのもありかもしれない。
そうすれば追放されるどころか、逆に2人から感謝されるかもしれないしな……。
「あ、あの‥‥アドルフ様……」
エディットが頬を赤らめながら僕に声を掛けて来た。
「何?」
「な、何か私の顔についていますか?」
「え?あ……」
どうやら僕はエディットをじっと見つめながら考え事をしていたようだった。
「ご、ごめん。あんまりにもエディットの制服姿が似合っていたから……つい、見惚れてしまったんだよ」
取って付けた言い方に聞こえてしまうかもしれないけれど……エディットの制服姿は本当によく似あっていた。
袖部分が程よく膨らんだジャケットは腰の部分がフリルのようになっている。スカート丈はくるぶしまで届く長さで、妹が見たら卒倒しそうな可愛らしいデザインだった。
「そ、そんな‥‥見惚れるだなんて…で、でも‥‥アドルフ様の制服姿もとても良く似合っています」
真っ赤な顔で僕の制服姿を褒めてくれるエディットはとても可愛らしかった。
「ところで、エディット。話は変わるけど……僕が馬に蹴られて記憶が曖昧なのは知ってるよね?」
「はい、勿論です」
「それじゃ、聞いてもいいかな?僕は何クラスだったっけ?」
「え?クラスも覚えていらっしゃらないのですか?」
流石に驚いたのか、エディットは目を見開いて僕を見た。
「うん…この際、正直に言ってしまえば学校名も忘れているんだよね……?」
こんなことになるのなら、もっとあの漫画を読み込んでおけば良かった。まさか自分がこの世界に転生してくるとは、思いもしていなかった。
しかし、それでもエディットは教えてくれた。
「私達が通う学院は『エドワード学院』と言います。私達はそこの3年生です。そしてアドルフ様はCクラスで、私はAクラスです」
「あ、そうか。そう言えばそうだったかもしれないね。でもエディットと同じクラスでないのは残念だ」
何しろ、僕は転校生のようなものだから不安が無い……と言ったら嘘になる。
「ア、アドルフ様……そうおっしゃって頂けるなんて光栄です……」
エディットは益々僕の言葉に顔を赤らめた。
「それじゃ、他にも聞いていいかな?」
「はい、私に答えられる範囲内であれば」
そしてその後も学校に着くまでの間、馬車の中で僕はエディットから学院のことについての予備知識を色々教わった――。
どうしてここに?と尋ねようとする前に母が声を掛けて来た。
「エディットさんが、どうしても貴方と登校したくてわざわざ迎えに来て下さったのよ?感謝しなさい」
恐らくエディットは両親に言いつけられて、やむを得ず迎えに来ているはずだ。
けれど……どうも母の物言いは押しつけがましく聞こえる。
「あの、ご迷惑だったでしょうか……?」
エディットが伏し目がちに尋ねて来た。
「迷惑だなんてとんでもない!ありがとう、エディット。迎えに来てくれて本当に嬉しいよ」
僕は心から感謝を述べた。
何しろエディットが迎えに来てくれなければ、僕は今までどうやって登校していたのか、皆目見当もつかなかったのだから。
「まぁ、アドルフったら……そんなに喜んで。余程エディットさんのお迎えが嬉しかったのね?」
母が笑いながら僕を見る。
「ええ、当然じゃないですか」
エディットのお陰で悩むことも無く登校できるのだから、これほどありがたいことは無い。
「ア、アドルフ様‥‥」
顔を赤らめて僕を見つめるエディットに声を掛けた。
「それじゃ早速学校へ行こうか?」
「はい」
嬉しそうに返事をするエディットと一緒に、僕たちは母に見送られながら馬車に乗った――。
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エディットの乗って来た馬車は彼女専用の馬車らしく、白く塗られた綺麗な馬車だった。座席もクッション部分がフカフカして、とても座り心地が良い。
こんなに素晴らしい馬車に乗ることが出来るとは思いもしなかった。
日本に残してきた妹はさぞかし乗ってみたいだろうな……等と考えつつ、エディットに声を掛けた。
「エディットの馬車はとても素敵だね?」
「ありがとうございます。両親が高校に入学した年にプレゼントしてくれた馬車なのです」
はにかみながら答えるエディット。
「そうなんだ。でもこの馬車を見る限り、エディットのご両親がどれだけ愛情深く思ってくれているか分かるね」
「え?ほ、本当ですか?」
「うん、本当だよ」
エディットはこれほど大切に育てられているお嬢様なのだからな……。前評判が悪い僕のような悪役令息には彼女の相手は荷が重すぎる。
王子が現れたら、僕はエディットから離れよう。なんなら原作には無かったけれども、僕が2人の仲を取り持つのもありかもしれない。
そうすれば追放されるどころか、逆に2人から感謝されるかもしれないしな……。
「あ、あの‥‥アドルフ様……」
エディットが頬を赤らめながら僕に声を掛けて来た。
「何?」
「な、何か私の顔についていますか?」
「え?あ……」
どうやら僕はエディットをじっと見つめながら考え事をしていたようだった。
「ご、ごめん。あんまりにもエディットの制服姿が似合っていたから……つい、見惚れてしまったんだよ」
取って付けた言い方に聞こえてしまうかもしれないけれど……エディットの制服姿は本当によく似あっていた。
袖部分が程よく膨らんだジャケットは腰の部分がフリルのようになっている。スカート丈はくるぶしまで届く長さで、妹が見たら卒倒しそうな可愛らしいデザインだった。
「そ、そんな‥‥見惚れるだなんて…で、でも‥‥アドルフ様の制服姿もとても良く似合っています」
真っ赤な顔で僕の制服姿を褒めてくれるエディットはとても可愛らしかった。
「ところで、エディット。話は変わるけど……僕が馬に蹴られて記憶が曖昧なのは知ってるよね?」
「はい、勿論です」
「それじゃ、聞いてもいいかな?僕は何クラスだったっけ?」
「え?クラスも覚えていらっしゃらないのですか?」
流石に驚いたのか、エディットは目を見開いて僕を見た。
「うん…この際、正直に言ってしまえば学校名も忘れているんだよね……?」
こんなことになるのなら、もっとあの漫画を読み込んでおけば良かった。まさか自分がこの世界に転生してくるとは、思いもしていなかった。
しかし、それでもエディットは教えてくれた。
「私達が通う学院は『エドワード学院』と言います。私達はそこの3年生です。そしてアドルフ様はCクラスで、私はAクラスです」
「あ、そうか。そう言えばそうだったかもしれないね。でもエディットと同じクラスでないのは残念だ」
何しろ、僕は転校生のようなものだから不安が無い……と言ったら嘘になる。
「ア、アドルフ様……そうおっしゃって頂けるなんて光栄です……」
エディットは益々僕の言葉に顔を赤らめた。
「それじゃ、他にも聞いていいかな?」
「はい、私に答えられる範囲内であれば」
そしてその後も学校に着くまでの間、馬車の中で僕はエディットから学院のことについての予備知識を色々教わった――。
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