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第86話 悪役令息、王子から誘われる
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「あ、あれは……」
その光景に思わず目を見張ってしまった。
「あの一緒にいる男って……エディットのクラスに転校してきた男じゃないか?それにあの女も確かお前を訪ねて来た同じ転校生だぞ。ひょっとして3人で約束していたのか?」
ブラッドリーの言葉に反論した。
「いや……でも何だか様子がおかしい」
僕は3人を注視した。
よく見ると、サチは王子からエディットを庇うように立っているし、王子はサチに詰め寄っているようにみえる。一方のエディットは困った様子でオロオロしている。
ひょっとして……!
「エディット!」
僕は馬車が行き交う道路を横断して、エディット達の元へ行く為に走った。
「お、おいっ?!アドルフ?!」
背後からは戸惑った様子のブラッドリーの声が追いかけてくる。
ひょっとして王子は強引に2人につきまとてっているのかもしれない。
エディットやサチが心配だ……!
僕は必死で向かい側の歩道に渡ると大黄な声でエディットの名前を呼んだ。
「エディット!!」
すると僕の声にエディットが振り向き、目を見開いた。
「アドルフ様?!」
サチや王子も突然現れた僕に驚いたのかこちらを凝視している。
「はぁ…はぁ……エ、エディット……ぐ、偶然だね……」
肩で息を切らせながら、さり気なくエディットの肩を抱いて自分の方に引き寄せた。
本当は「大丈夫だった?」と声を掛けたかったけれども、相手は王子。
気分を損ねるような言い方をするわけにはいかない。
「お…ヴァ、ヴァレンシュタインさん!」
サチは危うく『お兄ちゃん』と言いそうになったようだ。そこで僕はさり気なく挨拶した。
「こんにちは、2人とも。偶然だね」
すると王子が進み出てくるとジロリと僕を睨みつけてきた。
「本当に偶然だな。やっぱり2人と待ち合わせをしていたのか?」
「は?」
王子の口から意外な言葉が出てきたので思わず耳を疑った。
誰が2人と待ち合わせをしていたのか?だって?
それは王子の方では無いのだろうか?
するとサチが僕の方を向いて、弁明するように話しだした。
「私達、2人だけで買い物に来ていたんです。そしたら突然セドリック様が現れて……」
そこへ王子が会話に割って入って来た。
「今日、アリスはエディットと2人で出掛けると話していたんだ。けれど、ひょっとすると君とも待ち合わせをしているんじゃないかと思ってね…。後を追いかけて来たのさ」
「えっ?何だって?」
王子は悪びれる様子も無く、堂々とした態度で言ってのけた。
けれど……それって、2人の後をつけて来たってことじゃないだろうか?
「セドリック様。どうしてそのような真似をされたのですか?」
サチが少し責めるような口調で王子に尋ねたその時……。
「おいっ!アドルフ!お前、勝手に走り出すなよ……」
そこへ同じく駆け寄って来たブラッドリーが声を掛けて来た。
「あ……ごめん。ブラッドリー」
「全く…あんな馬車が行き来している往来を横切るなんて、無茶苦茶だ」
そして、ブラッドリーは次に王子に自己紹介してきた。
「やぁ、初めまして。俺はブラッドリー。アドルフとエディットの友人さ」
「…僕はセドリックだ‥…。そうか…待ち合わせじゃなかった」
王子の言葉にエディットが答えた。
「ですから、そうお話したではありませんか。今日は私とアリス様だけで買い物に来たと。そうですよね?アドルフ様」
「エディットの言う通りだよ。僕は今日は友人のブラッドリーとスーツ選びに買い物に来ていたんだよ」
未だにエディットの肩を抱きながら僕は王子を見ながら思った。
やっぱり、王子にエディットは渡したくない……と。
「分かった。でも丁度良かった。君と2人だけで話したいことがあったんだ。アリスとエディットは君の友人に任せて、僕に時間を分けてくれないかな?」
そして挑戦的な目で僕を見る。
「セドリック様!いきなり何を言い出すのですか?!」
サチが驚いた様子で王子に声を掛けた。
「アドルフ様……」
一方のエディットは心配そうな目で僕を見つめている。
けれど、王子と2人で話をするのは……ある意味、チャンスかもしれない。
「僕は少しも構わないけど…ブラッドリー。2人をお願いしてもいいかな?」
するとブラッドリーは肩をすくめた。
「ああ。別に俺は構わないぜ?」
「よし、なら話は決まったな。ここから先に公園があるから、そこで話そう」
何故公園?と思ったけれど、僕は頷いた。
「いいよ、何処へでも行くよ」
「なら俺たちはそこの喫茶店で待つことにするぞ。いいよな?2人とも」
ブラッドリーが指さした先には喫茶店があった。
「はい」
「分かりました」
エディットとサチが交互に返事をする。
「なら、決まりだ。すぐに行こう」
王子が前に立って歩き始めたので、僕はエディットの肩から手を外すと声を掛けた。
「またね、エディット」
「はい…アドルフ様」
するとブラッドリーが声を掛けて来た。
「おい、早く行かないと見失うぞ?」
「分かった。それじゃ頼むよ」
返事をすると次に一瞬サチに視線を向け……先を行く王子の後を急いで追った――。
その光景に思わず目を見張ってしまった。
「あの一緒にいる男って……エディットのクラスに転校してきた男じゃないか?それにあの女も確かお前を訪ねて来た同じ転校生だぞ。ひょっとして3人で約束していたのか?」
ブラッドリーの言葉に反論した。
「いや……でも何だか様子がおかしい」
僕は3人を注視した。
よく見ると、サチは王子からエディットを庇うように立っているし、王子はサチに詰め寄っているようにみえる。一方のエディットは困った様子でオロオロしている。
ひょっとして……!
「エディット!」
僕は馬車が行き交う道路を横断して、エディット達の元へ行く為に走った。
「お、おいっ?!アドルフ?!」
背後からは戸惑った様子のブラッドリーの声が追いかけてくる。
ひょっとして王子は強引に2人につきまとてっているのかもしれない。
エディットやサチが心配だ……!
僕は必死で向かい側の歩道に渡ると大黄な声でエディットの名前を呼んだ。
「エディット!!」
すると僕の声にエディットが振り向き、目を見開いた。
「アドルフ様?!」
サチや王子も突然現れた僕に驚いたのかこちらを凝視している。
「はぁ…はぁ……エ、エディット……ぐ、偶然だね……」
肩で息を切らせながら、さり気なくエディットの肩を抱いて自分の方に引き寄せた。
本当は「大丈夫だった?」と声を掛けたかったけれども、相手は王子。
気分を損ねるような言い方をするわけにはいかない。
「お…ヴァ、ヴァレンシュタインさん!」
サチは危うく『お兄ちゃん』と言いそうになったようだ。そこで僕はさり気なく挨拶した。
「こんにちは、2人とも。偶然だね」
すると王子が進み出てくるとジロリと僕を睨みつけてきた。
「本当に偶然だな。やっぱり2人と待ち合わせをしていたのか?」
「は?」
王子の口から意外な言葉が出てきたので思わず耳を疑った。
誰が2人と待ち合わせをしていたのか?だって?
それは王子の方では無いのだろうか?
するとサチが僕の方を向いて、弁明するように話しだした。
「私達、2人だけで買い物に来ていたんです。そしたら突然セドリック様が現れて……」
そこへ王子が会話に割って入って来た。
「今日、アリスはエディットと2人で出掛けると話していたんだ。けれど、ひょっとすると君とも待ち合わせをしているんじゃないかと思ってね…。後を追いかけて来たのさ」
「えっ?何だって?」
王子は悪びれる様子も無く、堂々とした態度で言ってのけた。
けれど……それって、2人の後をつけて来たってことじゃないだろうか?
「セドリック様。どうしてそのような真似をされたのですか?」
サチが少し責めるような口調で王子に尋ねたその時……。
「おいっ!アドルフ!お前、勝手に走り出すなよ……」
そこへ同じく駆け寄って来たブラッドリーが声を掛けて来た。
「あ……ごめん。ブラッドリー」
「全く…あんな馬車が行き来している往来を横切るなんて、無茶苦茶だ」
そして、ブラッドリーは次に王子に自己紹介してきた。
「やぁ、初めまして。俺はブラッドリー。アドルフとエディットの友人さ」
「…僕はセドリックだ‥…。そうか…待ち合わせじゃなかった」
王子の言葉にエディットが答えた。
「ですから、そうお話したではありませんか。今日は私とアリス様だけで買い物に来たと。そうですよね?アドルフ様」
「エディットの言う通りだよ。僕は今日は友人のブラッドリーとスーツ選びに買い物に来ていたんだよ」
未だにエディットの肩を抱きながら僕は王子を見ながら思った。
やっぱり、王子にエディットは渡したくない……と。
「分かった。でも丁度良かった。君と2人だけで話したいことがあったんだ。アリスとエディットは君の友人に任せて、僕に時間を分けてくれないかな?」
そして挑戦的な目で僕を見る。
「セドリック様!いきなり何を言い出すのですか?!」
サチが驚いた様子で王子に声を掛けた。
「アドルフ様……」
一方のエディットは心配そうな目で僕を見つめている。
けれど、王子と2人で話をするのは……ある意味、チャンスかもしれない。
「僕は少しも構わないけど…ブラッドリー。2人をお願いしてもいいかな?」
するとブラッドリーは肩をすくめた。
「ああ。別に俺は構わないぜ?」
「よし、なら話は決まったな。ここから先に公園があるから、そこで話そう」
何故公園?と思ったけれど、僕は頷いた。
「いいよ、何処へでも行くよ」
「なら俺たちはそこの喫茶店で待つことにするぞ。いいよな?2人とも」
ブラッドリーが指さした先には喫茶店があった。
「はい」
「分かりました」
エディットとサチが交互に返事をする。
「なら、決まりだ。すぐに行こう」
王子が前に立って歩き始めたので、僕はエディットの肩から手を外すと声を掛けた。
「またね、エディット」
「はい…アドルフ様」
するとブラッドリーが声を掛けて来た。
「おい、早く行かないと見失うぞ?」
「分かった。それじゃ頼むよ」
返事をすると次に一瞬サチに視線を向け……先を行く王子の後を急いで追った――。
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