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第105話 3人の過去 1
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それはまだ僕とブラッドリーが小さな子供だった頃――。
その時、僕達は我が家のサンルームで互いに色鉛筆で絵を描いていた時の出来事だった。
「アドルフ、見てくれよ!」
熱心に絵を描いていたブラッドリーが突然声を掛けてきた。
「何?」
顔を上げると、ブラッドリーは得意げに自分の描いた絵を突き出して僕に見せて来る。
「ほら!強そうなカマキリだろう?!」
昆虫が大好きなブラッドリーは得意げにカマキリの絵を見せて来る。
「わぁ~……本当だ。大きくて強そうだね」
「ふふん、まぁな~。ところでお前は何を描いているんだ?」
ブラッドリーが僕の描いていた画用紙を取り上げた。
「あ!まだ途中……」
「何だ?お前、またこんな絵ばかり描いているのか?一体これは何の絵だよ?」
「うん、これは『車』って言うんだけど……」
僕の画用紙には紺色の車が描かれている。
「はぁ?『車』だって?大体何だよ、その『車』って」
「『車』っていうのは人を乗せて走る乗り物だよ」
「バッカだな~……乗り物を動かすのは馬車だろ?肝心の馬がいないじゃないか。馬を何処かにつなげて走らせるのか?」
ブラッドリーは乱暴に僕の絵を指ではじく。
「違うよ。『車』は馬では走らないよ」
「それじゃどうやって走るんだ?」
「それが……良く分からなくて……」
大体、夢で見た話だからどうやって走っているかまでは分かるはずもなかった。
「何だよ、本当にお前って変わってるよな~この間は何だっけ?空を飛ぶ乗り物……なんだっけ?」
「飛行機だよ」
「そうそう、飛行機だ。大体鳥でもあるまいし、乗り物が空を飛べるはずないじゃないか。ドラゴンでもあるまいし」
その時――。
「2人とも、ここにいたのか?」
「お父さん!」
振り向くと、僕のお父さんが立っていた。
「こんにちは、おじさん」
ブラッドリーが立ち上がって頭を下げた。
「いらっしゃい。丁度良かった。ブラッドリーにも紹介しておこうか?」
「「紹介?」」
2人で首を傾げると、お父さんが後ろを振り向いた。
「おいで、エディット。今年から同じ学校に通うお友達だよ」
すると、お父さんの足元から1人の女の子が現れた。
その子は金色の髪に青い目のとても可愛らしい女の子だった。
なんて、可愛い子なんだろう……。
思わず声を掛けるのも忘れて、その子をじっと見つめてしまった。
するとブラッドリーも僕と同じ気持ちだったのか、顔を赤くしてエディットを見つめていた――。
****
「子供たちだけで遊んでおいで」と言われた僕たちは3人で、ヴァレンシュタイン家の温室にやってきていた。
温室に行く提案をしたのはブラッドリーだった。
女の子はお花を見るのが好きに違いない、と言うのが理由だった。
初めは緊張した面持ちで僕たちについてきていたエディットだったけれども、温室の綺麗な花を見ると笑顔になった。
「綺麗なお花……」
エディットが花に触ろうとしたとき、ブラッドリーがエディットに声を掛けた。
「エディット!花よりも、もっと凄い物見せてやるよ!」
ブラッドリーは右手を後ろに隠している。
「え?凄い物?」
「何だい?凄い物って」
するとブラッドリーは突然右手をエディットの前に突き出した。
「ほら、凄いだろう?」
その手にはカマキリの姿があった。
「キャアアアアアアッ!!」
温室にエディットの声が響き渡った――。
その時、僕達は我が家のサンルームで互いに色鉛筆で絵を描いていた時の出来事だった。
「アドルフ、見てくれよ!」
熱心に絵を描いていたブラッドリーが突然声を掛けてきた。
「何?」
顔を上げると、ブラッドリーは得意げに自分の描いた絵を突き出して僕に見せて来る。
「ほら!強そうなカマキリだろう?!」
昆虫が大好きなブラッドリーは得意げにカマキリの絵を見せて来る。
「わぁ~……本当だ。大きくて強そうだね」
「ふふん、まぁな~。ところでお前は何を描いているんだ?」
ブラッドリーが僕の描いていた画用紙を取り上げた。
「あ!まだ途中……」
「何だ?お前、またこんな絵ばかり描いているのか?一体これは何の絵だよ?」
「うん、これは『車』って言うんだけど……」
僕の画用紙には紺色の車が描かれている。
「はぁ?『車』だって?大体何だよ、その『車』って」
「『車』っていうのは人を乗せて走る乗り物だよ」
「バッカだな~……乗り物を動かすのは馬車だろ?肝心の馬がいないじゃないか。馬を何処かにつなげて走らせるのか?」
ブラッドリーは乱暴に僕の絵を指ではじく。
「違うよ。『車』は馬では走らないよ」
「それじゃどうやって走るんだ?」
「それが……良く分からなくて……」
大体、夢で見た話だからどうやって走っているかまでは分かるはずもなかった。
「何だよ、本当にお前って変わってるよな~この間は何だっけ?空を飛ぶ乗り物……なんだっけ?」
「飛行機だよ」
「そうそう、飛行機だ。大体鳥でもあるまいし、乗り物が空を飛べるはずないじゃないか。ドラゴンでもあるまいし」
その時――。
「2人とも、ここにいたのか?」
「お父さん!」
振り向くと、僕のお父さんが立っていた。
「こんにちは、おじさん」
ブラッドリーが立ち上がって頭を下げた。
「いらっしゃい。丁度良かった。ブラッドリーにも紹介しておこうか?」
「「紹介?」」
2人で首を傾げると、お父さんが後ろを振り向いた。
「おいで、エディット。今年から同じ学校に通うお友達だよ」
すると、お父さんの足元から1人の女の子が現れた。
その子は金色の髪に青い目のとても可愛らしい女の子だった。
なんて、可愛い子なんだろう……。
思わず声を掛けるのも忘れて、その子をじっと見つめてしまった。
するとブラッドリーも僕と同じ気持ちだったのか、顔を赤くしてエディットを見つめていた――。
****
「子供たちだけで遊んでおいで」と言われた僕たちは3人で、ヴァレンシュタイン家の温室にやってきていた。
温室に行く提案をしたのはブラッドリーだった。
女の子はお花を見るのが好きに違いない、と言うのが理由だった。
初めは緊張した面持ちで僕たちについてきていたエディットだったけれども、温室の綺麗な花を見ると笑顔になった。
「綺麗なお花……」
エディットが花に触ろうとしたとき、ブラッドリーがエディットに声を掛けた。
「エディット!花よりも、もっと凄い物見せてやるよ!」
ブラッドリーは右手を後ろに隠している。
「え?凄い物?」
「何だい?凄い物って」
するとブラッドリーは突然右手をエディットの前に突き出した。
「ほら、凄いだろう?」
その手にはカマキリの姿があった。
「キャアアアアアアッ!!」
温室にエディットの声が響き渡った――。
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