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第160話 ヒロインと買い物
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ケーキを食べ終えたエディットに僕は早速尋ねた。
「エディット、まだ14時を少し過ぎたところだし……どこか行きたいところはあるかな?」
「行きたいところですか?あ、それなら手芸店に行きたいのですが……」
「手芸店か……いいよ。何処にでも付き合うよ。でも手芸店はこの近くにあるのかな?」
「それなら私が知っているので大丈夫です」
「そうなんだね?それじゃ早速行こうか?」
「はい」
エディットは嬉しそうに笑みを浮かべて僕を見た――。
「ありがとうございました」
お金を支払って喫茶店を出ると、すぐにエディットが声を掛けてきた。
「申し訳ございません、アドルフ様」
「え?何を謝るの?」
「今回も……アドルフ様にお金を支払って頂いたことについてです」
「そのことなら前にも言った通り、全然気にしなくていいからね?こういうのは男が支払うのが普通なんだから」
「でも……」
「これはね、僕からのお礼の意味を兼ねているんだよ?」
僕はエディットの目をまっすぐ見つめた。
「お礼……?ですか?」
「うん、エディットの貴重な時間を僕の為に使ってくれていることへのお礼だよ」
すると、この言葉にエディットはたちまち顔が真っ赤になった。
「そんな風に仰って頂けるなんて……すごく嬉しいです。でもそれなら私も同じです。私の為に、貴重なお時間を使って頂いて……ありがとうございます」
真っ赤になって俯くエディットを見ていると、こちらも何だか気恥ずかしくなってきた。
そこでエディットの右手を握りしめた。
「僕の貴重な時間はね、エディットと過ごすことだよ。それじゃ手芸店に行こうか?」
「はい」
そして僕達は手を繋いで手芸店へ向かった――。
****
エディットの話していた手芸店は喫茶店から10分程歩いた場所にあり、茶色いレンガ造りに緑色の屋根の建物だった。
カランカラン
ドアベルを鳴らしながら中に入ると、店内は女性客ばかりだった。
う~ん……やはり、ここにも男性客はいないのか……。でも手芸店だから当然かな?
「エディットは何を買いに来たの?」
「はい、毛糸を買いに来ました」
「そっか。エディットはお菓子作りだけじゃなく、編み物もするんだね?」
「はい。毛糸売り場は店内の奥にあります」
「それじゃ行こうか?」
そこで僕達は毛糸売り場へ向かった。
「……」
棚の上には色々な色の毛糸が売られており、エディットは真剣な眼差しで毛糸をじっと見つめている。
エディットの邪魔にならないように黙って毛糸を選んでいる様子を見ていると、ふとある記憶が蘇ってきた。
そう言えば高校時代の頃、当時付き合っていた彼女と毛糸を買いに来たことがあったことを思い出した。
あのときは僕のために何か編んでくれるのだろうと期待していたけれども、その願いは適うことは無かった。
何故なら……ある日突然、その彼女とは音信不通になってしまったからだ――。
そんなことをぼんやり考えていると、不意に背後からエディットに声を掛けられた。
「お待たせ致しました」
「え?」
振り向くと、エディットは紙バックを手にしている。
「あれ?毛糸の買い物は終わったの?」
「はい、終わりました。とても良い色の毛糸を買うことが出来ました」
「それは良かったね。いい買い物が出来たみたいで。それじゃお店を出ようか?」
「え?は、はい。行きましょう」
返事をするエディットを見つめながら思った。
一体エディットは何を編むのだろう?
けれど前世のほろ苦い記憶が脳裏を過り……尋ねることが出来なかった――。
「エディット、まだ14時を少し過ぎたところだし……どこか行きたいところはあるかな?」
「行きたいところですか?あ、それなら手芸店に行きたいのですが……」
「手芸店か……いいよ。何処にでも付き合うよ。でも手芸店はこの近くにあるのかな?」
「それなら私が知っているので大丈夫です」
「そうなんだね?それじゃ早速行こうか?」
「はい」
エディットは嬉しそうに笑みを浮かべて僕を見た――。
「ありがとうございました」
お金を支払って喫茶店を出ると、すぐにエディットが声を掛けてきた。
「申し訳ございません、アドルフ様」
「え?何を謝るの?」
「今回も……アドルフ様にお金を支払って頂いたことについてです」
「そのことなら前にも言った通り、全然気にしなくていいからね?こういうのは男が支払うのが普通なんだから」
「でも……」
「これはね、僕からのお礼の意味を兼ねているんだよ?」
僕はエディットの目をまっすぐ見つめた。
「お礼……?ですか?」
「うん、エディットの貴重な時間を僕の為に使ってくれていることへのお礼だよ」
すると、この言葉にエディットはたちまち顔が真っ赤になった。
「そんな風に仰って頂けるなんて……すごく嬉しいです。でもそれなら私も同じです。私の為に、貴重なお時間を使って頂いて……ありがとうございます」
真っ赤になって俯くエディットを見ていると、こちらも何だか気恥ずかしくなってきた。
そこでエディットの右手を握りしめた。
「僕の貴重な時間はね、エディットと過ごすことだよ。それじゃ手芸店に行こうか?」
「はい」
そして僕達は手を繋いで手芸店へ向かった――。
****
エディットの話していた手芸店は喫茶店から10分程歩いた場所にあり、茶色いレンガ造りに緑色の屋根の建物だった。
カランカラン
ドアベルを鳴らしながら中に入ると、店内は女性客ばかりだった。
う~ん……やはり、ここにも男性客はいないのか……。でも手芸店だから当然かな?
「エディットは何を買いに来たの?」
「はい、毛糸を買いに来ました」
「そっか。エディットはお菓子作りだけじゃなく、編み物もするんだね?」
「はい。毛糸売り場は店内の奥にあります」
「それじゃ行こうか?」
そこで僕達は毛糸売り場へ向かった。
「……」
棚の上には色々な色の毛糸が売られており、エディットは真剣な眼差しで毛糸をじっと見つめている。
エディットの邪魔にならないように黙って毛糸を選んでいる様子を見ていると、ふとある記憶が蘇ってきた。
そう言えば高校時代の頃、当時付き合っていた彼女と毛糸を買いに来たことがあったことを思い出した。
あのときは僕のために何か編んでくれるのだろうと期待していたけれども、その願いは適うことは無かった。
何故なら……ある日突然、その彼女とは音信不通になってしまったからだ――。
そんなことをぼんやり考えていると、不意に背後からエディットに声を掛けられた。
「お待たせ致しました」
「え?」
振り向くと、エディットは紙バックを手にしている。
「あれ?毛糸の買い物は終わったの?」
「はい、終わりました。とても良い色の毛糸を買うことが出来ました」
「それは良かったね。いい買い物が出来たみたいで。それじゃお店を出ようか?」
「え?は、はい。行きましょう」
返事をするエディットを見つめながら思った。
一体エディットは何を編むのだろう?
けれど前世のほろ苦い記憶が脳裏を過り……尋ねることが出来なかった――。
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