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第187話 先輩の頼み事
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「すごく美味しかったです。ここのオムライス」
食事を終えると私はすぐに向かい側に座る先輩に感想を伝えた。
「うん。本当に美味しいよ。味のバリエーションも豊富だからね。毎日食べても飽きないくらいだよ」
セットメニューのアイスコーヒーを飲みながら先輩は私に笑顔を向けてくれる。
「でもそれにしても橘さんは凄いね。書道の段位を持っているなんて」
とても聞き上手な氷室先輩。
気付けば私は自分のことを色々話していた。そのついでに書道の段位を持っていることも伝えていた。
でも、それは先輩に私のことを色々知ってもらいたと言う気持ちもあったからだ。
「はい、子供の頃からお習字を習っていたので」
じっと見つめられているのが恥ずかしく、俯きながらストローでアイスティーを口にした。
「と言うことは字もさぞかし上手なんだろうね?」
頬杖をついて先輩が尋ねてきた。
「上手……という程ではありませんけど、字を書くのは好きです」
実際、私は字を書くのが好きで授業のノートをまとめるのは得意だった。
「そっか……。ねぇ、橘さんは何か部活はやってる?」
「え?部活は……何もしていませんけど」
だって、身体が弱くて両親に部活に入るのを反対されたから……。
「ならさ、少し頼みたいことがあるんだけど……いいかな?」
「た、頼み……ですか?」
憧れの氷室先輩からの頼み……。それだけで心臓がドキドキしてくる。すると、私の言葉を否定的に取ったのか、先輩が慌てた様子で付け加えてきた。
「うん。実は生徒会の書記の人が右腕を骨折しちゃって……全治2ヶ月って言われているんだよね。それで今書紀をする人がいなくて……あ、無理だったら遠慮なく言ってくれて構わないからね?」
先輩は慌てた様子で付け加えた。
「書紀……ですか?」
「うん。生徒会の活動は特に行事が無ければ週に2回しか無いし、早ければ1時間もかからない。部活動よりも早く終わるよ?だから遅くても17時には終わるよ。それにずっとってわけじゃないから。彼の怪我が治るまででいいからさ」
週に2回……遅くても17時には終わる……。それくらいなら……。
「駄目……かな?」
ためらいがちに尋ねてくる先輩。
「いえ……駄目じゃありません」
私は顔を上げた。
「え?それじゃ……」
「はい。私でよければ書紀の仕事、お手伝いさせて下さい」
「本当かい?ありがとう」
そして先輩の手が伸びてきて私の頭を撫でてきた。
「キャッ!」
驚いてつい、声が出てしまう。
「あ!ご、ご、ごめん!つ、つい癖で……本当にごめん!」
先輩がテーブルに両手をつけて頭を下げてきた。
「い、いえ。だ、大丈夫です。少し驚いただけですから……」
自分の顔が真っ赤になっているのが分かる。
「本当にごめん。悪気は無かったんだ……僕には妹がいて、よく頭を撫でてあげることがあって、つ、つい橘さんにも同じことを……」
先輩が何処か照れたように私を見る。
「いえ、気にしないで下さい」
だって、先輩に頭を撫でられるなんて……夢にも思っていなかったから。
「そう?ならいいけど……。これだから皆に注意されちゃんだろうな~」
ため息をつく先輩。
その様子に思わずクスリと笑ってしまった。
「それじゃ、早速だけど明日からお願いできるかな?明日は初日だから顔合わせだけですぐ終わらせるから。本当に急な頼み事なのに引き受けてくれてありがとう。でも都合が悪い時はいつでも言っていいよ?」
何処までも私に気を使ってくれる先輩。
「はい」
私は笑顔で返事をした。
そして……この生徒会活動をきっかけに、私はますます先輩のことが好きになっていった。
やがて、自分から告白するほどに――。
食事を終えると私はすぐに向かい側に座る先輩に感想を伝えた。
「うん。本当に美味しいよ。味のバリエーションも豊富だからね。毎日食べても飽きないくらいだよ」
セットメニューのアイスコーヒーを飲みながら先輩は私に笑顔を向けてくれる。
「でもそれにしても橘さんは凄いね。書道の段位を持っているなんて」
とても聞き上手な氷室先輩。
気付けば私は自分のことを色々話していた。そのついでに書道の段位を持っていることも伝えていた。
でも、それは先輩に私のことを色々知ってもらいたと言う気持ちもあったからだ。
「はい、子供の頃からお習字を習っていたので」
じっと見つめられているのが恥ずかしく、俯きながらストローでアイスティーを口にした。
「と言うことは字もさぞかし上手なんだろうね?」
頬杖をついて先輩が尋ねてきた。
「上手……という程ではありませんけど、字を書くのは好きです」
実際、私は字を書くのが好きで授業のノートをまとめるのは得意だった。
「そっか……。ねぇ、橘さんは何か部活はやってる?」
「え?部活は……何もしていませんけど」
だって、身体が弱くて両親に部活に入るのを反対されたから……。
「ならさ、少し頼みたいことがあるんだけど……いいかな?」
「た、頼み……ですか?」
憧れの氷室先輩からの頼み……。それだけで心臓がドキドキしてくる。すると、私の言葉を否定的に取ったのか、先輩が慌てた様子で付け加えてきた。
「うん。実は生徒会の書記の人が右腕を骨折しちゃって……全治2ヶ月って言われているんだよね。それで今書紀をする人がいなくて……あ、無理だったら遠慮なく言ってくれて構わないからね?」
先輩は慌てた様子で付け加えた。
「書紀……ですか?」
「うん。生徒会の活動は特に行事が無ければ週に2回しか無いし、早ければ1時間もかからない。部活動よりも早く終わるよ?だから遅くても17時には終わるよ。それにずっとってわけじゃないから。彼の怪我が治るまででいいからさ」
週に2回……遅くても17時には終わる……。それくらいなら……。
「駄目……かな?」
ためらいがちに尋ねてくる先輩。
「いえ……駄目じゃありません」
私は顔を上げた。
「え?それじゃ……」
「はい。私でよければ書紀の仕事、お手伝いさせて下さい」
「本当かい?ありがとう」
そして先輩の手が伸びてきて私の頭を撫でてきた。
「キャッ!」
驚いてつい、声が出てしまう。
「あ!ご、ご、ごめん!つ、つい癖で……本当にごめん!」
先輩がテーブルに両手をつけて頭を下げてきた。
「い、いえ。だ、大丈夫です。少し驚いただけですから……」
自分の顔が真っ赤になっているのが分かる。
「本当にごめん。悪気は無かったんだ……僕には妹がいて、よく頭を撫でてあげることがあって、つ、つい橘さんにも同じことを……」
先輩が何処か照れたように私を見る。
「いえ、気にしないで下さい」
だって、先輩に頭を撫でられるなんて……夢にも思っていなかったから。
「そう?ならいいけど……。これだから皆に注意されちゃんだろうな~」
ため息をつく先輩。
その様子に思わずクスリと笑ってしまった。
「それじゃ、早速だけど明日からお願いできるかな?明日は初日だから顔合わせだけですぐ終わらせるから。本当に急な頼み事なのに引き受けてくれてありがとう。でも都合が悪い時はいつでも言っていいよ?」
何処までも私に気を使ってくれる先輩。
「はい」
私は笑顔で返事をした。
そして……この生徒会活動をきっかけに、私はますます先輩のことが好きになっていった。
やがて、自分から告白するほどに――。
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