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第6話 消えた財産とジルベール
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翌朝―
コンコンコン!
扉を激しくノックする音で目が覚めた。
「う…ん…」
目をこすりながら、ベッドから身を起こして壁に掛けてある時計を見て驚いた。時刻はまだ6時10分前だったのだ。
「リディア様!お願いですっ!起きて下さいっ!」
扉の外ではセイラの声が聞こえている。
「え?セイラ?」
慌ててベッドから降りると部屋の扉目指して走り、ドアノブに手を掛けて回した。
ガチャリと扉を開けると、そこには息を切らしたセイラが立っていた。
「あ…お、おはよう。セイラ」
「おはようございます。リディア様…」
ハアハア息を切らせてセイラが挨拶して来る。
「どうしたの?朝からそんなに息を切らせて?」
「そ、それが…大変なんですっ!ジルベール様が…いなくなってしまったんですっ!」
「いなくなった?何所か散歩にでも行ったんじゃなくて?」
「あのジルベール様が6時前に出かけると思いますか?」
「う~ん…確かにそれはないわね…」
ジルベールは普段から10時過ぎくらいにならないと起きて来ないのだ。
「でも別にいなくなったくらいで騒ぐ事はないんじゃないの?」
どうせ私とジルベールはこの屋敷で何ら関わりなく生活しているのだから、彼がいようがいまいがどうでも良かった。
「ええ、私もただいなくなった位では騒ぎません。ですが、そうではないのです。実はジルベール様と共に金庫の中のお金も全額消えているのですっ!」
「何ですってっ?!すぐに着替えて金庫室へ行くわ!手伝ってくれる?」
それはまさに驚きだ。
「はい、リディア様!」
こうして私はセイラに着がえを手伝って貰うと、急いで屋敷の金庫室へと向かった。
****
屋敷の金庫室は地下にあった。セイラと2人で金庫室へ向かうと、鉄の扉が大きく開け放たれ、その前に呆然と佇むフレデリックの姿があった。
「フレデリック!金庫が空になっているんですってっ?!」
「あ…リディア様。お早うございます。はい、全て…消えております」
フレデリックは青ざめた顔で私を見ると説明を始めた。
「今朝、ジルベール様の執務室を片付けておりましたところ、書斎机の引き出しがあいておりました。あの引き出しは仕掛けがあって二重底になっています。そこで妙だと思い、二重底を調べてみると本来中にしまってある金庫室の鍵が消えていたのです。胸騒ぎを感じた私はすぐにジルベール様のお部屋へ向かいました。お部屋に到着し、扉をノックしたのですが少しの反応も無かったので、失礼とは思いましたが中へ入らせて頂いたのです。すると部屋の中はもぬけの殻になっておりました。その途端、嫌な胸騒ぎを覚えて急ぎ金庫室へ行ってみると…このような有様でした…」
フレデリックはがっくりと頭を垂れた。
「…中を見てみるわ…」
金庫へと近付き、中を改めた。
人が1人入れるほどの大きな金庫の扉は大きく開け放たれ、中に入っていた現金が全て消え失せていた。消えうせたのは現金だけでは無い。資産価値の高い金貨まで無くなっている。
「この金庫は二重扉になっている…鍵の在処を知っているのは私とジルベール、そしてフレデリック。貴方だけ…。それにダイヤルロックの暗証番号を知っているのは私と彼だけ…」
「リディア様…」
セイラが青ざめた顔で私を見る。
「…やられたわ」
「…」
フレデリックは無言で俯いている。
「ジルベールに…金庫の中の財産を…全て奪われてしまったわ…」
私は空っぽになった金庫を見つめながら言った―。
コンコンコン!
扉を激しくノックする音で目が覚めた。
「う…ん…」
目をこすりながら、ベッドから身を起こして壁に掛けてある時計を見て驚いた。時刻はまだ6時10分前だったのだ。
「リディア様!お願いですっ!起きて下さいっ!」
扉の外ではセイラの声が聞こえている。
「え?セイラ?」
慌ててベッドから降りると部屋の扉目指して走り、ドアノブに手を掛けて回した。
ガチャリと扉を開けると、そこには息を切らしたセイラが立っていた。
「あ…お、おはよう。セイラ」
「おはようございます。リディア様…」
ハアハア息を切らせてセイラが挨拶して来る。
「どうしたの?朝からそんなに息を切らせて?」
「そ、それが…大変なんですっ!ジルベール様が…いなくなってしまったんですっ!」
「いなくなった?何所か散歩にでも行ったんじゃなくて?」
「あのジルベール様が6時前に出かけると思いますか?」
「う~ん…確かにそれはないわね…」
ジルベールは普段から10時過ぎくらいにならないと起きて来ないのだ。
「でも別にいなくなったくらいで騒ぐ事はないんじゃないの?」
どうせ私とジルベールはこの屋敷で何ら関わりなく生活しているのだから、彼がいようがいまいがどうでも良かった。
「ええ、私もただいなくなった位では騒ぎません。ですが、そうではないのです。実はジルベール様と共に金庫の中のお金も全額消えているのですっ!」
「何ですってっ?!すぐに着替えて金庫室へ行くわ!手伝ってくれる?」
それはまさに驚きだ。
「はい、リディア様!」
こうして私はセイラに着がえを手伝って貰うと、急いで屋敷の金庫室へと向かった。
****
屋敷の金庫室は地下にあった。セイラと2人で金庫室へ向かうと、鉄の扉が大きく開け放たれ、その前に呆然と佇むフレデリックの姿があった。
「フレデリック!金庫が空になっているんですってっ?!」
「あ…リディア様。お早うございます。はい、全て…消えております」
フレデリックは青ざめた顔で私を見ると説明を始めた。
「今朝、ジルベール様の執務室を片付けておりましたところ、書斎机の引き出しがあいておりました。あの引き出しは仕掛けがあって二重底になっています。そこで妙だと思い、二重底を調べてみると本来中にしまってある金庫室の鍵が消えていたのです。胸騒ぎを感じた私はすぐにジルベール様のお部屋へ向かいました。お部屋に到着し、扉をノックしたのですが少しの反応も無かったので、失礼とは思いましたが中へ入らせて頂いたのです。すると部屋の中はもぬけの殻になっておりました。その途端、嫌な胸騒ぎを覚えて急ぎ金庫室へ行ってみると…このような有様でした…」
フレデリックはがっくりと頭を垂れた。
「…中を見てみるわ…」
金庫へと近付き、中を改めた。
人が1人入れるほどの大きな金庫の扉は大きく開け放たれ、中に入っていた現金が全て消え失せていた。消えうせたのは現金だけでは無い。資産価値の高い金貨まで無くなっている。
「この金庫は二重扉になっている…鍵の在処を知っているのは私とジルベール、そしてフレデリック。貴方だけ…。それにダイヤルロックの暗証番号を知っているのは私と彼だけ…」
「リディア様…」
セイラが青ざめた顔で私を見る。
「…やられたわ」
「…」
フレデリックは無言で俯いている。
「ジルベールに…金庫の中の財産を…全て奪われてしまったわ…」
私は空っぽになった金庫を見つめながら言った―。
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