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第11話 私VSメイド
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「私がジルベールと愛人を追い払った?何故そんな真似をしなくてはいけないの?」
「イザベラ様の事を愛人と呼ばないで下さいっ!あの方はジルベール様の恋人なのですよ?!」
カレンはメイドという立場にありながら私にたてついてきた。
「カレンッ!奥様になんて口を聞くのだっ?!」
フレデリックが再び口を挟んできた。
「いいのよ、フレデリック。ついでに少しだけ静かにしておいてくれる?」
私はやんわりとフレデリックを制した。
「はい、承知致しました。…出過ぎた真似をして申し訳ございません」
頭を下げたフレデリックを見ると、次に私はカレンに視線を移した。カレンはまるで親の敵とでも言わんばかりの視線で私を睨みつけている。…仮にも子爵夫人の私をそんな目で睨みつけるとは…。他の3人も私のことを同様に睨みつけている。
全く…。
彼女たちは何か大いに勘違いしているのかもしれない。
「いい?この際だから言っておくけど、誰が何と言おうと、私とジルベールは書類上、れっきとした夫婦なのよ?イザベラが恋人?ジルベールが結婚していなければその言葉も通用するかもしれないけれど、彼の妻はこの私よ。妻がいるのに恋人と呼ぶのは明らかにおかしいでしょう?彼女を愛人と呼んで何が悪いのかしら?」
「また…愛人と言いましたねっ?!その態度がジルベール様とイザベラ様を追い払った証拠ですっ!」
「そうですっ!」
「追い出すなんて酷いわっ!」
「貴女が出ていくべきだったのよ!」
他の3人のメイド達も喚く。
「…クッ…!」
フレデリックは何か言いたそうにしているが、私に止められている為に口を挟むことが出来ずにいる。
「そう、それよ」
私は『貴女が出ていくべき』と言ったメイドを指さしながら言った。
「普通だったらジルベールと愛人が結託して私を追い出すべきじゃない?何故ならどう考えてみても私のほうが弱い立場にいるのだから。それともジルベールも愛人も私のような人間に追い出されてしまう程情けない人間だったのかしら?」
「そ、それは…」
途端に弱腰になるカレン。
その時―。
コンコン
扉のノックの音と共に、セイラの声が聞こえてきた。
「リディア様。ただいま戻りました。入っても宜しいでしょうか?
何と良いタイミングなのだろう。
「ええ、どうぞー」
扉に向かって呼びかけると、すぐに開いてセイラが姿を見せた。彼女はチラリと4人のメイド達を一瞥すると、私に言った。
「やはり、イザベラはジルベール様と駆け落ちしたようです。その事を彼女の両親が白状しました。イザベラは昨日、『ジルベール様が屋敷の金庫から全財産を持って来てくれて、2人で気ままな旅に出る予定だ』と両親に告げたそうです」
「そう…それじゃ間違いないわね…聞いた?今の話…」
私は4人のメイドをゆっくり見渡した。
「そ、そんな…」
カレンの顔が真っ青になっている。
「金庫から全財産を持っていってしまうなんて…」
「私達…見捨てられてしまったの…?」
「イザベラ様…」
3人のメイド達は震えていた。
「どう?これで分かったでしょう?私が追い払ったわけではないということが。むしろ私達を見捨てたのは…ジルベールの方よ。彼は平気でこの屋敷の金庫の財産を全て奪って愛人と出奔したのよ?残された私達がどうなるかも考えもせずにね」
「「「「…」」」」
もはや、3人のメイド達は口を聞くことも出来なくなっていた。ただ、顔を青ざめさせ、身体をガタガタと振るわせている。そんな彼女たちを見ながら私は言った。
「だけど、私は違うわ。ホールで言った事、覚えてる?」
「は、はい…私達の給料は全額保証すると…」
カレンがビクビクしながら言う。
「ええ、だけど…一つ言い忘れていたことがあるの」
「え…?」
「私に従順な使用人たちしか必要としていないから」
「「「「!!」」」」
4人にメイド達に驚愕の色が宿る―。
「イザベラ様の事を愛人と呼ばないで下さいっ!あの方はジルベール様の恋人なのですよ?!」
カレンはメイドという立場にありながら私にたてついてきた。
「カレンッ!奥様になんて口を聞くのだっ?!」
フレデリックが再び口を挟んできた。
「いいのよ、フレデリック。ついでに少しだけ静かにしておいてくれる?」
私はやんわりとフレデリックを制した。
「はい、承知致しました。…出過ぎた真似をして申し訳ございません」
頭を下げたフレデリックを見ると、次に私はカレンに視線を移した。カレンはまるで親の敵とでも言わんばかりの視線で私を睨みつけている。…仮にも子爵夫人の私をそんな目で睨みつけるとは…。他の3人も私のことを同様に睨みつけている。
全く…。
彼女たちは何か大いに勘違いしているのかもしれない。
「いい?この際だから言っておくけど、誰が何と言おうと、私とジルベールは書類上、れっきとした夫婦なのよ?イザベラが恋人?ジルベールが結婚していなければその言葉も通用するかもしれないけれど、彼の妻はこの私よ。妻がいるのに恋人と呼ぶのは明らかにおかしいでしょう?彼女を愛人と呼んで何が悪いのかしら?」
「また…愛人と言いましたねっ?!その態度がジルベール様とイザベラ様を追い払った証拠ですっ!」
「そうですっ!」
「追い出すなんて酷いわっ!」
「貴女が出ていくべきだったのよ!」
他の3人のメイド達も喚く。
「…クッ…!」
フレデリックは何か言いたそうにしているが、私に止められている為に口を挟むことが出来ずにいる。
「そう、それよ」
私は『貴女が出ていくべき』と言ったメイドを指さしながら言った。
「普通だったらジルベールと愛人が結託して私を追い出すべきじゃない?何故ならどう考えてみても私のほうが弱い立場にいるのだから。それともジルベールも愛人も私のような人間に追い出されてしまう程情けない人間だったのかしら?」
「そ、それは…」
途端に弱腰になるカレン。
その時―。
コンコン
扉のノックの音と共に、セイラの声が聞こえてきた。
「リディア様。ただいま戻りました。入っても宜しいでしょうか?
何と良いタイミングなのだろう。
「ええ、どうぞー」
扉に向かって呼びかけると、すぐに開いてセイラが姿を見せた。彼女はチラリと4人のメイド達を一瞥すると、私に言った。
「やはり、イザベラはジルベール様と駆け落ちしたようです。その事を彼女の両親が白状しました。イザベラは昨日、『ジルベール様が屋敷の金庫から全財産を持って来てくれて、2人で気ままな旅に出る予定だ』と両親に告げたそうです」
「そう…それじゃ間違いないわね…聞いた?今の話…」
私は4人のメイドをゆっくり見渡した。
「そ、そんな…」
カレンの顔が真っ青になっている。
「金庫から全財産を持っていってしまうなんて…」
「私達…見捨てられてしまったの…?」
「イザベラ様…」
3人のメイド達は震えていた。
「どう?これで分かったでしょう?私が追い払ったわけではないということが。むしろ私達を見捨てたのは…ジルベールの方よ。彼は平気でこの屋敷の金庫の財産を全て奪って愛人と出奔したのよ?残された私達がどうなるかも考えもせずにね」
「「「「…」」」」
もはや、3人のメイド達は口を聞くことも出来なくなっていた。ただ、顔を青ざめさせ、身体をガタガタと振るわせている。そんな彼女たちを見ながら私は言った。
「だけど、私は違うわ。ホールで言った事、覚えてる?」
「は、はい…私達の給料は全額保証すると…」
カレンがビクビクしながら言う。
「ええ、だけど…一つ言い忘れていたことがあるの」
「え…?」
「私に従順な使用人たちしか必要としていないから」
「「「「!!」」」」
4人にメイド達に驚愕の色が宿る―。
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