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第5章 6 森の古城を目指して
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デヴィットが全員を見渡しながら言った。
「それで・・・これからどうする?」
朝食も食べ終え、全員で部屋に戻った私達は今リビングに集まっている。
「あの・・・俺は今日屋台の仕事に出ていいかな?ほら、今日は週末だろう?セント・レイズ学院の学生さん達が屋台にもやって来るし・・・稼ぎ時だからさ。」
マイケルさんが手を挙げて言う。
「で、でも・・・週末ならソフィーの兵士達も町へやってくるかもしれませんよ?そんなのは危険なんじゃ・・・。」
私が言うと、マイケルさんは途端に目をキラキラさせて私の側へやって来た。
「お嬢さん・・・そんなに俺の事を気に掛けてくれるんだね?うん。やっぱりお嬢さんは可愛らしいね。ソフィーの件が片付いたら俺の所へお嫁においで?一生大事にするからさ。」
そう言うと手をギュッと握りしめて来た。
「「「ジェシカに触るなっ!!」」」
デヴィット、アラン王子、ダニエル先輩が同時に叫ぶ。
「何を言ってるんだ?ジェシカは俺の国へと嫁いで王妃になるんだ。それはもう決定事項なんだ。ジェシカ、安心しろ。俺はお前以外は妻にはしないからな?」
アラン王子は満面の笑みを浮かべて私を見るが、それを物凄い剣幕で睨み付けるデヴィット。何か言いたげに悔し気にしているが・・・彼としては珍しく無言を通している。・・・・?どうかしたのだろうか・・・?
「何言ってるんだ!ジェシカはね・・・僕の領地へ来るんだよ。僕はね、ジェシカ以外の女性は全員受け付けないんだからな!」
ダニエル先輩も負けじと言い、今度はデヴィットはダニエル先輩に視線を移して睨み付けていた。何か変だ。本来・・こういう場面では一番真っ先に声を上げるデヴィットなのに・・・。
グレイとルークにも言いたい事が山ほどありそうなのだが、全員に気を遣って何も言えない様子がその態度で分かった。
「あ、あの!話の論点がずれているんですけど・・。兎に角私はマイケルさんを1人で屋台に立たせるのはすごく心配です。だってこの間だってソフィーの兵士に襲われたじゃないですか・・・。」
私が全員を制するように言うと、得意げにダニエル先輩が続いた。
「そうそう、そこを僕が助けたんだよね。」
「そうか、ならダニエル。今回もまたお前がマイケルに付き添え。」
デヴィットがぶっきらぼうに言うと、ダニエル先輩は怒り出した。
「また!デヴィット!どうしていつもいつも自分勝手に物事を進めようとするんだ?冗談じゃない。僕は今日は1日絶対ジェシカから離れないって決めてあるんだからな。そうだ!グレイとルークがマイケルに付き添えばいいんだ!」
ダニエル先輩がグレイ、ルークの方を向いてとんでもないことを言って来た。
「えええっ!お、俺達がですか?!」
「そ、そんなっ!」
何とも情けない声を上げるグレイとルーク。
「ふーん、それは名案だな。」
デヴィットがしれっと言う。
「うん。確かにそれが一番いいかもしれない。と言う訳だからグレイにルーク。お前達は今日は1日マイケルの護衛をしろ。」
出たっ!久々の俺様王子ぶりが!
「ああ、そうだ。お前達が一番適任だろう。」
おおっ!デヴィットまで・・・似てる・・やはりこの2人・・・強引に自分の考えを押し付ける所が・・・そっくりだ!
「「そ、そんな・・・。」」
そこへ、さらに追い打ちが。
「そうだな・・・ただ護衛について貰うのもなんだし・・。よし、君達。ついでに俺の屋台の手伝いしてよ。」
何と!終いにマイケルさんがグレイとルークに屋台の手伝いをするように言って来たのだ。
「「か、勘弁して下さいよっ!」」
・・・さっきからこの2人はハモりっ放しだ・・・。
グレイとルークの悲惨な顔つきには目もくれず、マイケルさんは言った。
「休暇の日はね・・・学生さん達が大勢来るから忙しいんだよ。それにね・・・実はお嬢さんがお客さんとしてやってきてくれるようになったから客足も伸びて来たんだよ。以前もね・・若い男性がやってきて『あの紫の瞳のお嬢さんは今日は来たんですか?』って聞かれた事があるし・・・ああ、そうだ。お嬢さん宛てのラブレターを預かった事も沢山あったなあ。」
マイケルさんの話を聞き、デヴィット・アラン王子・ダニエル先輩がすぐに反応して彼を見る。
だけど・・。
ええ?!そ、そんな事は初耳だ。大体マイケルさんからラブレターを渡された事すらない。
「ちょ、ちょっと待って下さい。その話・・・本当なのですか?今まで一度も聞いたことがありませんよ?」
「それはそうでしょう。だってラブレターはいつも預かるけど、お嬢さんに悪い虫が付かないように処分していたからね。だってあの当時は君とジョセフの仲を応援していたからさ。」
マイケルさんはニコニコしながら言う。
「ジョセフだと・・・?」
デヴィットがピクリと反応する。
「ジョセフ・・・?何処かで聞いたことがあるような名前だな・・・?」
ダニエル先輩は首を捻っているし、グレイとルークは思い出したのか、顔面蒼白になっている。
「ジョセフ・・・・?ジョセフって・・・・ああっ!もしかしてあの天文学の教師か?!おい、マイケルッ!お前・・・ジョセフの知合いだったのか?!」
アラン王子はガタンと立ち上がるとマイケルさんを指さした。
「うん。そうだよ。彼は俺の友人さ。」
マイケルさんはニコニコしながら言う。
「くそっ・・・こんな所で意外なつながりがあったとは・・・・。」
アラン王子はドサリとソファに座ると腕組みをしてブツブツ呟いている。
それにしても・・・私はチラリとグレイとルークを見た。
あ~あ・・・。可哀そうに・・・2人とも魂の抜けた人形みたいに背もたれに寄りかかり、天井を向いて呆けている。
やれやれ、仕方ない・・・・。
私はグレイとルークに声を掛けた。
「ねえ、グレイ、ルーク。後で屋台に遊びに行くから。その時美味しい『ラフト』を食べさせてね。」
そしてにっこり微笑んだ。すると途端に俄然元気になる2人。
「ああ、任せておけっ!しっかりマイケルさんを護衛するからな。」
「大丈夫。危険な目には絶対あわせないと誓うから。」
グレイ・ルークが交互に言う。
「おい、ジェシカ。何を勝手な事を言ってるんだ?お前が町に出たら危険じゃ無いか・・・。」
アラン王子が言いかけた所へデビットが言った。
「いや・・・どうせジェシカはドミニクにマーキングされているんだ。だから・・何処にいても変わらないだろう。ただ・・流石に今日はその姿で過ごさせるわけにはいかない。ジェシカ、お前・・今日も男装しろ。」
「うん。それがいいね。」
マイケルさんも言う。・・・だけど彼の場合は単に私の男装姿が好きで言ってるだけのようにも聞こえる・・。だか・・・。
「男装ですか・・・。あまり気乗りはしませんけど・・・。」
渋りながら言う。
「え?どうしてなの?」
ダニエル先輩の質問に私は深く考えずに答えてしまった。
「はい。胸が締め付けられて苦しくて・・・。」
そこまで言いかけて、ハッとなった。し、しまった・・・・!わ、私は男性陣の前で何て事を・・・。
ダニエル先輩やマイケルさん、グレイ・ルークはポカンとした顔で私を見るし、一方のデヴィットとアラン王子は顔を真っ赤にさせ、2人ともブツブツと呟いている。
「た・・・確かにジェシカの胸は・・う、うん・・・。」
デヴィットは頷きながら顔を赤らめているし、アラン王子も耳まで顔をまっかにして口元を押さえて賛同している。
「そうだな・・あれ程の物を持っているから・・。」
2人とも私の両隣に座っているから呟き声が丸聞こえだ。
そ、そうだった・・・!こ、この2人とは関係を持った事があるから、当然私の身体を見られている訳で・・・!
キャ~ッ!!
お願いだから、こんな所で思い出さないでっ!!
こうして、私は今日、明日と男装して過ごす事が決定した—。
2
あの後、話し合いの末・・・マイケルさんとグレイ・ルークは屋台の仕事、そして残った私達全員でアラン王子の情報を元に新たなソフィーの拠点・・・森の中にある古城を目指す事にした。
ホテルのリビングにて—。
「うん、ジェシカ。その・・・やはりお前は何を着ても・・・か、可愛いな。」
アラン王子が私の男装姿を頬を染めて見つめている。
「はあ・・ありがとうございます。」
う~ん。やはり男装姿を見て頬を染められるのは・・・非常に違和感を感じる。
「それで、アラン王子。ソフィーの城の大体の場所は分かるのか?」
デヴィットが尋ねて来た。
「う~ん・・・。俺は話しか聞いていないからなあ・・。取りあえず学院まで飛んで。・・・そこから東へ20K程と言ってたから・・・。でも俺はその城に行った事が無いから転移魔法は使えない。」
アラン王子は腕組みをしながら答えた。
「よし、ならここで車でも借りるか?それとも・・・森の中だと言ってたからな・・・よし、馬を3頭借りるか。」
デヴィットは思案しながら言った。
「じゃあ、ジェシカは僕の馬に乗ろうね。」
ダニエル先輩は笑顔で私の肩を抱き寄せると言った。
「あ、あの・・・私、馬に乗った事無いのですが・・・大丈夫でしょうか?」
「うん。大丈夫だよ。僕はね・・・あの2人のように荒っぽい性格じゃ無いから、馬だって安全に乗せてあげられるよ?」
ダニエル先輩は何故か異様に色気を出しながら私に囁いてくる。
「おいっ!誰が性格が荒っぽいって?!勝手にジェシカを自分の馬に乗せる事を決めるなっ!」
デヴィットが喚く。
「ああ、そうだ。仮にも俺は王子だ。いいか?王子と言えば馬なんだ。だからジェシカは俺の馬に乗るんだ。どうだ?お前の為に俺は白馬に乗るぞ?」
アラン王子が訳の分からない事を言う。
「ふ~ん・・・それじゃ仕方が無い・・・。公平性を保つためにじゃんけんで決めようか?」
ダニエル先輩が腰に手を当てながら言う。
「よーし!いいだろう!」
デヴィットが何故か腕まくりをする。
「望むところだ!」
妙に力んでいるアラン王子。
「それじゃあ、いくよ・・・。」
ダニエル先輩の掛け声の元・・・。
「「「じゃ~んけ~ん・・・・っ!!!」」」
セント・レイズシティで馬を借りた私達は学院まで飛んだ後、東の森を目指して馬に乗っていた。
「どうだい、ジェシカ。馬に乗るって気持ちがいいでしょう?」
ダニエル先輩が笑顔で私に言う。
「は、はい・・そうですね。」
ダニエル先輩の胸に顔を押し付ける位、しっかり抱き付いたまま私は答えた。
幾らダニエル先輩が身体を支えてくれているとはいえ、やはり初めての馬は少々怖かったからだ。
「大丈夫、ジェシカ?怖いならもっと僕にしがみ付いてもいいんだよ?」
「いえ・・・これ以上はしがみ付けないという位しがみついていますので・・・。」
「それにしても・・・相変わらず嫌な天気だね。本当なら青い空の下で、こうして君と2人で馬に乗って草原を駆けたかったのになあ・・・。」
ダニエル先輩がどす黒い雲を見上げながら溜息をつく。
「だけど・・・天気が悪くても馬に乗るのは気持ちがいいですよ。」
ダニエル先輩を元気づける為に私は笑顔で言った。
「くっそ・・・ダニエルの奴め・・・。」
アラン王子は白馬に乗り、悔しそうに歯ぎしりしてこちらを睨み付けて独り言を言っているのが風に乗って聞こえてくる。
「駄目だ、身体ばかり鍛えていては・・・これからはじゃんけんの腕も鍛えなければ・・・。」
最早本気で言ってるのか、冗談で言ってるのかデヴィットはじゃんけんについてブツブツと呟いている。
・・・じゃんけんの修行・・・一体どうやって修行するのだろう?でも・・・どうか頑張って下さい。
「それにしても・・・ダニエル先輩は本当にじゃんけんが強いんですねえ。何かコツでもあるんですか?」
私はダニエル先輩を見上げると言った。
「コツ・・・別にコツと言ったものは無いけど・・でも相手の顔を見れば、大体何を出そうとしているのかおおよその見当はつくかな?」
「す、すごい!そんな事が出来るんですか?!」
そんな私達の様子を見てアラン王子がまたまた睨み付けている。
「くそ・・・!理不尽だ。本来なら聖剣士であり、白馬にまたがった王子の馬に乗るのが当然じゃないのか?」
「お前・・・何言ってるんだ?さては王宮ロマンス小説愛読者か?男のくせに女々しい本を読むんだな。」
デヴィットが不敵な笑みを浮かべながら言う。
「何だと!貴様っ!」
「ほーう。俺とやる気か?」
とうとう馬に乗りながら2人は口喧嘩を始めてしまった・・・。
思わずため息がついて出てしまう。
・・・前途多難だ・・・。本当にこんなチームワーク?でノア先輩を見つけ出して助ける事が出来るのだろうか・・・。
それに・・・。恐らく、その城にはソフィーだけではなく・・・公爵もいるはずだ。そして私の夢に出てきた鎧兜を身に着けたソフィー付きの3人の兵士達・・・。
その兵士達の正体は・・・私には確信があった。
恐らくは、ライアン・ケビン・そして・・レオでは無いだろうか・・・?でもそうすると1人足りない。私にマシューを紹介して来た人物であり、生徒会の裏メンバーであるテオ・・・。彼は一体何処へいるのか・・・・・。
そこまで考えていた時、アラン王子が叫んだ。
「見ろっ!森だ!森が見えてきたぞっ!」
陰鬱な雲の下・・・禍々しい雰囲気を纏った・・・森がやがて見えて来た。
ダニエル先輩がその森を見て言う。
「うわあ・・。何だか恐ろしい雰囲気の森だね・・・。何か得体の知れない魔物でも現れそうな雰囲気だよ。」
魔物・・・。確かにダニエル先輩の言う通り、眼前に見えている森はとても不気味な森に見えた。そう・・まるで私が魔界の第一階層で出会った魔物達が潜んでいるような・・・。
するとデヴィットが言った。
「いや・・魔物がいるかどうかは定かじゃ無いが・・・一番怖いのは森に棲む獣達だ。特に学院周辺の森には血に飢えたオオカミが数多く生息していると言われているからな。」
思わずゾッとする内容の話を聞き、私は背筋が寒くなるのを感じ、ますます強くダニエル先輩にしがみ付いた。
「大丈夫だって。ジェシカ。例えオオカミが襲って来たって・・・僕の攻撃魔法で一撃で撃退してあげるから。」
得意げに満面の笑みで言う。
「それは・・・心強いですね。」
そう言えば・・・ヴォルフ・・・。今どうしているのだろう?まだ・・・呪いに苦しめられているのだろうか?それとも・・・少しは回復した?
「どうしたの?ジェシカ。何か・・・考え事?」
ダニエル先輩が尋ねて来た。
「いえ。大丈夫です。何でもありませんから。」
その直後、デヴィットが言った。
「よし!森の中へ入るぞっ!2人とも・・・警戒を怠るなよ。」
「うるさい、お前が仕切るなっ!」
アラン王子が喚く。
「全く・・・俺は王子だぞ?それなのに皆平気で俺に命令してきて・・・。」
ブツブツ文句を言っている。
・・・・どうやら相当機嫌が悪そうだ。だけど、ここは危険な獣達が生息している森の中。こうなったら・・・。
「アラン王子、帰りはアラン王子の馬に乗せて頂いてもよろしいでしょうか?」
「な、何?本当か?ジェシカッ!」
声を掛けると途端に笑顔を浮かべるアラン王子。
「ええ?!どうして?僕の馬の扱い・・そんなに嫌だったの?」
ダニエル先輩が悲し気に言うので、すかさず頭の中で考えていた言い訳を言う。
「いえ。そうではありません。馬に慣れない私を乗せるのはさぞ気疲れしたのでは無いかと思ったからです。だから帰りは思い切り自由にダニエル先輩には馬に乗って駆けて頂きたいだけですから。」
「なら、ジェシカッ!俺は?俺は何で駄目なんだ?!」
デヴィットがイラついた様子でこちらを見る。
「デヴィットさんには・・・皆さんと合流するまでずっとお世話になって
色々ご迷惑をお掛けしてしまったからです。」
「そうだ、2人とも。往生際が悪いぞ、ジェシカは帰りは俺の馬に乗ると言ってるんだ。だから諦めろ。」
と、その時・・・・・。
森の奥から低い声が聞こえて来た。
「お前達・・・・帰りがあるとでも・・・思っていたのか?」
「!気を付けろ!皆っ!」
デヴィットが腰に下げていた剣を引き抜くと叫んだ。
「誰だっ!姿を見せろっ!」
アラン王子も剣を構えている。
「ジェシカ・・・僕にしっかり掴まっているんだよ。」
ダニエル先輩が自分の羽織っているマントで私を抱きかかえると正面を見据えた。
やがて・・・闇に包まれた森の中から無数のオオカミの群れを引き連れて・・1人の兵士が私達の前に姿を現した—。
デヴィットが全員を見渡しながら言った。
「それで・・・これからどうする?」
朝食も食べ終え、全員で部屋に戻った私達は今リビングに集まっている。
「あの・・・俺は今日屋台の仕事に出ていいかな?ほら、今日は週末だろう?セント・レイズ学院の学生さん達が屋台にもやって来るし・・・稼ぎ時だからさ。」
マイケルさんが手を挙げて言う。
「で、でも・・・週末ならソフィーの兵士達も町へやってくるかもしれませんよ?そんなのは危険なんじゃ・・・。」
私が言うと、マイケルさんは途端に目をキラキラさせて私の側へやって来た。
「お嬢さん・・・そんなに俺の事を気に掛けてくれるんだね?うん。やっぱりお嬢さんは可愛らしいね。ソフィーの件が片付いたら俺の所へお嫁においで?一生大事にするからさ。」
そう言うと手をギュッと握りしめて来た。
「「「ジェシカに触るなっ!!」」」
デヴィット、アラン王子、ダニエル先輩が同時に叫ぶ。
「何を言ってるんだ?ジェシカは俺の国へと嫁いで王妃になるんだ。それはもう決定事項なんだ。ジェシカ、安心しろ。俺はお前以外は妻にはしないからな?」
アラン王子は満面の笑みを浮かべて私を見るが、それを物凄い剣幕で睨み付けるデヴィット。何か言いたげに悔し気にしているが・・・彼としては珍しく無言を通している。・・・・?どうかしたのだろうか・・・?
「何言ってるんだ!ジェシカはね・・・僕の領地へ来るんだよ。僕はね、ジェシカ以外の女性は全員受け付けないんだからな!」
ダニエル先輩も負けじと言い、今度はデヴィットはダニエル先輩に視線を移して睨み付けていた。何か変だ。本来・・こういう場面では一番真っ先に声を上げるデヴィットなのに・・・。
グレイとルークにも言いたい事が山ほどありそうなのだが、全員に気を遣って何も言えない様子がその態度で分かった。
「あ、あの!話の論点がずれているんですけど・・。兎に角私はマイケルさんを1人で屋台に立たせるのはすごく心配です。だってこの間だってソフィーの兵士に襲われたじゃないですか・・・。」
私が全員を制するように言うと、得意げにダニエル先輩が続いた。
「そうそう、そこを僕が助けたんだよね。」
「そうか、ならダニエル。今回もまたお前がマイケルに付き添え。」
デヴィットがぶっきらぼうに言うと、ダニエル先輩は怒り出した。
「また!デヴィット!どうしていつもいつも自分勝手に物事を進めようとするんだ?冗談じゃない。僕は今日は1日絶対ジェシカから離れないって決めてあるんだからな。そうだ!グレイとルークがマイケルに付き添えばいいんだ!」
ダニエル先輩がグレイ、ルークの方を向いてとんでもないことを言って来た。
「えええっ!お、俺達がですか?!」
「そ、そんなっ!」
何とも情けない声を上げるグレイとルーク。
「ふーん、それは名案だな。」
デヴィットがしれっと言う。
「うん。確かにそれが一番いいかもしれない。と言う訳だからグレイにルーク。お前達は今日は1日マイケルの護衛をしろ。」
出たっ!久々の俺様王子ぶりが!
「ああ、そうだ。お前達が一番適任だろう。」
おおっ!デヴィットまで・・・似てる・・やはりこの2人・・・強引に自分の考えを押し付ける所が・・・そっくりだ!
「「そ、そんな・・・。」」
そこへ、さらに追い打ちが。
「そうだな・・・ただ護衛について貰うのもなんだし・・。よし、君達。ついでに俺の屋台の手伝いしてよ。」
何と!終いにマイケルさんがグレイとルークに屋台の手伝いをするように言って来たのだ。
「「か、勘弁して下さいよっ!」」
・・・さっきからこの2人はハモりっ放しだ・・・。
グレイとルークの悲惨な顔つきには目もくれず、マイケルさんは言った。
「休暇の日はね・・・学生さん達が大勢来るから忙しいんだよ。それにね・・・実はお嬢さんがお客さんとしてやってきてくれるようになったから客足も伸びて来たんだよ。以前もね・・若い男性がやってきて『あの紫の瞳のお嬢さんは今日は来たんですか?』って聞かれた事があるし・・・ああ、そうだ。お嬢さん宛てのラブレターを預かった事も沢山あったなあ。」
マイケルさんの話を聞き、デヴィット・アラン王子・ダニエル先輩がすぐに反応して彼を見る。
だけど・・。
ええ?!そ、そんな事は初耳だ。大体マイケルさんからラブレターを渡された事すらない。
「ちょ、ちょっと待って下さい。その話・・・本当なのですか?今まで一度も聞いたことがありませんよ?」
「それはそうでしょう。だってラブレターはいつも預かるけど、お嬢さんに悪い虫が付かないように処分していたからね。だってあの当時は君とジョセフの仲を応援していたからさ。」
マイケルさんはニコニコしながら言う。
「ジョセフだと・・・?」
デヴィットがピクリと反応する。
「ジョセフ・・・?何処かで聞いたことがあるような名前だな・・・?」
ダニエル先輩は首を捻っているし、グレイとルークは思い出したのか、顔面蒼白になっている。
「ジョセフ・・・・?ジョセフって・・・・ああっ!もしかしてあの天文学の教師か?!おい、マイケルッ!お前・・・ジョセフの知合いだったのか?!」
アラン王子はガタンと立ち上がるとマイケルさんを指さした。
「うん。そうだよ。彼は俺の友人さ。」
マイケルさんはニコニコしながら言う。
「くそっ・・・こんな所で意外なつながりがあったとは・・・・。」
アラン王子はドサリとソファに座ると腕組みをしてブツブツ呟いている。
それにしても・・・私はチラリとグレイとルークを見た。
あ~あ・・・。可哀そうに・・・2人とも魂の抜けた人形みたいに背もたれに寄りかかり、天井を向いて呆けている。
やれやれ、仕方ない・・・・。
私はグレイとルークに声を掛けた。
「ねえ、グレイ、ルーク。後で屋台に遊びに行くから。その時美味しい『ラフト』を食べさせてね。」
そしてにっこり微笑んだ。すると途端に俄然元気になる2人。
「ああ、任せておけっ!しっかりマイケルさんを護衛するからな。」
「大丈夫。危険な目には絶対あわせないと誓うから。」
グレイ・ルークが交互に言う。
「おい、ジェシカ。何を勝手な事を言ってるんだ?お前が町に出たら危険じゃ無いか・・・。」
アラン王子が言いかけた所へデビットが言った。
「いや・・・どうせジェシカはドミニクにマーキングされているんだ。だから・・何処にいても変わらないだろう。ただ・・流石に今日はその姿で過ごさせるわけにはいかない。ジェシカ、お前・・今日も男装しろ。」
「うん。それがいいね。」
マイケルさんも言う。・・・だけど彼の場合は単に私の男装姿が好きで言ってるだけのようにも聞こえる・・。だか・・・。
「男装ですか・・・。あまり気乗りはしませんけど・・・。」
渋りながら言う。
「え?どうしてなの?」
ダニエル先輩の質問に私は深く考えずに答えてしまった。
「はい。胸が締め付けられて苦しくて・・・。」
そこまで言いかけて、ハッとなった。し、しまった・・・・!わ、私は男性陣の前で何て事を・・・。
ダニエル先輩やマイケルさん、グレイ・ルークはポカンとした顔で私を見るし、一方のデヴィットとアラン王子は顔を真っ赤にさせ、2人ともブツブツと呟いている。
「た・・・確かにジェシカの胸は・・う、うん・・・。」
デヴィットは頷きながら顔を赤らめているし、アラン王子も耳まで顔をまっかにして口元を押さえて賛同している。
「そうだな・・あれ程の物を持っているから・・。」
2人とも私の両隣に座っているから呟き声が丸聞こえだ。
そ、そうだった・・・!こ、この2人とは関係を持った事があるから、当然私の身体を見られている訳で・・・!
キャ~ッ!!
お願いだから、こんな所で思い出さないでっ!!
こうして、私は今日、明日と男装して過ごす事が決定した—。
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あの後、話し合いの末・・・マイケルさんとグレイ・ルークは屋台の仕事、そして残った私達全員でアラン王子の情報を元に新たなソフィーの拠点・・・森の中にある古城を目指す事にした。
ホテルのリビングにて—。
「うん、ジェシカ。その・・・やはりお前は何を着ても・・・か、可愛いな。」
アラン王子が私の男装姿を頬を染めて見つめている。
「はあ・・ありがとうございます。」
う~ん。やはり男装姿を見て頬を染められるのは・・・非常に違和感を感じる。
「それで、アラン王子。ソフィーの城の大体の場所は分かるのか?」
デヴィットが尋ねて来た。
「う~ん・・・。俺は話しか聞いていないからなあ・・。取りあえず学院まで飛んで。・・・そこから東へ20K程と言ってたから・・・。でも俺はその城に行った事が無いから転移魔法は使えない。」
アラン王子は腕組みをしながら答えた。
「よし、ならここで車でも借りるか?それとも・・・森の中だと言ってたからな・・・よし、馬を3頭借りるか。」
デヴィットは思案しながら言った。
「じゃあ、ジェシカは僕の馬に乗ろうね。」
ダニエル先輩は笑顔で私の肩を抱き寄せると言った。
「あ、あの・・・私、馬に乗った事無いのですが・・・大丈夫でしょうか?」
「うん。大丈夫だよ。僕はね・・・あの2人のように荒っぽい性格じゃ無いから、馬だって安全に乗せてあげられるよ?」
ダニエル先輩は何故か異様に色気を出しながら私に囁いてくる。
「おいっ!誰が性格が荒っぽいって?!勝手にジェシカを自分の馬に乗せる事を決めるなっ!」
デヴィットが喚く。
「ああ、そうだ。仮にも俺は王子だ。いいか?王子と言えば馬なんだ。だからジェシカは俺の馬に乗るんだ。どうだ?お前の為に俺は白馬に乗るぞ?」
アラン王子が訳の分からない事を言う。
「ふ~ん・・・それじゃ仕方が無い・・・。公平性を保つためにじゃんけんで決めようか?」
ダニエル先輩が腰に手を当てながら言う。
「よーし!いいだろう!」
デヴィットが何故か腕まくりをする。
「望むところだ!」
妙に力んでいるアラン王子。
「それじゃあ、いくよ・・・。」
ダニエル先輩の掛け声の元・・・。
「「「じゃ~んけ~ん・・・・っ!!!」」」
セント・レイズシティで馬を借りた私達は学院まで飛んだ後、東の森を目指して馬に乗っていた。
「どうだい、ジェシカ。馬に乗るって気持ちがいいでしょう?」
ダニエル先輩が笑顔で私に言う。
「は、はい・・そうですね。」
ダニエル先輩の胸に顔を押し付ける位、しっかり抱き付いたまま私は答えた。
幾らダニエル先輩が身体を支えてくれているとはいえ、やはり初めての馬は少々怖かったからだ。
「大丈夫、ジェシカ?怖いならもっと僕にしがみ付いてもいいんだよ?」
「いえ・・・これ以上はしがみ付けないという位しがみついていますので・・・。」
「それにしても・・・相変わらず嫌な天気だね。本当なら青い空の下で、こうして君と2人で馬に乗って草原を駆けたかったのになあ・・・。」
ダニエル先輩がどす黒い雲を見上げながら溜息をつく。
「だけど・・・天気が悪くても馬に乗るのは気持ちがいいですよ。」
ダニエル先輩を元気づける為に私は笑顔で言った。
「くっそ・・・ダニエルの奴め・・・。」
アラン王子は白馬に乗り、悔しそうに歯ぎしりしてこちらを睨み付けて独り言を言っているのが風に乗って聞こえてくる。
「駄目だ、身体ばかり鍛えていては・・・これからはじゃんけんの腕も鍛えなければ・・・。」
最早本気で言ってるのか、冗談で言ってるのかデヴィットはじゃんけんについてブツブツと呟いている。
・・・じゃんけんの修行・・・一体どうやって修行するのだろう?でも・・・どうか頑張って下さい。
「それにしても・・・ダニエル先輩は本当にじゃんけんが強いんですねえ。何かコツでもあるんですか?」
私はダニエル先輩を見上げると言った。
「コツ・・・別にコツと言ったものは無いけど・・でも相手の顔を見れば、大体何を出そうとしているのかおおよその見当はつくかな?」
「す、すごい!そんな事が出来るんですか?!」
そんな私達の様子を見てアラン王子がまたまた睨み付けている。
「くそ・・・!理不尽だ。本来なら聖剣士であり、白馬にまたがった王子の馬に乗るのが当然じゃないのか?」
「お前・・・何言ってるんだ?さては王宮ロマンス小説愛読者か?男のくせに女々しい本を読むんだな。」
デヴィットが不敵な笑みを浮かべながら言う。
「何だと!貴様っ!」
「ほーう。俺とやる気か?」
とうとう馬に乗りながら2人は口喧嘩を始めてしまった・・・。
思わずため息がついて出てしまう。
・・・前途多難だ・・・。本当にこんなチームワーク?でノア先輩を見つけ出して助ける事が出来るのだろうか・・・。
それに・・・。恐らく、その城にはソフィーだけではなく・・・公爵もいるはずだ。そして私の夢に出てきた鎧兜を身に着けたソフィー付きの3人の兵士達・・・。
その兵士達の正体は・・・私には確信があった。
恐らくは、ライアン・ケビン・そして・・レオでは無いだろうか・・・?でもそうすると1人足りない。私にマシューを紹介して来た人物であり、生徒会の裏メンバーであるテオ・・・。彼は一体何処へいるのか・・・・・。
そこまで考えていた時、アラン王子が叫んだ。
「見ろっ!森だ!森が見えてきたぞっ!」
陰鬱な雲の下・・・禍々しい雰囲気を纏った・・・森がやがて見えて来た。
ダニエル先輩がその森を見て言う。
「うわあ・・。何だか恐ろしい雰囲気の森だね・・・。何か得体の知れない魔物でも現れそうな雰囲気だよ。」
魔物・・・。確かにダニエル先輩の言う通り、眼前に見えている森はとても不気味な森に見えた。そう・・まるで私が魔界の第一階層で出会った魔物達が潜んでいるような・・・。
するとデヴィットが言った。
「いや・・魔物がいるかどうかは定かじゃ無いが・・・一番怖いのは森に棲む獣達だ。特に学院周辺の森には血に飢えたオオカミが数多く生息していると言われているからな。」
思わずゾッとする内容の話を聞き、私は背筋が寒くなるのを感じ、ますます強くダニエル先輩にしがみ付いた。
「大丈夫だって。ジェシカ。例えオオカミが襲って来たって・・・僕の攻撃魔法で一撃で撃退してあげるから。」
得意げに満面の笑みで言う。
「それは・・・心強いですね。」
そう言えば・・・ヴォルフ・・・。今どうしているのだろう?まだ・・・呪いに苦しめられているのだろうか?それとも・・・少しは回復した?
「どうしたの?ジェシカ。何か・・・考え事?」
ダニエル先輩が尋ねて来た。
「いえ。大丈夫です。何でもありませんから。」
その直後、デヴィットが言った。
「よし!森の中へ入るぞっ!2人とも・・・警戒を怠るなよ。」
「うるさい、お前が仕切るなっ!」
アラン王子が喚く。
「全く・・・俺は王子だぞ?それなのに皆平気で俺に命令してきて・・・。」
ブツブツ文句を言っている。
・・・・どうやら相当機嫌が悪そうだ。だけど、ここは危険な獣達が生息している森の中。こうなったら・・・。
「アラン王子、帰りはアラン王子の馬に乗せて頂いてもよろしいでしょうか?」
「な、何?本当か?ジェシカッ!」
声を掛けると途端に笑顔を浮かべるアラン王子。
「ええ?!どうして?僕の馬の扱い・・そんなに嫌だったの?」
ダニエル先輩が悲し気に言うので、すかさず頭の中で考えていた言い訳を言う。
「いえ。そうではありません。馬に慣れない私を乗せるのはさぞ気疲れしたのでは無いかと思ったからです。だから帰りは思い切り自由にダニエル先輩には馬に乗って駆けて頂きたいだけですから。」
「なら、ジェシカッ!俺は?俺は何で駄目なんだ?!」
デヴィットがイラついた様子でこちらを見る。
「デヴィットさんには・・・皆さんと合流するまでずっとお世話になって
色々ご迷惑をお掛けしてしまったからです。」
「そうだ、2人とも。往生際が悪いぞ、ジェシカは帰りは俺の馬に乗ると言ってるんだ。だから諦めろ。」
と、その時・・・・・。
森の奥から低い声が聞こえて来た。
「お前達・・・・帰りがあるとでも・・・思っていたのか?」
「!気を付けろ!皆っ!」
デヴィットが腰に下げていた剣を引き抜くと叫んだ。
「誰だっ!姿を見せろっ!」
アラン王子も剣を構えている。
「ジェシカ・・・僕にしっかり掴まっているんだよ。」
ダニエル先輩が自分の羽織っているマントで私を抱きかかえると正面を見据えた。
やがて・・・闇に包まれた森の中から無数のオオカミの群れを引き連れて・・1人の兵士が私達の前に姿を現した—。
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