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第2幕 『くるみ割り人形』のヒロインの場合 ⑨
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その頃、クララの屋敷では―
「一体どういう事ですか?母上。何故私のクララがいないのですか?」
フリッツが椅子ごと縛り上げられた母親を見下ろすと言った。
「い、いい加減にしなさい!フリッツッ!お前とあの子は兄妹なのですよっ?!」
母は紫色に腫れた頬をしている。これはフリッツに酷く殴られた為に出来たものだ。
「母上・・・また殴られいたいですか?」
フリッツは母親の髪を掴み、上に向かせると言った。
「ヒッ・・!」
母は痛みで悲鳴をあげる。
「私とクララは血の繋がらない兄妹です。クララはとても美しく、聡明で・・・他のどの女性もクララを前にすれば霞んでしまう。そんな彼女を愛して何が悪いのです?血が繋がらない他人同士なのだから・・・愛し合う事だって結婚する事だって・・・子を成す事だって出来るでしょう?何の問題も無いはずだ。」
何処か狂気を帯びた声でフリッツは母の髪をわし掴みしたまま言う。
「だ、だけど・・クララはお前を怖がっているでしょう?!それなのに無理矢理貴方と結婚させるのは認められないわっ!」
しかし、母は息子の常軌を逸した考えを思い切り否定した。
「15年・・・・。」
虚ろな瞳でフリッツは言う。
「え・・・?」
「私は・・・15年間ずっとクララに恋をしていた。彼女に近付こうとする不届き物は許さない。追い払うために、時には暴力的な事もした。彼女が成長し、美しくなるにつれ・・どれだけ自分の性的欲求を押さえて来たか・・・。クララの純潔は私が貰うと決めていた。彼女の純潔を守る為にどれ程苦労してきたと思う?それなのにあなた方は私をクララから引き離す為にわざと遠方の大学に通わせ・・・毎日毎日、私は大学の寮で祈ってた。どうかクララが私以外の他の男に汚されないように・・と。」
その話を聞かされた母は目の前の自分の子供を我が子ながら本当に恐ろしいと感じた事は無かった。
「さあ・・母上・・・痛い目に遭いたく無ければ・・クララが今どこにいるか答えてください。」
「し・・・知らないわッ!けれど・・・例え知っていたとしても・・貴方には決しておしえたりしませんっ!」
すると冷たい視線で見下ろしながら言った。
「いいですよ。まだクリスマス休暇まで余裕があるので・・・草の根を分けてでも私自身の力で愛しい花嫁を見つけ出すまでですから・・・。」
「フリッツ!!クララには・・・手を出さないで頂戴っ!」
しかしフリッツは母の言葉に耳を傾ける事も無く、部屋を無言で出て行った—。
「一体どういう事ですか?母上。何故私のクララがいないのですか?」
フリッツが椅子ごと縛り上げられた母親を見下ろすと言った。
「い、いい加減にしなさい!フリッツッ!お前とあの子は兄妹なのですよっ?!」
母は紫色に腫れた頬をしている。これはフリッツに酷く殴られた為に出来たものだ。
「母上・・・また殴られいたいですか?」
フリッツは母親の髪を掴み、上に向かせると言った。
「ヒッ・・!」
母は痛みで悲鳴をあげる。
「私とクララは血の繋がらない兄妹です。クララはとても美しく、聡明で・・・他のどの女性もクララを前にすれば霞んでしまう。そんな彼女を愛して何が悪いのです?血が繋がらない他人同士なのだから・・・愛し合う事だって結婚する事だって・・・子を成す事だって出来るでしょう?何の問題も無いはずだ。」
何処か狂気を帯びた声でフリッツは母の髪をわし掴みしたまま言う。
「だ、だけど・・クララはお前を怖がっているでしょう?!それなのに無理矢理貴方と結婚させるのは認められないわっ!」
しかし、母は息子の常軌を逸した考えを思い切り否定した。
「15年・・・・。」
虚ろな瞳でフリッツは言う。
「え・・・?」
「私は・・・15年間ずっとクララに恋をしていた。彼女に近付こうとする不届き物は許さない。追い払うために、時には暴力的な事もした。彼女が成長し、美しくなるにつれ・・どれだけ自分の性的欲求を押さえて来たか・・・。クララの純潔は私が貰うと決めていた。彼女の純潔を守る為にどれ程苦労してきたと思う?それなのにあなた方は私をクララから引き離す為にわざと遠方の大学に通わせ・・・毎日毎日、私は大学の寮で祈ってた。どうかクララが私以外の他の男に汚されないように・・と。」
その話を聞かされた母は目の前の自分の子供を我が子ながら本当に恐ろしいと感じた事は無かった。
「さあ・・母上・・・痛い目に遭いたく無ければ・・クララが今どこにいるか答えてください。」
「し・・・知らないわッ!けれど・・・例え知っていたとしても・・貴方には決しておしえたりしませんっ!」
すると冷たい視線で見下ろしながら言った。
「いいですよ。まだクリスマス休暇まで余裕があるので・・・草の根を分けてでも私自身の力で愛しい花嫁を見つけ出すまでですから・・・。」
「フリッツ!!クララには・・・手を出さないで頂戴っ!」
しかしフリッツは母の言葉に耳を傾ける事も無く、部屋を無言で出て行った—。
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