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2-3 新しい家 3
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「どう!? やってみせたわよ?」
レイリアは自慢げにユリアナを振り返った。
「お見事でしたよ。この呪文はマーヴェラスの王家の血を受け継ぐ魔力保持者でなくては扱えません。ですが貴女は見事に成功させました。おめでとう、レイリア」
「まあ、私の実力なら当然よね」
相変わらず憎まれ口しかレイリアは聞けないが、ユリアナに褒められて内心はとても嬉しかった。
「ではレイリア、この家は貴女にプレゼントします。サバトスが復活し、貴女が国を旅立つまでは、ここが貴女の住む場所です。実は私も貴女くらいの年に、ここで魔力の鍛錬を積んでいたのですよ。この空間は魔力を身に付けるには最適な場所なのです」
「そう、おばあ様に出来たのならこの私に出来ないはずはないわよね」
口では強気な言葉しか出てこないが、内心レイリアは不安で一杯であった。それも当然であろう。まだ齢10歳で、これまで一国の姫として大切に育てられてきたのだから無理もない。
「レイリア、この家の裏手には厩舎もあります。馬は貴女が何処か森で調達してきても良いし、私が貴女に選んであげても良いので自分でどうしたいか決めなさい」
ユリアナに案内されて家の裏手に行くと、そこには小さな厩舎と1台の馬車が置いてある。
馬車を見てからレイリアは尋ねた。
「ねえ、さっき気になる事を言っていたけど、私に馬を調達しなさいって言わなかった? 私が馬を森で捕まえる事が出来ると思っているの? 何だかんだ言って、私に馬を渡すのが本当は惜しいんじゃないの?」
「いいえ、本来相性の良い馬は自分で選ぶべきだと思って話をしたまでです。幸いこの森には野生の馬が生息しています。この近くに湖のほとりがあり、そこは馬たちの水飲み場となっているのです。そこで貴女が好みの馬を選んで捕まえるのも鍛錬の一つだと思いませんか? 付け加えれば、私はレイリアと同じ年に馬を捕らえて、自分の愛馬にしましたよ」
ユリアナは事も無げに言った。
「う……。わ、分かったわ。私だって自分で馬を捕まえてみせるんだから」
「そう、その心意気です。ではレイリア、厩舎も案内した事です。家の中へ入ってみましょう」
家の中は必要な小さな家具が全て揃っていた。レイリアがこれから一人で暮らしていくには十分整えられていた。
台所には巨大な蛇口の付いた水瓶が置いてあり、地下に水道管を通してあるので蛇口をひねればいつでも水が出るようになっているので水汲みの作業が無いのがレイリアにとって一番嬉しかった。
さらにこの家の地下には地下水を利用した氷室があるので、食材を冷やしておく事も出来るようになっている。
「レイリア、この家は貴女が一人で暮らしていくのに十分な設備があります。ですが貴女もこの国に住む人々と同じように自給自足の生活をしてもらいます。この敷地には貴女が一人で野菜を育てて食べていける程度の畑もあります。でも狩りや魚を釣るのは難しいと思いますので、それらの食材は定期的にこちらに運ばせるようにします。ただし、調理は全て一人で行うのですよ」
「えっ!? たったひとりで!? 私は畑仕事も何もした事が無いのよ!?」
レイリアは悲痛な声で訴えた。
「大丈夫、全てこの私が貴女に教えますから」
ユリアナはにっこり笑った。
強大な魔力を持ちながら、かつては女王として君臨していたユリアナが料理どころか畑仕事までこなす事が出来る事実を知り、改めてレイリアは自分の祖母の凄さを目の当たりにするのだった。
一通り説明が終わった頃には時刻は既に9時を過ぎていた。
「あら。もうこんな時間だったのね。レイリア、お腹が空いたのでは無いですか? 今朝は私がサンドイッチを作って持ってきたのでこちらを二人で頂きましょう」
ユリアナは持参して来たバスケットを空けて、二人分のサンドイッチを食卓に置き、水筒に入った紅茶も取り出した。
「さあ、朝食を食べたら早速始めるわ」
ユリアナはティーカップに紅茶を注ぐとレイリアにそう告げたのだった――
レイリアは自慢げにユリアナを振り返った。
「お見事でしたよ。この呪文はマーヴェラスの王家の血を受け継ぐ魔力保持者でなくては扱えません。ですが貴女は見事に成功させました。おめでとう、レイリア」
「まあ、私の実力なら当然よね」
相変わらず憎まれ口しかレイリアは聞けないが、ユリアナに褒められて内心はとても嬉しかった。
「ではレイリア、この家は貴女にプレゼントします。サバトスが復活し、貴女が国を旅立つまでは、ここが貴女の住む場所です。実は私も貴女くらいの年に、ここで魔力の鍛錬を積んでいたのですよ。この空間は魔力を身に付けるには最適な場所なのです」
「そう、おばあ様に出来たのならこの私に出来ないはずはないわよね」
口では強気な言葉しか出てこないが、内心レイリアは不安で一杯であった。それも当然であろう。まだ齢10歳で、これまで一国の姫として大切に育てられてきたのだから無理もない。
「レイリア、この家の裏手には厩舎もあります。馬は貴女が何処か森で調達してきても良いし、私が貴女に選んであげても良いので自分でどうしたいか決めなさい」
ユリアナに案内されて家の裏手に行くと、そこには小さな厩舎と1台の馬車が置いてある。
馬車を見てからレイリアは尋ねた。
「ねえ、さっき気になる事を言っていたけど、私に馬を調達しなさいって言わなかった? 私が馬を森で捕まえる事が出来ると思っているの? 何だかんだ言って、私に馬を渡すのが本当は惜しいんじゃないの?」
「いいえ、本来相性の良い馬は自分で選ぶべきだと思って話をしたまでです。幸いこの森には野生の馬が生息しています。この近くに湖のほとりがあり、そこは馬たちの水飲み場となっているのです。そこで貴女が好みの馬を選んで捕まえるのも鍛錬の一つだと思いませんか? 付け加えれば、私はレイリアと同じ年に馬を捕らえて、自分の愛馬にしましたよ」
ユリアナは事も無げに言った。
「う……。わ、分かったわ。私だって自分で馬を捕まえてみせるんだから」
「そう、その心意気です。ではレイリア、厩舎も案内した事です。家の中へ入ってみましょう」
家の中は必要な小さな家具が全て揃っていた。レイリアがこれから一人で暮らしていくには十分整えられていた。
台所には巨大な蛇口の付いた水瓶が置いてあり、地下に水道管を通してあるので蛇口をひねればいつでも水が出るようになっているので水汲みの作業が無いのがレイリアにとって一番嬉しかった。
さらにこの家の地下には地下水を利用した氷室があるので、食材を冷やしておく事も出来るようになっている。
「レイリア、この家は貴女が一人で暮らしていくのに十分な設備があります。ですが貴女もこの国に住む人々と同じように自給自足の生活をしてもらいます。この敷地には貴女が一人で野菜を育てて食べていける程度の畑もあります。でも狩りや魚を釣るのは難しいと思いますので、それらの食材は定期的にこちらに運ばせるようにします。ただし、調理は全て一人で行うのですよ」
「えっ!? たったひとりで!? 私は畑仕事も何もした事が無いのよ!?」
レイリアは悲痛な声で訴えた。
「大丈夫、全てこの私が貴女に教えますから」
ユリアナはにっこり笑った。
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「あら。もうこんな時間だったのね。レイリア、お腹が空いたのでは無いですか? 今朝は私がサンドイッチを作って持ってきたのでこちらを二人で頂きましょう」
ユリアナは持参して来たバスケットを空けて、二人分のサンドイッチを食卓に置き、水筒に入った紅茶も取り出した。
「さあ、朝食を食べたら早速始めるわ」
ユリアナはティーカップに紅茶を注ぐとレイリアにそう告げたのだった――
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