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1章11 約束
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「ふ~久しぶりに豪華な食事だったわ」
満足した気持ちで部屋に向かうと、自室の扉が開いていることに気付いた。
誰かいるのだろうか?
覗き込むと、チェルシーがベッドメイキングをしていた。
チェルシーの後姿を見ていると、不覚にも目頭が熱くなってきた。
『ルーズ』の村で暮らしている時も、毎晩私のベッドメイキングをしてくれたチェルシー。
『満足にお食事を出して差し上げられないので、私が出来る仕事は全てやらせて下さい』
青白くやせ細った身体でチェルシーは笑ったのだ。
「チェルシー……」
するとチェルシーが振り向いた。
「あ、オフィーリア様。お食事から戻られたのですね? 今ベッドメイクを……ってええ!? どうしたのです!? 泣いているのですか!?」
慌てた様子でチェルシーが駆け寄ってきた。
「『ルーズ』に追放されることが辛いのですよね? 当然です。しかも祖母に、村には1人で行くと仰ったそうではありませんか。やはりオフィーリア様が心配です。 私がついていきます」
「いいえ、そうじゃ無いの。ちょっと目にゴミが入っただけだから。それに婆やから聞いているのでしょう? 私は1人で『ルーズ』に行ってのどかな村の生活を満喫したいのよ。私はいままで甘やかされた世界で生きてきたの。これは自立の為の第一歩なのよ」
……まぁ、そう言っても私は55年間ずっと自立して生活していたのだけど。1人暮らしなど、もうお手の物だ。
「ですが……」
「いい? だったらこれは命令よ! 従いなさい!」
私はビシッとチェルシーを指さした。
「分かりました……そこまでおっしゃるのでしたら命令に従います……」
シュンとした様子で返事をするチェルシー。
彼女は本気で私について来ようとしてくれている……その気持ちだけで十分だった。
「ねぇ、それよりチェルシーに貰って欲しい物があるのよ。こっちに来てくれる?」
床の上に置かれた衣装箱の元へ行くと、手招きした。
「え? 渡したいものですか…」
チェルシーが近づいて来たところで衣装箱を開けた。すると中を見た彼女が驚きの声を上げる。
「まぁ! こ、これは……本ではありませんか!」
「ええ、そうよ。もう私には必要の無い物だから。それにチェルシーは前から言っていたでしょう? 色々な本を読んでみたいって」
「ですが、こんなに沢山の本を……しかもオフィーリア様が大切にしていた本ばかりではありませんか」
チェルシーは本を手に取ると尋ねてきた。
「だからこそ、あなたに貰って欲しいのよ。本の内容は全て頭に入っているから大丈夫だもの」
それに第一、私は1人で暮らすようになってから本を読む時間も無い程忙しかった。もはや無用の長物なのだから。
今の私に必要なのは、ズバリお金だ。本を売りに行くのも重いし、だったら喜んでもらえる人にプレゼントした方がずっと良いに決まっている。
「ありがとうございます、オフィーリア様。私、この本……一生大事にします」
「ええ。ずっとずっと大切に持っていてね。約束よ」
チェルシーの手を握りしめた。
今度チェルシーには長生きしてもらいたいから――
満足した気持ちで部屋に向かうと、自室の扉が開いていることに気付いた。
誰かいるのだろうか?
覗き込むと、チェルシーがベッドメイキングをしていた。
チェルシーの後姿を見ていると、不覚にも目頭が熱くなってきた。
『ルーズ』の村で暮らしている時も、毎晩私のベッドメイキングをしてくれたチェルシー。
『満足にお食事を出して差し上げられないので、私が出来る仕事は全てやらせて下さい』
青白くやせ細った身体でチェルシーは笑ったのだ。
「チェルシー……」
するとチェルシーが振り向いた。
「あ、オフィーリア様。お食事から戻られたのですね? 今ベッドメイクを……ってええ!? どうしたのです!? 泣いているのですか!?」
慌てた様子でチェルシーが駆け寄ってきた。
「『ルーズ』に追放されることが辛いのですよね? 当然です。しかも祖母に、村には1人で行くと仰ったそうではありませんか。やはりオフィーリア様が心配です。 私がついていきます」
「いいえ、そうじゃ無いの。ちょっと目にゴミが入っただけだから。それに婆やから聞いているのでしょう? 私は1人で『ルーズ』に行ってのどかな村の生活を満喫したいのよ。私はいままで甘やかされた世界で生きてきたの。これは自立の為の第一歩なのよ」
……まぁ、そう言っても私は55年間ずっと自立して生活していたのだけど。1人暮らしなど、もうお手の物だ。
「ですが……」
「いい? だったらこれは命令よ! 従いなさい!」
私はビシッとチェルシーを指さした。
「分かりました……そこまでおっしゃるのでしたら命令に従います……」
シュンとした様子で返事をするチェルシー。
彼女は本気で私について来ようとしてくれている……その気持ちだけで十分だった。
「ねぇ、それよりチェルシーに貰って欲しい物があるのよ。こっちに来てくれる?」
床の上に置かれた衣装箱の元へ行くと、手招きした。
「え? 渡したいものですか…」
チェルシーが近づいて来たところで衣装箱を開けた。すると中を見た彼女が驚きの声を上げる。
「まぁ! こ、これは……本ではありませんか!」
「ええ、そうよ。もう私には必要の無い物だから。それにチェルシーは前から言っていたでしょう? 色々な本を読んでみたいって」
「ですが、こんなに沢山の本を……しかもオフィーリア様が大切にしていた本ばかりではありませんか」
チェルシーは本を手に取ると尋ねてきた。
「だからこそ、あなたに貰って欲しいのよ。本の内容は全て頭に入っているから大丈夫だもの」
それに第一、私は1人で暮らすようになってから本を読む時間も無い程忙しかった。もはや無用の長物なのだから。
今の私に必要なのは、ズバリお金だ。本を売りに行くのも重いし、だったら喜んでもらえる人にプレゼントした方がずっと良いに決まっている。
「ありがとうございます、オフィーリア様。私、この本……一生大事にします」
「ええ。ずっとずっと大切に持っていてね。約束よ」
チェルシーの手を握りしめた。
今度チェルシーには長生きしてもらいたいから――
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