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第4章 3 転校と進学の薦め
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「貴方、今日婚約後初めてルドルフがヒルダに会いに来たんですよ。2人供・・とても初々しくて可愛らしかったわ。」
マーガレットは仕事から帰宅してきたハリスに言った。
「ああ、そうなのか・・・。」
「貴方・・どうされたのですか?何だか様子が変ですよ?」
「あ、ああ・・・実は本日領地を周っていた時の事なのだが・・・ルドルフの事を少し小耳に挟んでな・・。どうもあの少年はヒルダと婚約してから学校で嫌がらせを受けているらしい。」
「え?そうなんですか?!」
「ああ・・・元々ルドルフの通っている学校は平民しか行かない学校だからな。だから・・・転校させようかと考えているんだ。幸い彼は頭も良いようだから・・・。」
「転校させるって・・何処にですか?ヒルダの通う中等学校は女子だけですし・・・。」
「マーガレット、忘れたのか?ヒルダの通う中等学校は女子部と男子部に分かれていると言う事を。」
「あ!そう言えば・・・そうでしたわね。確か学校も隣同士でしたわ。」
「ああ、すぐにルドルフの転校手続きを済ませよう。来週にはルドルフをそこの学校に移すのだ。ヒルダもまだギプスは外れないが来週から登校再開だ。2人で同じ馬車に乗って通えば良いのだ。」
「まあ・・・流石は貴方ですわ。私、見直しました。」
マーガレットはにっこりと笑った―。
その夜―
ルドルフとマルコはハリスに呼び出されていた。
「お呼びでしょうか?旦那様。」
応接室に入って来たマルコはハリスにお辞儀をすると尋ねた。
「ああ、そうだ。今夜お前達親子を呼び出したのは他でも無い。ルドルフの学校についてだ。」
「僕の・・・学校についてですか?」
ルドルフは首を傾げた。
「ああ、そうだ。実は・・・今日領地巡りをしていた時に小耳に挟んだのだが・・・ルドルフ。君は今学校で不当な扱いを受けているそうだな?」
「!」
ルドルフはビクリとした。
「そうか・・やはり噂は本当だったのだな・・。」
「・・・はい。」
ルドルフはコクリと頷いた。
「な、何っ?!ルドルフ・・・そんな話は初耳だぞっ?!」
マルコは驚いた風にルドルフを見た。
「ごめんなさい・・父さん。心配すると思って・・・黙っていたんです・・。」
「マルコ・・・。」
「ふむ・・やはりルドルフは心根の優しい少年のようだな?君のようなタイプはまさにヒルダの婚約者にぴったりだ。」
「あ・・ありがとございます。」
ルドルフは頬を染めながら言う。
「それで考えたのだ。ルドルフがそのように不当な目に遭うのは今、通っている学校に問題があると思っている。平民ばかりが通う学校なので貴族の仲間入りを果たしたルドルフが羨ましくて仕方が無いから、君に嫌がらせをしているに違いない。」
「旦那様っ!それは・・・。」
しかし、そこまで言いかけてルドルフは口を閉ざした。
(駄目だ・・・本当の事は言えない・・・。ヒルダ様と婚約したからだと言う事を・・。)
「何だ?ルドルフ。言いたい事があるなら申してみろ。」
「い、いえ。何もありません。」
「ふむ・・そうか。それで話と言うのは他でも無い。ルドルフ、来週から転校するのだ。ヒルダと同じ中等学校に通いなさい。あの学校は女子部と男子部に分かれているのだ。学校も隣同士に並んで立っているし、ヒルダは来週から登校させる。2人で同じ馬車に乗って通学すればよい。それに・・ルドルフ。お前も来年は卒業だ。進路は決まっていないのだろう?来年お前は高等学校へ通いなさい。」
「え・・?だ、旦那様・・・今の話は・・・ほ、本当ですか・・?」
ルドルフは目を見開いた。
「ああ、そうだ。ヒルダの婚約者が中卒と言うには世間体も悪いしな。」
「あ・・・有難うございますっ!」
ルドルフは頭を下げた。
(やった・・・僕は・・高等学校へ行けるんだ・・・っ!)
この夜、ルドルフの胸は喜びで一杯になった―。
マーガレットは仕事から帰宅してきたハリスに言った。
「ああ、そうなのか・・・。」
「貴方・・どうされたのですか?何だか様子が変ですよ?」
「あ、ああ・・・実は本日領地を周っていた時の事なのだが・・・ルドルフの事を少し小耳に挟んでな・・。どうもあの少年はヒルダと婚約してから学校で嫌がらせを受けているらしい。」
「え?そうなんですか?!」
「ああ・・・元々ルドルフの通っている学校は平民しか行かない学校だからな。だから・・・転校させようかと考えているんだ。幸い彼は頭も良いようだから・・・。」
「転校させるって・・何処にですか?ヒルダの通う中等学校は女子だけですし・・・。」
「マーガレット、忘れたのか?ヒルダの通う中等学校は女子部と男子部に分かれていると言う事を。」
「あ!そう言えば・・・そうでしたわね。確か学校も隣同士でしたわ。」
「ああ、すぐにルドルフの転校手続きを済ませよう。来週にはルドルフをそこの学校に移すのだ。ヒルダもまだギプスは外れないが来週から登校再開だ。2人で同じ馬車に乗って通えば良いのだ。」
「まあ・・・流石は貴方ですわ。私、見直しました。」
マーガレットはにっこりと笑った―。
その夜―
ルドルフとマルコはハリスに呼び出されていた。
「お呼びでしょうか?旦那様。」
応接室に入って来たマルコはハリスにお辞儀をすると尋ねた。
「ああ、そうだ。今夜お前達親子を呼び出したのは他でも無い。ルドルフの学校についてだ。」
「僕の・・・学校についてですか?」
ルドルフは首を傾げた。
「ああ、そうだ。実は・・・今日領地巡りをしていた時に小耳に挟んだのだが・・・ルドルフ。君は今学校で不当な扱いを受けているそうだな?」
「!」
ルドルフはビクリとした。
「そうか・・やはり噂は本当だったのだな・・。」
「・・・はい。」
ルドルフはコクリと頷いた。
「な、何っ?!ルドルフ・・・そんな話は初耳だぞっ?!」
マルコは驚いた風にルドルフを見た。
「ごめんなさい・・父さん。心配すると思って・・・黙っていたんです・・。」
「マルコ・・・。」
「ふむ・・やはりルドルフは心根の優しい少年のようだな?君のようなタイプはまさにヒルダの婚約者にぴったりだ。」
「あ・・ありがとございます。」
ルドルフは頬を染めながら言う。
「それで考えたのだ。ルドルフがそのように不当な目に遭うのは今、通っている学校に問題があると思っている。平民ばかりが通う学校なので貴族の仲間入りを果たしたルドルフが羨ましくて仕方が無いから、君に嫌がらせをしているに違いない。」
「旦那様っ!それは・・・。」
しかし、そこまで言いかけてルドルフは口を閉ざした。
(駄目だ・・・本当の事は言えない・・・。ヒルダ様と婚約したからだと言う事を・・。)
「何だ?ルドルフ。言いたい事があるなら申してみろ。」
「い、いえ。何もありません。」
「ふむ・・そうか。それで話と言うのは他でも無い。ルドルフ、来週から転校するのだ。ヒルダと同じ中等学校に通いなさい。あの学校は女子部と男子部に分かれているのだ。学校も隣同士に並んで立っているし、ヒルダは来週から登校させる。2人で同じ馬車に乗って通学すればよい。それに・・ルドルフ。お前も来年は卒業だ。進路は決まっていないのだろう?来年お前は高等学校へ通いなさい。」
「え・・?だ、旦那様・・・今の話は・・・ほ、本当ですか・・?」
ルドルフは目を見開いた。
「ああ、そうだ。ヒルダの婚約者が中卒と言うには世間体も悪いしな。」
「あ・・・有難うございますっ!」
ルドルフは頭を下げた。
(やった・・・僕は・・高等学校へ行けるんだ・・・っ!)
この夜、ルドルフの胸は喜びで一杯になった―。
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