105 / 566
1章 14 校長室での話し合い
しおりを挟む
「・・・。」
マチルダ校長は無言で席を立つと、素早くドアに向かい、ガチャリとドアを開けた。
「貴女は・・・?」
見下ろした先にはステラが青ざめた顔で床の上に座り込んでいた。
「こんな所で何をしているのですか?」
マチルダは溜息を尽きながらステラに尋ねた。
「あ・・・わ、私は・・・。」
ステラが思わず言い淀むと、マチルダは言った。
「貴女・・・もしかすると盗み聞きをしていたのですね?中へお入りなさい。」
「はい・・・。」
ステラは観念して立ち上がると、マチルダ校長の後に続いて校長室へとはいって来た。
「ステラさん・・・?」
ヒルダは校長室へ入って来たステラを見て怪訝そうな顔をした。
「あ・・・、ど・どうも・・・。」
ステラはばつが悪そうに頭を下げると、マチルダが言った。
「ステラさん、ヒルダさんの隣に座りなさい。」
「はい・・。」
ステラがソファに座るのを見届けるとマチルダは早速質問をしてきた。
「さて、ステラさん。貴女は先ほど校長室の前で何をしていたのですか?」
「あ、あの・・・私はヒルダさんが・・心配で・・・。」
ステラはモジモジしながらヒルダを見た。
「・・・。」
そんなステラをヒルダは冷めた目で見ている。
(報告ではヒルダさんには友達がいないと書かれていたけれども・・ステラさんはヒルダさんの友人だったのかしら・・?)
「そう、貴女はヒルダさんの友達だったのですね?友人のヒルダさんが心配だったのですね?」
「はい、そうです!」
「いいえ、違います。」
ステラとヒルダは同時に答えた。
「え・・?そ、そんなあ・・・ヒルダさん。私達・・・お友達同士よね?」
ステラは懇願するような目でヒルダを見つめるが、そんなステラをヒルダは冷たく一瞥すると言った。
「いいえ、私とステラさんは単なるクラスメイトよ。友達でも何でも無いわ。」
「そんな~私達一緒にお昼を食べた仲じゃないの・・・。」
ステラの訴えにヒルダは耳を貸す事無く言った。
「校長先生、お話はもう終わりましたよね?でしたらこれで失礼致します。反省文を10枚書いてきます。そして1週間の停学処分をうけます。」
するとステラは言った。
「待って!ヒルダさんっ!貴女犯人なんかじゃ無いわっ!だって今日昼休み、私達ずっと一緒にいたじゃないのっ!」
「そうなのですか?ヒルダさん。」
マチルダはヒルダを見た。
「はい、そうです。」
「何故、先にその事を説明しなかったのですか?」
「話したとしても・・・私がアデルさんの財布を盗んでいない証拠にはならないと思ったからです。」
「確かにそうかもしれませんが・・・。」
するとアデルが口を挟んだ。
「ま・・待って下さいっ!」
「ステラさん、どうしましたか?」
「あ、あの・・・私、見たんです。さっき廊下で・・ダフネさんが私と同じように廊下で盗み聞きをしていたんです。そしてその後・・・青ざめた顔で走り去っていくのを・・。」
ステラは身体を震わせながら言った。
「ダフネさん・・・・。」
マチルダは呟いた。
ダフネの噂ならマチルダの耳にも届いていた。貴族令嬢でありながら素行が悪く、財閥派閥のアデルと何かとトラブルを起こしているという。更に度々ヒルダに嫌がらせをしているという話だ。
しかし・・・。
「ステラさん、憶測でも物を言ってはいけません。ダフネさんがアデルさんの財布を盗んだと言う証拠は何かあるのですか?」
するとステラは俯いた。
「証拠は・・・ありません・・・。」
「なら・・ダフネさんを疑うのはなりません。」
しかし、だからと言ってヒルダが盗んだとはマチルダには到底思えなかった。
「だけど・・・!」
それでもステラは諦められない。すると今迄黙っていたヒルダが口を挟んできた。
「いいのよ、ステラさん。この件は・・・誰かが罪を被らなければ終わらないのだから。」
「ヒルダさん・・・。」
「それでは校長先生、私はこれで失礼します。」
ヒルダが立ち上ったので、ステラも立ち上がるとマチルダはステラにだけ声を掛けた。
「おまちなさい、ステラさん。貴女にはまだ聞きたい事があります。このまま残って下さい。」
「え・・?」
その言葉を聞いたステラは思わず露骨に嫌そうな表情が顔に出てしまった―。
マチルダ校長は無言で席を立つと、素早くドアに向かい、ガチャリとドアを開けた。
「貴女は・・・?」
見下ろした先にはステラが青ざめた顔で床の上に座り込んでいた。
「こんな所で何をしているのですか?」
マチルダは溜息を尽きながらステラに尋ねた。
「あ・・・わ、私は・・・。」
ステラが思わず言い淀むと、マチルダは言った。
「貴女・・・もしかすると盗み聞きをしていたのですね?中へお入りなさい。」
「はい・・・。」
ステラは観念して立ち上がると、マチルダ校長の後に続いて校長室へとはいって来た。
「ステラさん・・・?」
ヒルダは校長室へ入って来たステラを見て怪訝そうな顔をした。
「あ・・・、ど・どうも・・・。」
ステラはばつが悪そうに頭を下げると、マチルダが言った。
「ステラさん、ヒルダさんの隣に座りなさい。」
「はい・・。」
ステラがソファに座るのを見届けるとマチルダは早速質問をしてきた。
「さて、ステラさん。貴女は先ほど校長室の前で何をしていたのですか?」
「あ、あの・・・私はヒルダさんが・・心配で・・・。」
ステラはモジモジしながらヒルダを見た。
「・・・。」
そんなステラをヒルダは冷めた目で見ている。
(報告ではヒルダさんには友達がいないと書かれていたけれども・・ステラさんはヒルダさんの友人だったのかしら・・?)
「そう、貴女はヒルダさんの友達だったのですね?友人のヒルダさんが心配だったのですね?」
「はい、そうです!」
「いいえ、違います。」
ステラとヒルダは同時に答えた。
「え・・?そ、そんなあ・・・ヒルダさん。私達・・・お友達同士よね?」
ステラは懇願するような目でヒルダを見つめるが、そんなステラをヒルダは冷たく一瞥すると言った。
「いいえ、私とステラさんは単なるクラスメイトよ。友達でも何でも無いわ。」
「そんな~私達一緒にお昼を食べた仲じゃないの・・・。」
ステラの訴えにヒルダは耳を貸す事無く言った。
「校長先生、お話はもう終わりましたよね?でしたらこれで失礼致します。反省文を10枚書いてきます。そして1週間の停学処分をうけます。」
するとステラは言った。
「待って!ヒルダさんっ!貴女犯人なんかじゃ無いわっ!だって今日昼休み、私達ずっと一緒にいたじゃないのっ!」
「そうなのですか?ヒルダさん。」
マチルダはヒルダを見た。
「はい、そうです。」
「何故、先にその事を説明しなかったのですか?」
「話したとしても・・・私がアデルさんの財布を盗んでいない証拠にはならないと思ったからです。」
「確かにそうかもしれませんが・・・。」
するとアデルが口を挟んだ。
「ま・・待って下さいっ!」
「ステラさん、どうしましたか?」
「あ、あの・・・私、見たんです。さっき廊下で・・ダフネさんが私と同じように廊下で盗み聞きをしていたんです。そしてその後・・・青ざめた顔で走り去っていくのを・・。」
ステラは身体を震わせながら言った。
「ダフネさん・・・・。」
マチルダは呟いた。
ダフネの噂ならマチルダの耳にも届いていた。貴族令嬢でありながら素行が悪く、財閥派閥のアデルと何かとトラブルを起こしているという。更に度々ヒルダに嫌がらせをしているという話だ。
しかし・・・。
「ステラさん、憶測でも物を言ってはいけません。ダフネさんがアデルさんの財布を盗んだと言う証拠は何かあるのですか?」
するとステラは俯いた。
「証拠は・・・ありません・・・。」
「なら・・ダフネさんを疑うのはなりません。」
しかし、だからと言ってヒルダが盗んだとはマチルダには到底思えなかった。
「だけど・・・!」
それでもステラは諦められない。すると今迄黙っていたヒルダが口を挟んできた。
「いいのよ、ステラさん。この件は・・・誰かが罪を被らなければ終わらないのだから。」
「ヒルダさん・・・。」
「それでは校長先生、私はこれで失礼します。」
ヒルダが立ち上ったので、ステラも立ち上がるとマチルダはステラにだけ声を掛けた。
「おまちなさい、ステラさん。貴女にはまだ聞きたい事があります。このまま残って下さい。」
「え・・?」
その言葉を聞いたステラは思わず露骨に嫌そうな表情が顔に出てしまった―。
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!
みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。
幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、
いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。
そして――年末の舞踏会の夜。
「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」
エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、
王国の均衡は揺らぎ始める。
誇りを捨てず、誠実を貫く娘。
政の闇に挑む父。
陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。
そして――再び立ち上がる若き王女。
――沈黙は逃げではなく、力の証。
公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。
――荘厳で静謐な政略ロマンス。
(本作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載中です)
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる