嫌われた令嬢、ヒルダ・フィールズは終止符を打つ

結城芙由奈@コミカライズ連載中

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第4章 19 エドガーの思い

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23時―

ようやく泣き疲れて眠ってしまったヒルダにエドガーは毛布を掛け、額にそっとキスをすると呟いた。

「ヒルダ‥‥なんて可愛そうなんだ‥」

そしてため息をつくと、カミラが待つリビングへと向かった。

「エドガー様。お疲れさまでした。今お茶を淹れますので、そちらのソファに掛けてお待ち下さい」

「ああ、ありがとう」

エドガーはソファに座り、背もたれに寄りかかると天井を向いてため息をついた。疲れきった様子のエドガーを見守りながらカミラは薪ストーブの上で沸かしていたケトルを手に取った。そしてハーブポットにカモミールの茶葉を入れて、お湯を注ぎ入れた。

コポコポコポ…

お湯を注ぐ音と共に部屋の中にはハーブの良い香りが漂い始める。そしてティーカップにハーブティーを注ぐと、エドガーが座るソファの真向いのテーブルに置いた。

「どうぞ、エドガー様」

「ああ、ありがとう。うん…良い香りだな」

「リラックス効果のあるカモミールティーです。お気に召されたようで何よりです」

エドガーは早速カップを持つと、フウフウと息を吹きかけて覚ますと一口飲んだ。

「うん、美味しいな…身体も温まるし。有難う」

「いえ、お礼を言うのはむしろ私の方です。私ではあそこまで興奮されたヒルダ様を落ち着かせるのは、難しかったと思います。本当に‥…気を失って目覚められた時のヒルダ様はまるで今にも自らの命を絶ってしまうのではないかと思われる程の迫力をお持ちでしたから。」

「そうだったのか…でも、恋人を失ってしまったんだ。ヒルダがおかしくなってしまうのも無理はない」

「はい。そうですね。エドガー様。今夜の宿は決まっておられないのですよね?」

「ああ、そうなんだ。カミラのお姉さんから電話でヒルダが気を失ってしまったと言う話を聞いて、いてもたってもいられなくなって‥着の身着のままでここまでやって来てしまったから…これから何処か宿屋を探すつもりだ」

「何を仰っているのですか。どうぞ今夜はここに泊まって行かれて下い」

「しかし、それでは迷惑だろう?」

「いいえ、そんな事はありません。実はリビングに置かれたソファはベッドにもなります。寝具はまだ余分にありますので、どうかそちらをお使い下さい」

「有難う。申し訳ない」

エドガーは頭を下げた。

「いいえ。エドガー様がいらしていただいた方がこちらも心強いですから。今準備をしてまいりますので、エドガー様はシャワーを浴びてきてください。」

「有難う…」

そしてその後、エドガーはバスルームへ案内されてシャワーを浴び、リビングへ戻る頃にはベッドの準備が出来上がっていた。

「エドガー様、ではこちらをお使いください。それで明日は何時から葬儀が行われるのですか?」

カミラは尋ねた。

「ああ、午後1時から行われる。だから8時にはここを出発しなければいけないな」

「分りました。ではもう今夜は休んだ方が良さそうですね」

「ああ、カミラも早く休んでくれ。特に何も準備はしなくてよいからな?フィールズ家に泊まるのだから。喪服の準備も出来ているだろう」

「はい…ではお休みなさいませ」

カミラは頭を下げてリビングから去って行った。1人になり、部屋の明かりを消すとエドガーはベッドに横になった。

(ヒルダは大丈夫だろうか?この後、ヒルダはどうするつもりなのだろう?俺としては、フィールズ家に戻って来てもらいたい。だがヒルダはそれを承諾するだろうか?またロータスで暮らす事を望むつもりなのだろうか…?)

色々考えごとをしているうちに、エドガーはいつしか眠りに就いていた―。


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