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第1章 14 ヒルダとカミラ
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「それじゃ行ってくるわね、ヒルダ、エドガー、カミラ」
マーガレットはエントランスの前で見送りに来ていたヒルダ達に声を掛けた。
「はい、お母様。行ってらっしゃいませ」
「母上、お気をつけて」
「奥様、行ってらっしゃいませ」
3人は交互にマーガレットに言った。
マーガレットは笑みを浮かべ、素早くカミラに目配せした。カミラはそれを見て小さく頷くのを見届けるとマーガレットは馬車に乗って出掛けて行った。
「ヒルダ、それじゃ夕食の席でまた会おう。これから俺はまだ仕事をしなくてはならないから」
「はい、お兄様」
そしてエドガーは自分の執務室へ向かった。
「ヒルダ様。これからどうされますか?」
カミラが尋ねてきた。
「ええ、そうね。私も実は町に行きたいの。明日『ロータス』に帰るから診療所の人達に『カウベリー』のお土産を買って帰りたいの」
「そうですね、それは良いですね。お供させて頂きます」
「本当?カミラはセンスがいいから一緒に来てくれると助かるわ。それじゃ準備とか色々あるから、今から30分後に部屋まで迎えに来てもらえるかしら?」
「はい、分かりました。では後ほど伺いますね」
そしてヒルダとカミラもそれぞれの部屋へと戻って行った―。
****
コンコン
ヒルダの部屋がノックされた。
「ヒルダ様、カミラです」
「あ、どうぞ入って」
ヒルダはちょうどドレッサーの前で髪をとかしている最中だった。
「髪をとかしてらしたのですね?お手伝い致しましょうか?」
「お手伝い致しましょうか?」
「いいえ、大丈夫。1人で出来るから、椅子に座って少し待っていてもらえる」
ヒルダの部屋に置いてある背もたれ付きの椅子を示され、カミラは座るとヒルダの様子をじっと伺った。
ヒルダのウェーブのかかった髪は腰まで長く伸びて太陽の光に照らされてキラキラと輝いている。
(本当にヒルダ様はお美しい方だわ…これなら多くの異性から好意を持たれるのも無理はないかも知れないわ。ルドルフさんにエドガー、フランシスさんにアレン先生…)
その時、ふとヒルダが声を掛けてきた。
「ねぇ、カミラ…」
「はい、何でしょうか?」
「私、髪を切ろうかと思っているのだけど…どう思う?」
「え?髪を…ですか?」
一瞬、カミラは勿体ないと思ってしまった。ヒルダの髪はまるで金糸のような美しい光沢を放つプラチナブロンドである。その髪の美しさだけでも十分にひと目を引く。それを切ると言ったのだから。
「ええ…ルドルフは私の長い髪が好きだったのだけど…」
ヒルダは寂しげに言う。
「長い髪はお手入れに時間がかかるし…9月からは大学生になるからこの際、肩に届くくらいまでの長さに切ってしまおうかしら?」
「ヒルダ様…」
(ヒルダ様が髪を伸ばしてらしたのは…ルドルフさんの為だったのね…)
「カミラはどう思う?」
「そうですね…私はヒルダ様の好きなヘアスタイルが好きです」
「そう…。迷うわね…。そうだわ、夕食の席でお兄様にも聞いてみるわ」
ヒルダの言葉にカミラはためらいがちに尋ねた。
「あの…ヒルダ様」
「何?」
「エドガー様の事…どう思われますか?」
「え…?どうって…」
ヒルダは少し考え込む仕草の後、答えた。
「とても頭が良くて、頼りになる方よ。自慢のお兄様だわ」
「そうですか」
(やはりヒルダ様はエドガー様の事を1人の男性としては意識されていないのね…)
「でもカミラ、何故お父様と同じような事を聞くの?」
「え?旦那様もですか?」
カミラは咄嗟にとぼけた。
「ええ。そうよ。以前お父様に尋ねられたことがあるの」
「そうでしたか」
「さて、準備出来たわ。行きましょう」
ヒルダはドレッサーの前にブラシを置くと言った。
「はい、参りましょう」
カミラは笑みを浮かべて返事をした―。
マーガレットはエントランスの前で見送りに来ていたヒルダ達に声を掛けた。
「はい、お母様。行ってらっしゃいませ」
「母上、お気をつけて」
「奥様、行ってらっしゃいませ」
3人は交互にマーガレットに言った。
マーガレットは笑みを浮かべ、素早くカミラに目配せした。カミラはそれを見て小さく頷くのを見届けるとマーガレットは馬車に乗って出掛けて行った。
「ヒルダ、それじゃ夕食の席でまた会おう。これから俺はまだ仕事をしなくてはならないから」
「はい、お兄様」
そしてエドガーは自分の執務室へ向かった。
「ヒルダ様。これからどうされますか?」
カミラが尋ねてきた。
「ええ、そうね。私も実は町に行きたいの。明日『ロータス』に帰るから診療所の人達に『カウベリー』のお土産を買って帰りたいの」
「そうですね、それは良いですね。お供させて頂きます」
「本当?カミラはセンスがいいから一緒に来てくれると助かるわ。それじゃ準備とか色々あるから、今から30分後に部屋まで迎えに来てもらえるかしら?」
「はい、分かりました。では後ほど伺いますね」
そしてヒルダとカミラもそれぞれの部屋へと戻って行った―。
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コンコン
ヒルダの部屋がノックされた。
「ヒルダ様、カミラです」
「あ、どうぞ入って」
ヒルダはちょうどドレッサーの前で髪をとかしている最中だった。
「髪をとかしてらしたのですね?お手伝い致しましょうか?」
「お手伝い致しましょうか?」
「いいえ、大丈夫。1人で出来るから、椅子に座って少し待っていてもらえる」
ヒルダの部屋に置いてある背もたれ付きの椅子を示され、カミラは座るとヒルダの様子をじっと伺った。
ヒルダのウェーブのかかった髪は腰まで長く伸びて太陽の光に照らされてキラキラと輝いている。
(本当にヒルダ様はお美しい方だわ…これなら多くの異性から好意を持たれるのも無理はないかも知れないわ。ルドルフさんにエドガー、フランシスさんにアレン先生…)
その時、ふとヒルダが声を掛けてきた。
「ねぇ、カミラ…」
「はい、何でしょうか?」
「私、髪を切ろうかと思っているのだけど…どう思う?」
「え?髪を…ですか?」
一瞬、カミラは勿体ないと思ってしまった。ヒルダの髪はまるで金糸のような美しい光沢を放つプラチナブロンドである。その髪の美しさだけでも十分にひと目を引く。それを切ると言ったのだから。
「ええ…ルドルフは私の長い髪が好きだったのだけど…」
ヒルダは寂しげに言う。
「長い髪はお手入れに時間がかかるし…9月からは大学生になるからこの際、肩に届くくらいまでの長さに切ってしまおうかしら?」
「ヒルダ様…」
(ヒルダ様が髪を伸ばしてらしたのは…ルドルフさんの為だったのね…)
「カミラはどう思う?」
「そうですね…私はヒルダ様の好きなヘアスタイルが好きです」
「そう…。迷うわね…。そうだわ、夕食の席でお兄様にも聞いてみるわ」
ヒルダの言葉にカミラはためらいがちに尋ねた。
「あの…ヒルダ様」
「何?」
「エドガー様の事…どう思われますか?」
「え…?どうって…」
ヒルダは少し考え込む仕草の後、答えた。
「とても頭が良くて、頼りになる方よ。自慢のお兄様だわ」
「そうですか」
(やはりヒルダ様はエドガー様の事を1人の男性としては意識されていないのね…)
「でもカミラ、何故お父様と同じような事を聞くの?」
「え?旦那様もですか?」
カミラは咄嗟にとぼけた。
「ええ。そうよ。以前お父様に尋ねられたことがあるの」
「そうでしたか」
「さて、準備出来たわ。行きましょう」
ヒルダはドレッサーの前にブラシを置くと言った。
「はい、参りましょう」
カミラは笑みを浮かべて返事をした―。
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