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第2章 9 ルドルフとの記憶
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ヒルダはカミラと共に、一度ホテルに戻ると荷物を整理してチェックアウトを済ませた。
ホテルの外で待たせていた馬車に乗り込むと、すぐにカミラが尋ねて来た。
「ヒルダ様、フィールズ家にはどの位滞在される予定ですか?」
「診療所のアルバイトは3日後だから、今夜泊まったら明日『ロータス』へ戻るわ」
「…そんなに早く戻られるのですか?ご自身の家なのですから、もう少しゆっくり滞在されても…」
カミラが躊躇いがちに言う。
「ええ…だけど…私はあまり『カウベリー』にはいない方がいいと思うの。それに…きっとマルコさんだって私の姿を見るのは…嫌だと思うのよ…」
最後の方は消え入りそうな声だった。
「ヒルダ様…」
ヒルダはずっと気に病んでいた。自分の姿を目の当たりにする事で…ルドルフを亡くしたマルコを傷つけてしまっているのではないかと。ヒルダはずっと自分を責めていた。ルドルフと一切関わりさえしなければ…ルドルフは死ぬことも無く、今も元気に生きていたのだろうと思うと、胸が潰れそうな位、苦しくなってくる。
「分かりました、ヒルダ様がその様におっしゃるのであれば明日『ロータス』へ戻りましょう」
カミラは頷いた。
「ありがとう…」
ヒルダは笑みを浮かべると馬車の外の景色に視線を移した―。
****
「只今戻りました」
荷物を持ってフィールズ家のエントランスに入ると、ハリスとマーガレットが笑顔で出迎えてくれた。
「ヒルダ、疲れただろう?取り敢えずリビングへ行こう」
ハリスの言葉にヒルダは首を振った。
「いいえ、お父様。先に荷物を部屋に置いてから伺います」
「う、うむ…そうか?」
「ヒルダは本当に自立しているわね」
マーガレットは笑みを浮かべた。
「それでは部屋に一度戻ります」
ヒルダは頭を下げると自分の部屋へと向かった。
「カミラ…ヒルダの元気が無いようだが…何かあったのか?」
ハリスはヒルダが去るとカミラに尋ねた。
「少しだけ…ルドルフ様の事を話されていました」
カミラの言葉にマーガレットは悲しげに目を伏せた。
「ヒルダ…やはりまだルドルフが忘れられないのね…」
「うむ…そう言えば…この間、マルコからルドルフがヒルダに宛てて送ろうとしていた手紙が束になって見つかったと言っていた。それを預かっていたのだった。早速ヒルダに渡してやろう」
ハリスの言葉にマーガレットは呆れたように言った。
「まぁ…あなた。そういう大事な事はすぐにヒルダに教えて上げなければ駄目ではありませんか?」
「あぁ…エドガーの結婚のことでバタバタしていたから失念していた。すぐに部屋に取りに行ってこよう」
ハリスはそれだけ言うと、慌ただしく書斎へ向かうために去って行った。
「全く、あの人ったら…」
マーガレットはため息を付くとカミラを見た。
「カミラ、貴女も疲れたでしょう?今日はもう下がっていいわよ」
「はい、奥様。失礼致します」
カミラは丁寧に頭を下げると荷物を持って立ち去って行った。
それを見届けたマーガレットは一足早くリビングへ足を向け、エントランスには誰もいなくなった―。
ホテルの外で待たせていた馬車に乗り込むと、すぐにカミラが尋ねて来た。
「ヒルダ様、フィールズ家にはどの位滞在される予定ですか?」
「診療所のアルバイトは3日後だから、今夜泊まったら明日『ロータス』へ戻るわ」
「…そんなに早く戻られるのですか?ご自身の家なのですから、もう少しゆっくり滞在されても…」
カミラが躊躇いがちに言う。
「ええ…だけど…私はあまり『カウベリー』にはいない方がいいと思うの。それに…きっとマルコさんだって私の姿を見るのは…嫌だと思うのよ…」
最後の方は消え入りそうな声だった。
「ヒルダ様…」
ヒルダはずっと気に病んでいた。自分の姿を目の当たりにする事で…ルドルフを亡くしたマルコを傷つけてしまっているのではないかと。ヒルダはずっと自分を責めていた。ルドルフと一切関わりさえしなければ…ルドルフは死ぬことも無く、今も元気に生きていたのだろうと思うと、胸が潰れそうな位、苦しくなってくる。
「分かりました、ヒルダ様がその様におっしゃるのであれば明日『ロータス』へ戻りましょう」
カミラは頷いた。
「ありがとう…」
ヒルダは笑みを浮かべると馬車の外の景色に視線を移した―。
****
「只今戻りました」
荷物を持ってフィールズ家のエントランスに入ると、ハリスとマーガレットが笑顔で出迎えてくれた。
「ヒルダ、疲れただろう?取り敢えずリビングへ行こう」
ハリスの言葉にヒルダは首を振った。
「いいえ、お父様。先に荷物を部屋に置いてから伺います」
「う、うむ…そうか?」
「ヒルダは本当に自立しているわね」
マーガレットは笑みを浮かべた。
「それでは部屋に一度戻ります」
ヒルダは頭を下げると自分の部屋へと向かった。
「カミラ…ヒルダの元気が無いようだが…何かあったのか?」
ハリスはヒルダが去るとカミラに尋ねた。
「少しだけ…ルドルフ様の事を話されていました」
カミラの言葉にマーガレットは悲しげに目を伏せた。
「ヒルダ…やはりまだルドルフが忘れられないのね…」
「うむ…そう言えば…この間、マルコからルドルフがヒルダに宛てて送ろうとしていた手紙が束になって見つかったと言っていた。それを預かっていたのだった。早速ヒルダに渡してやろう」
ハリスの言葉にマーガレットは呆れたように言った。
「まぁ…あなた。そういう大事な事はすぐにヒルダに教えて上げなければ駄目ではありませんか?」
「あぁ…エドガーの結婚のことでバタバタしていたから失念していた。すぐに部屋に取りに行ってこよう」
ハリスはそれだけ言うと、慌ただしく書斎へ向かうために去って行った。
「全く、あの人ったら…」
マーガレットはため息を付くとカミラを見た。
「カミラ、貴女も疲れたでしょう?今日はもう下がっていいわよ」
「はい、奥様。失礼致します」
カミラは丁寧に頭を下げると荷物を持って立ち去って行った。
それを見届けたマーガレットは一足早くリビングへ足を向け、エントランスには誰もいなくなった―。
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