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2−11 重い荷物
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芝生公園にいたのはレナート様とフランシスカ様、そしてイアソン王子達だった。
「え…?あんなところで何をしているのかしら?」
だけど、様子がおかしい。レナート様と向かい合わせに立っているのはフランシスカ様とイアソン王子。遠目からだからあまり3人の表情は見えないけれども険悪な雰囲気が伝わってくる。
「ひょっとすると、レナート様が町を歩いていた時に一緒にお出かけしていたフランシスカ様とイアソン王子が偶然出会ってしまったのかもしれない。だけど…平民であり、ましてや全くの無関係の私にはどうする事も出来ない。
「フランシスカ様…あんなに素敵な婚約者がいらっしゃるのに…イアソン王子様の方がよいのね…」
ここは見なかったことにして、私は退散したほうが良さそうだ。私はそっとその場を後にした。
芝生公園を後にした私は少しの間町を散策し、ようやく1件の古着屋を見つけた。
「やっと見つけたわ…。安い服が売っていると良いけれども…」
私は扉を開けて店の中へと足を踏み入れた―。
****
約1時間後―
「お、重いわ…」
持参してきた大きな布の袋に先程購入した古着を入れるとかなりの重さになっていた。先程の古着屋は値段がとても安かったので、つい他の季節物の服も合わせて買ってしまったので、かなりの量になってしまったのだ。
その時、木陰の下にベンチがあるのが目に入った。あそこに座って少し休憩しよう。
ドサッ
ベンチに荷物を置くと、私も腰を降ろした。
「ふぅ~…重かったわ…」
ため息を付きながら空を見上げると木々の合間から眩しい太陽がキラキラと輝いて見える。
「いいお天気…」
少しこのベンチで休憩してから寮に帰る事にしよう。そして私はベンチに腰掛け、賑やかな町の様子をじっと眺めていた。
「あれ…?ロザリー?」
不意に背後から声を掛けられた。
「え?」
振り向くとそこにはレナート様が立っていた。
「あ、こ・こんにちは。レナート様」
立ち上がって慌てて頭を下げる。まさか…こんなところで出会うとは思ってもいなかった。先程の件があったので、とっくに寮へ戻っていると思っていたのに…。
「偶然だね。今日も出かけていたんだね」
「はい。買い物がありましたので」
するとレナート様は私の手荷物をチラリと見ると言った。
「ハハハ…確かにすごい量だね。その様子だとお目当ての買い物が出来たようだね?」
「はい、お陰様で良い買い物が出来ました。」
「それは良かったね。それでここで何をしていたんだい?」
「えっと…少し休憩していたんです。町の風景を見ていたくて」
まさか荷物が重くて休んでいましたなんて言い出せなかった。
「そうなのかい?僕はてっきり荷物が重くて休んでいるのかと思ったよ」
「いえ。そんな事はありません。どうぞお気になさらないで下さい」
「うん…分ったよ。それじゃあね」
「はい、ごきげんよう」
レナート様は手を振ると立ちさって行った。
「レナート様…どちらへ出かけられるのかしら…」
けれど私には何も関係は無いし、聞けるような仲でも無い。
「ふぅ…」
せめて私が平民で無ければ…レナート様にフランシスカ様と言う婚約者がいらっしゃらなければ、私とレナート様の関係も変わっただろうか?
「考えてもしょうがないわね…そろそろ行きましょう」
私は立ち上がると、再び重い布袋を抱えて寮へ向かった―。
「え…?あんなところで何をしているのかしら?」
だけど、様子がおかしい。レナート様と向かい合わせに立っているのはフランシスカ様とイアソン王子。遠目からだからあまり3人の表情は見えないけれども険悪な雰囲気が伝わってくる。
「ひょっとすると、レナート様が町を歩いていた時に一緒にお出かけしていたフランシスカ様とイアソン王子が偶然出会ってしまったのかもしれない。だけど…平民であり、ましてや全くの無関係の私にはどうする事も出来ない。
「フランシスカ様…あんなに素敵な婚約者がいらっしゃるのに…イアソン王子様の方がよいのね…」
ここは見なかったことにして、私は退散したほうが良さそうだ。私はそっとその場を後にした。
芝生公園を後にした私は少しの間町を散策し、ようやく1件の古着屋を見つけた。
「やっと見つけたわ…。安い服が売っていると良いけれども…」
私は扉を開けて店の中へと足を踏み入れた―。
****
約1時間後―
「お、重いわ…」
持参してきた大きな布の袋に先程購入した古着を入れるとかなりの重さになっていた。先程の古着屋は値段がとても安かったので、つい他の季節物の服も合わせて買ってしまったので、かなりの量になってしまったのだ。
その時、木陰の下にベンチがあるのが目に入った。あそこに座って少し休憩しよう。
ドサッ
ベンチに荷物を置くと、私も腰を降ろした。
「ふぅ~…重かったわ…」
ため息を付きながら空を見上げると木々の合間から眩しい太陽がキラキラと輝いて見える。
「いいお天気…」
少しこのベンチで休憩してから寮に帰る事にしよう。そして私はベンチに腰掛け、賑やかな町の様子をじっと眺めていた。
「あれ…?ロザリー?」
不意に背後から声を掛けられた。
「え?」
振り向くとそこにはレナート様が立っていた。
「あ、こ・こんにちは。レナート様」
立ち上がって慌てて頭を下げる。まさか…こんなところで出会うとは思ってもいなかった。先程の件があったので、とっくに寮へ戻っていると思っていたのに…。
「偶然だね。今日も出かけていたんだね」
「はい。買い物がありましたので」
するとレナート様は私の手荷物をチラリと見ると言った。
「ハハハ…確かにすごい量だね。その様子だとお目当ての買い物が出来たようだね?」
「はい、お陰様で良い買い物が出来ました。」
「それは良かったね。それでここで何をしていたんだい?」
「えっと…少し休憩していたんです。町の風景を見ていたくて」
まさか荷物が重くて休んでいましたなんて言い出せなかった。
「そうなのかい?僕はてっきり荷物が重くて休んでいるのかと思ったよ」
「いえ。そんな事はありません。どうぞお気になさらないで下さい」
「うん…分ったよ。それじゃあね」
「はい、ごきげんよう」
レナート様は手を振ると立ちさって行った。
「レナート様…どちらへ出かけられるのかしら…」
けれど私には何も関係は無いし、聞けるような仲でも無い。
「ふぅ…」
せめて私が平民で無ければ…レナート様にフランシスカ様と言う婚約者がいらっしゃらなければ、私とレナート様の関係も変わっただろうか?
「考えてもしょうがないわね…そろそろ行きましょう」
私は立ち上がると、再び重い布袋を抱えて寮へ向かった―。
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