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2-13 レナート様の頼み
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少し距離を開けながら私とレナート様は寮に向かって歩いていた。
「フランシスカ様の誕生日なんですね?プレゼントをあげる…それは素晴らしいですね。だけど、私はフランシスカ様の事を何も知りませんので、レナート様のお役には立てないと思います」
けれどレナート様は言った。
「そんな事はないよ。僕は男だから女の子がどんなものが好きなのか、全く見当がつかないけれど…ローザは女の子じゃないか。しかもフランシスカと同じ年齢だし…だから見当がつくんじゃないかな?」
「ですが…」
仮に私の好みでプレゼントを選んでしまい、そのプレゼントがフランシスカ様が気に入らなかったら?レナート様の評価がおちてしまうかもしれない。
「レナート様、やっぱり私では無理です。お力になれません。逆にレナート様の方がお分かりになるのではないですか?フランシスカ様がどのような物を好まれるのか…」
「うん。まぁ、分ることは分るけど…だからと言って自分で選ぶのは失敗しそうだし、一緒に買い物についてきてくれると助かるんだけどな」
レナート様と2人でお出かけ…。そのお誘いはすごく嬉しいけれども…だけど…。
「申し訳ございません。レナート様とやはり2人で出掛ける事は出来ません」
きっぱり断った。
「それは…僕が貴族で君が平民だから?」
少し悲しげな顔でレナート様が尋ねて来る。その表情に私の胸はズキリと痛む。本当は一緒に2人で並んで町を歩きたい。けれど、レナート様には婚約者がいるのだから。
「いいえ…それだけではありません。レナート様にはフランシスカ様と言う素敵な婚約者の方がいらっしゃるではありませんか?もし仮に私と一緒にいる処を見られたら…きっとフランシスカ様は傷つくと思います」
するとレナート様は肩をすくめると言った。
「そうかな…?あまりフランシスカは傷つかないと思うけど…」
「あ…」
余計な事を言ってしまったかもしれない。むしろ…傷ついているのはレナート様の方なのに。だからこそ、尚更フランシスカ様の気に入るプレゼントを買ってあげたいのかも…。だったらやっぱり協力してあげるべきなのかもしれない。2人の距離が縮まるように…。
「分りました」
「え?」
レナート様が振り向いた。
「協力させて頂きます。今日、まだこの後お時間ありますか?」
「う、うん。僕の方は大丈夫だけど…?」
私達は学生寮の前に着いていた。
「荷物、運んで頂き有難うございました。あの…それでは15分程、この場所でお待ち頂けますか?荷物を置いて準備してきますので」
「うん、分ったよ。待ってる」
レナート様の顔に笑みが浮かんだ。待ってる…その言葉に私の胸の鼓動が高まる。
「それでは準備してきますね」
レナート様から荷物を受け取り、抱え上げる様に私は女子寮へ戻った。
2人で出掛ける準備をする為に―。
「フランシスカ様の誕生日なんですね?プレゼントをあげる…それは素晴らしいですね。だけど、私はフランシスカ様の事を何も知りませんので、レナート様のお役には立てないと思います」
けれどレナート様は言った。
「そんな事はないよ。僕は男だから女の子がどんなものが好きなのか、全く見当がつかないけれど…ローザは女の子じゃないか。しかもフランシスカと同じ年齢だし…だから見当がつくんじゃないかな?」
「ですが…」
仮に私の好みでプレゼントを選んでしまい、そのプレゼントがフランシスカ様が気に入らなかったら?レナート様の評価がおちてしまうかもしれない。
「レナート様、やっぱり私では無理です。お力になれません。逆にレナート様の方がお分かりになるのではないですか?フランシスカ様がどのような物を好まれるのか…」
「うん。まぁ、分ることは分るけど…だからと言って自分で選ぶのは失敗しそうだし、一緒に買い物についてきてくれると助かるんだけどな」
レナート様と2人でお出かけ…。そのお誘いはすごく嬉しいけれども…だけど…。
「申し訳ございません。レナート様とやはり2人で出掛ける事は出来ません」
きっぱり断った。
「それは…僕が貴族で君が平民だから?」
少し悲しげな顔でレナート様が尋ねて来る。その表情に私の胸はズキリと痛む。本当は一緒に2人で並んで町を歩きたい。けれど、レナート様には婚約者がいるのだから。
「いいえ…それだけではありません。レナート様にはフランシスカ様と言う素敵な婚約者の方がいらっしゃるではありませんか?もし仮に私と一緒にいる処を見られたら…きっとフランシスカ様は傷つくと思います」
するとレナート様は肩をすくめると言った。
「そうかな…?あまりフランシスカは傷つかないと思うけど…」
「あ…」
余計な事を言ってしまったかもしれない。むしろ…傷ついているのはレナート様の方なのに。だからこそ、尚更フランシスカ様の気に入るプレゼントを買ってあげたいのかも…。だったらやっぱり協力してあげるべきなのかもしれない。2人の距離が縮まるように…。
「分りました」
「え?」
レナート様が振り向いた。
「協力させて頂きます。今日、まだこの後お時間ありますか?」
「う、うん。僕の方は大丈夫だけど…?」
私達は学生寮の前に着いていた。
「荷物、運んで頂き有難うございました。あの…それでは15分程、この場所でお待ち頂けますか?荷物を置いて準備してきますので」
「うん、分ったよ。待ってる」
レナート様の顔に笑みが浮かんだ。待ってる…その言葉に私の胸の鼓動が高まる。
「それでは準備してきますね」
レナート様から荷物を受け取り、抱え上げる様に私は女子寮へ戻った。
2人で出掛ける準備をする為に―。
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