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2-20 フランシスカ様の悩み
フランシスカ様の悩み…。一体侯爵令嬢の悩みとはどんな悩みなのだろう…?
「あの、差し支えなければどのような悩みなのか話して頂けますか?あ、別に無理にとは言いません。ただ、誰かに胸の内を話せば気分も少しは落ち着くのかと思いまして…」
何とか言葉を探して、失礼の無い言い回しをする。フランシスカ様は少しの間、考え込む素振りをしていたが、すぐに口を開いた。
「そうね、誰かに話せばすっきりするかもね。それに貴女になら話しても問題は無さそうだし」
問題は無い…。
それはきっと私が貴族では無いからだろう。
「それではどのような悩みなのでしょうか?」
「ええ、実は…政略結婚についての悩みなのよ」
「政略結婚…」
レナート様の事だ。
「私には子供の頃から親によって決められた婚約者がいるの。彼の名前はレナート・ブランシュ。…知っているかしら?」
「はい、勿論です。クラスメイトですから」
それにフランシスカ様の事をどれ程好きなのかという事も知っている。
「そう。クラスメイトだったのね…。なら分かるわよね?彼がどれ程正義感の強い人で、優しい人かも…」
「そうですね。分ります。新学期早々に貴族の男子学生と平民の男子学生がトラブルになった時、真っ先に仲裁に入られましたから。それに…実は私も助けられたことがあるんです。入学式の前日に」
「まぁ、そうだったの?一体何があったのかしら?」
「はい、実は女子寮付近で3人の貴族男子学生達に絡まれていたところを助けて頂いたのです」
「彼…本当に正義感が強くて優しい人でしょう?」
フランシスカ様が尋ねてくる。
「ええ、そう思います」
仮にも婚約者であるフランシスカ様の前で同意していいのかどうか迷ったけれども私は頷いた。けれど、次の言葉に私は驚くことになる。
「だから…嫌なの」
「え?」
今、何て…?
私は思わずフランシスカ様の顔を見つめた。フランシスカ様は、ただ黙って前を見つめている。一体、何を見つめているのだろうか…?
「あ、あの…フランシスカ様?今のは一体どういう意味なのでしょうか…?」
「私とレナートは生まれた時から許嫁同士だったの。小さかった頃は、私は彼の事が好きだったわ。だけど…ある事がきっかけで私はレナートが嫌になってしまったの」
「ある事…?」
一体何があったのだろう?
「彼の正義感が強すぎたばかりに、ちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまって…私も巻き添えになってしまったのよ」
「フランシスカ様…」
しかし、それ以上の事はフランシスカ様は口を閉ざして話そうとしてくれない。
「それで、私は婚約を破棄してもらいたいと訴えたのだけど…レナートと私では身分に違いがあるわ。当然私の申し入れなんか却下よ」
「…」
私は何と言って声を掛ければよいのか分からず、黙って話を聞いている。
「せめて、あの過剰なまでの正義感を改めてくれればいいのに、レナートは成長するにしたがってますます正義感が強くなっていったわ。だから私は彼から距離を置くようになったの」
「それで…イアソン王子と…?」
「え?」
フランシスカ様が驚いたように振り返る。
「あ…す、すみません。イアソン王子もクラスメイトですので…」
「そうね。私…イアソン王子が好きなの。だって彼はレナートとは全く違うもの…」
そう言うと、フランシスカ様は頬を赤らめた―。
「あの、差し支えなければどのような悩みなのか話して頂けますか?あ、別に無理にとは言いません。ただ、誰かに胸の内を話せば気分も少しは落ち着くのかと思いまして…」
何とか言葉を探して、失礼の無い言い回しをする。フランシスカ様は少しの間、考え込む素振りをしていたが、すぐに口を開いた。
「そうね、誰かに話せばすっきりするかもね。それに貴女になら話しても問題は無さそうだし」
問題は無い…。
それはきっと私が貴族では無いからだろう。
「それではどのような悩みなのでしょうか?」
「ええ、実は…政略結婚についての悩みなのよ」
「政略結婚…」
レナート様の事だ。
「私には子供の頃から親によって決められた婚約者がいるの。彼の名前はレナート・ブランシュ。…知っているかしら?」
「はい、勿論です。クラスメイトですから」
それにフランシスカ様の事をどれ程好きなのかという事も知っている。
「そう。クラスメイトだったのね…。なら分かるわよね?彼がどれ程正義感の強い人で、優しい人かも…」
「そうですね。分ります。新学期早々に貴族の男子学生と平民の男子学生がトラブルになった時、真っ先に仲裁に入られましたから。それに…実は私も助けられたことがあるんです。入学式の前日に」
「まぁ、そうだったの?一体何があったのかしら?」
「はい、実は女子寮付近で3人の貴族男子学生達に絡まれていたところを助けて頂いたのです」
「彼…本当に正義感が強くて優しい人でしょう?」
フランシスカ様が尋ねてくる。
「ええ、そう思います」
仮にも婚約者であるフランシスカ様の前で同意していいのかどうか迷ったけれども私は頷いた。けれど、次の言葉に私は驚くことになる。
「だから…嫌なの」
「え?」
今、何て…?
私は思わずフランシスカ様の顔を見つめた。フランシスカ様は、ただ黙って前を見つめている。一体、何を見つめているのだろうか…?
「あ、あの…フランシスカ様?今のは一体どういう意味なのでしょうか…?」
「私とレナートは生まれた時から許嫁同士だったの。小さかった頃は、私は彼の事が好きだったわ。だけど…ある事がきっかけで私はレナートが嫌になってしまったの」
「ある事…?」
一体何があったのだろう?
「彼の正義感が強すぎたばかりに、ちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまって…私も巻き添えになってしまったのよ」
「フランシスカ様…」
しかし、それ以上の事はフランシスカ様は口を閉ざして話そうとしてくれない。
「それで、私は婚約を破棄してもらいたいと訴えたのだけど…レナートと私では身分に違いがあるわ。当然私の申し入れなんか却下よ」
「…」
私は何と言って声を掛ければよいのか分からず、黙って話を聞いている。
「せめて、あの過剰なまでの正義感を改めてくれればいいのに、レナートは成長するにしたがってますます正義感が強くなっていったわ。だから私は彼から距離を置くようになったの」
「それで…イアソン王子と…?」
「え?」
フランシスカ様が驚いたように振り返る。
「あ…す、すみません。イアソン王子もクラスメイトですので…」
「そうね。私…イアソン王子が好きなの。だって彼はレナートとは全く違うもの…」
そう言うと、フランシスカ様は頬を赤らめた―。
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