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4-11 僕のせいじゃないから
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待ち合わせ場所に到着すると、既にレナート様はベンチに座って待っていた。
「すみません、お待たせしました」
そしていつもの様にベンチの端に腰かける。するとレナート様が私の方を見る事も無く話掛けて来た。
「この間ね、フランシスカの誕生祝としてレストランへ誘ったんだよ」
「そうなんですか?」
「そうしたら…フランシスカは僕の誘いを受けてくれたんだ。初めてだったからとても嬉しかったよ。その後、2人でレストランへ行って食事して…本当に楽しかった」
レナート様は幸せそうな笑みを浮かべて言う。
「それは…良かったですね」
ズキズキする胸の痛みを隠しながら私は笑顔で返事をする。しかし、次の瞬間それまでの笑顔からレナート様の態度が一変する。
「楽しかったけど…寮へ戻ってきた時…それがぶち壊しになってしまった…」
「え?」
その言葉にドキリとする。
「ぶ、ぶち壊しって…?」
「そう。君がぶち壊したんだよ」
レナート様は冷たい視線で私を見た。
心臓がドキドキ鳴って胸が苦しくなってくる。
「わ、私…が…?」
「そう、君がね」
まさか…あの場でレナート様とフランシスカ様に出会ってしまったから…?!
「も、申し訳ございません!ま、まさか…あの場にお2人がいらっしゃるとは思わずに…!」
私は慌てて頭を下げて謝罪した。
「そんな言葉はいらないよ。何故君はあんな時間にあの場にいたんだい?星を見ていて時間を忘れていたと言っていたけど…何であんな見え透いた嘘をついたの?純粋なフランシスカは騙せたみたいだけど、僕はそんな嘘には騙されないよ」
「レ、レナート様…」
まさか…レナート様は私との約束を忘れてそんな言い方を…?するとレナート様は何かに気付いたかのように言った。
「あ…ひょっとして、君は僕をずっと待っていたのかな?あの時間まで…それで
僕が来ないから寮に戻ろうとして、あそこで偶然を装って待っていたのかい?」
「そ、そんな偶然を装ってなど…!」
そこまで言いかけて私は気付いた。これが誘導尋問であったと言う事に。
「そうか、やっぱり星を眺めていたのは嘘だったんだね。そして君は来るはずもない僕をずっとあの場所で待っていた…」
もうこれ以上ごまかす事は出来なかった。だけど来るはずもないと言う言葉は私を傷つけるには、十分だった。思わず目に涙が浮かびそうになるも必死で堪えた。
「はい…その通りです…」
力なく頷くとレナート様はため息をついた。
「僕がどれ程フランシスカの事を大事に思っているかは前にも説明しているよね?」
「は、はい…」
返事をする声が震えてしまう。
「僕はフランシスカの事を第一優先に考えているんだ。彼女の幸せが僕の幸せだからね。それなのに…君はフランシスカの好きな男性を奪って、彼女を悲しませようとしている。そんな人物を僕が許せるはずないだろう?だから当然約束の場にも行かなかった。それなのに、君は僕が来るかもしれないと思ってずっと待っていたのかい?」
「はい…も、申し訳ございません…」
「それで風邪を引いたんだね?」
「い、いえ。そうい事では無い…と思います」
「うん。そうだよね。それで風邪を引いたのは僕の責任じゃないし。全く…イアソン王子には困ったよ。君が風邪を引いたのは僕のせいなんじゃないかと責めてくるんだから」
レナート様の言葉に耳を疑った。
「え…?」
「僕が言いたいことはそれだけだよ。じゃあ僕はもう行くよ。出来れば…君の方からイアソン王子の誤解を解いてもらえると助かるな」
レナート様はその言葉だけ言い残すとその場を立ち去って行った―。
「すみません、お待たせしました」
そしていつもの様にベンチの端に腰かける。するとレナート様が私の方を見る事も無く話掛けて来た。
「この間ね、フランシスカの誕生祝としてレストランへ誘ったんだよ」
「そうなんですか?」
「そうしたら…フランシスカは僕の誘いを受けてくれたんだ。初めてだったからとても嬉しかったよ。その後、2人でレストランへ行って食事して…本当に楽しかった」
レナート様は幸せそうな笑みを浮かべて言う。
「それは…良かったですね」
ズキズキする胸の痛みを隠しながら私は笑顔で返事をする。しかし、次の瞬間それまでの笑顔からレナート様の態度が一変する。
「楽しかったけど…寮へ戻ってきた時…それがぶち壊しになってしまった…」
「え?」
その言葉にドキリとする。
「ぶ、ぶち壊しって…?」
「そう。君がぶち壊したんだよ」
レナート様は冷たい視線で私を見た。
心臓がドキドキ鳴って胸が苦しくなってくる。
「わ、私…が…?」
「そう、君がね」
まさか…あの場でレナート様とフランシスカ様に出会ってしまったから…?!
「も、申し訳ございません!ま、まさか…あの場にお2人がいらっしゃるとは思わずに…!」
私は慌てて頭を下げて謝罪した。
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「レ、レナート様…」
まさか…レナート様は私との約束を忘れてそんな言い方を…?するとレナート様は何かに気付いたかのように言った。
「あ…ひょっとして、君は僕をずっと待っていたのかな?あの時間まで…それで
僕が来ないから寮に戻ろうとして、あそこで偶然を装って待っていたのかい?」
「そ、そんな偶然を装ってなど…!」
そこまで言いかけて私は気付いた。これが誘導尋問であったと言う事に。
「そうか、やっぱり星を眺めていたのは嘘だったんだね。そして君は来るはずもない僕をずっとあの場所で待っていた…」
もうこれ以上ごまかす事は出来なかった。だけど来るはずもないと言う言葉は私を傷つけるには、十分だった。思わず目に涙が浮かびそうになるも必死で堪えた。
「はい…その通りです…」
力なく頷くとレナート様はため息をついた。
「僕がどれ程フランシスカの事を大事に思っているかは前にも説明しているよね?」
「は、はい…」
返事をする声が震えてしまう。
「僕はフランシスカの事を第一優先に考えているんだ。彼女の幸せが僕の幸せだからね。それなのに…君はフランシスカの好きな男性を奪って、彼女を悲しませようとしている。そんな人物を僕が許せるはずないだろう?だから当然約束の場にも行かなかった。それなのに、君は僕が来るかもしれないと思ってずっと待っていたのかい?」
「はい…も、申し訳ございません…」
「それで風邪を引いたんだね?」
「い、いえ。そうい事では無い…と思います」
「うん。そうだよね。それで風邪を引いたのは僕の責任じゃないし。全く…イアソン王子には困ったよ。君が風邪を引いたのは僕のせいなんじゃないかと責めてくるんだから」
レナート様の言葉に耳を疑った。
「え…?」
「僕が言いたいことはそれだけだよ。じゃあ僕はもう行くよ。出来れば…君の方からイアソン王子の誤解を解いてもらえると助かるな」
レナート様はその言葉だけ言い残すとその場を立ち去って行った―。
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