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4-13 耐え切れない言葉
どの位眠っていたのだろうか…。人の話し声でふと、私は目が覚めた。
「…人は見かけによらないって言うけど…本当にお前は最低な人間だったんだな」
カーテン越しから声が聞こえて来る。それは何処かで聞覚えのある声だった。
あの声は…?
熱のせいでぼんやりする頭で考えた。
「…どういう意味ですか?イアソン王子」
その声で私は一気に目が覚めた。あれは…レナート様の声だ。このカーテンの向こう側にレナート様とイアソン王子が一緒にいるんだ。
「言葉通りの意味だ。お前、フランシスカと出掛けた時…本当は待ち合わせしてたんじゃないのか?ロザリーと。そうでなきゃあんな寒空で薄着で出会うはずないだろ?」
「ええ。確かに…待ち合わせはしましたけど…気が変わったんですよ。だから行くのをやめたんです。大体あの人物だって時間通りに来なければ、来るはずないと思わないんでしょうか?」
レナート様…。
その言い回しに…何処かさげすまれているような気持になって、私は暗い気持ちに取りつかれる。
「あの人物?一体誰の事を言ってるんだ?」
イアソン王子の言葉の後、少しの間があってレナート様の声が聞こえてくる。
「名前は…口にしたくありません」
「!」
その言葉に思わずビクリとしてしまう。やっぱりレナート様は…私の名前を呼びたくない程に嫌悪しているんだ。
「名前を呼びたくない…つまりそれ程お前はロザリーの事が嫌なのか?」
「…ええ、そうです。正直、もう関わりたくない人物です」
「…」
その言葉に再び私の目に涙が浮かぶ。悲しくて辛くて声が漏れそうになってしまう。でも駄目。だってこのカーテンのすぐ向こうにはレナート様とイアソン王子がいるのだから。私はここで、眠っていることになっている。だから2人の話を聞いていることを気付かれてはいけない。
「何故だ?お前…あんなにロザリーと親しげだったじゃないか?なのに何故急に手の平を返したかのよう冷たくなった?」
「…レナート王子のせいでもあるんですよ?僕こんな態度を取らせる様になったのは」
その声はとても冷たいものだった。
「俺の?何故だ」
「僕は…フランシスカが好きです。世界中で誰よりも。子供の頃からずっと彼女だけを愛してきました。」
「…」
もうこれ以上傷つくことは無いと思ってたのに、レナート様のフランシスカ様への思いを聞くだけで…胸が痛くなる。
「何が言いたいんだ?」
「フランシスカが僕の事をどう思っているのかは別として…僕たちは20歳になったら結婚する事になっています。だからそれまでは自由にしてあげたいと思っているんです。恋愛も…。僕の幸せは彼女の幸せですから。だからフランシスカがイアソン王子とデートをしても彼女が楽しそうにしているなら、それでいいんです。だけど…愛する女性の笑顔を奪う者は誰であろうと許せません。まして彼女の好きな相手を奪おうとする存在は…」
それはぞっとする位冷たい声だった。
「お前…一体何考えているんだ?本気でそんな事言っているのか?」
「イアソン王子…貴方はあの人物とこの間の夜、デートしてましたよね?」
「何?デートだって?いや、違う。あれはそんなんじゃない」
「でも抱き合っていましたよね?デートでも無いのに、普通そんな事しますか?」
抱き合っていた…?レナート様にはそう見えたのだろうか?
「いや、あれは俺が一方的にロザリーを呼び出して、抱きしめただけだ」
「どっちだっていいんですよ。そんな事は」
「何?」
イアソン王子の声に苛立ちが混じる。
「要はあの姿を見ればフランシスカが傷付くって事です。あの人物はフランシスカが貴方の事を好きなのを知っていながら誘いに乗ったのですから。…酷い裏切りだ。人として…どうかと思いますよ」
「!」
レナート様の放ったその言葉が…もう私には耐え切れなかった―。
「…人は見かけによらないって言うけど…本当にお前は最低な人間だったんだな」
カーテン越しから声が聞こえて来る。それは何処かで聞覚えのある声だった。
あの声は…?
熱のせいでぼんやりする頭で考えた。
「…どういう意味ですか?イアソン王子」
その声で私は一気に目が覚めた。あれは…レナート様の声だ。このカーテンの向こう側にレナート様とイアソン王子が一緒にいるんだ。
「言葉通りの意味だ。お前、フランシスカと出掛けた時…本当は待ち合わせしてたんじゃないのか?ロザリーと。そうでなきゃあんな寒空で薄着で出会うはずないだろ?」
「ええ。確かに…待ち合わせはしましたけど…気が変わったんですよ。だから行くのをやめたんです。大体あの人物だって時間通りに来なければ、来るはずないと思わないんでしょうか?」
レナート様…。
その言い回しに…何処かさげすまれているような気持になって、私は暗い気持ちに取りつかれる。
「あの人物?一体誰の事を言ってるんだ?」
イアソン王子の言葉の後、少しの間があってレナート様の声が聞こえてくる。
「名前は…口にしたくありません」
「!」
その言葉に思わずビクリとしてしまう。やっぱりレナート様は…私の名前を呼びたくない程に嫌悪しているんだ。
「名前を呼びたくない…つまりそれ程お前はロザリーの事が嫌なのか?」
「…ええ、そうです。正直、もう関わりたくない人物です」
「…」
その言葉に再び私の目に涙が浮かぶ。悲しくて辛くて声が漏れそうになってしまう。でも駄目。だってこのカーテンのすぐ向こうにはレナート様とイアソン王子がいるのだから。私はここで、眠っていることになっている。だから2人の話を聞いていることを気付かれてはいけない。
「何故だ?お前…あんなにロザリーと親しげだったじゃないか?なのに何故急に手の平を返したかのよう冷たくなった?」
「…レナート王子のせいでもあるんですよ?僕こんな態度を取らせる様になったのは」
その声はとても冷たいものだった。
「俺の?何故だ」
「僕は…フランシスカが好きです。世界中で誰よりも。子供の頃からずっと彼女だけを愛してきました。」
「…」
もうこれ以上傷つくことは無いと思ってたのに、レナート様のフランシスカ様への思いを聞くだけで…胸が痛くなる。
「何が言いたいんだ?」
「フランシスカが僕の事をどう思っているのかは別として…僕たちは20歳になったら結婚する事になっています。だからそれまでは自由にしてあげたいと思っているんです。恋愛も…。僕の幸せは彼女の幸せですから。だからフランシスカがイアソン王子とデートをしても彼女が楽しそうにしているなら、それでいいんです。だけど…愛する女性の笑顔を奪う者は誰であろうと許せません。まして彼女の好きな相手を奪おうとする存在は…」
それはぞっとする位冷たい声だった。
「お前…一体何考えているんだ?本気でそんな事言っているのか?」
「イアソン王子…貴方はあの人物とこの間の夜、デートしてましたよね?」
「何?デートだって?いや、違う。あれはそんなんじゃない」
「でも抱き合っていましたよね?デートでも無いのに、普通そんな事しますか?」
抱き合っていた…?レナート様にはそう見えたのだろうか?
「いや、あれは俺が一方的にロザリーを呼び出して、抱きしめただけだ」
「どっちだっていいんですよ。そんな事は」
「何?」
イアソン王子の声に苛立ちが混じる。
「要はあの姿を見ればフランシスカが傷付くって事です。あの人物はフランシスカが貴方の事を好きなのを知っていながら誘いに乗ったのですから。…酷い裏切りだ。人として…どうかと思いますよ」
「!」
レナート様の放ったその言葉が…もう私には耐え切れなかった―。
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