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4−16 私からのお願い
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「何故だ?レナートは公爵家の人間で、あいつより爵位が高いのはこの学園で俺しかいない。あいつに意見出来る人間は俺しかいないんだぞ?ましてロザリーは平民だろう?一番弱い立場に置かれ、さらにレナートから傷つけられてもいいのか?」
「ですが…イアソン王子が私に構えば構うほど…レナート様はますます私を憎しみの目で見るかも…しれませんよね?」
ハンカチで溢れ出しそうになる涙を押さえながら私は言った。
「それは確かにそうかもしれないが…だけど、ロザリーは本当にそれでいいのか?今だって…こんなに泣いてボロボロじゃないか」
イアソン王子は私のことを本当に心配しているようにみえた。
「い、いいんです…。どうか…お願いです。私の為を思って下さるなら…そっとして置いて下さい。そして出来れば…もう私に関わらないで頂けないでしょうか?もうこれ以上…レナート様に恨まれたくはないのです…。フランシスカ様にも…そう伝えて下さい…。きっとレナート様は…私がフランシスカ様の側にいるのを…嫌がるでしょうから…お願い致します…」
私はベッドの上で深々と頭を下げた。
「ロ、ロザリー…」
イアソン王子が私の名を呼び…やがて深いため息をつくと言った。
「分かった…フランシスカにもそう告げておくが…」
イアソン王子は一旦言葉を切ると言った。
「今の話をフランシスカに告げ…それでも仮にロザリーに近づこうとしても俺は彼女を止めないからな」
「え…?」
「当然だ。俺にはフランシスカを止める権利が無いからだ。仮に彼女が近づいてきて…迷惑に感じるなら自分でその事を告げるんだな。だけど…俺は言葉通りにするよ。ロザーが近づかないで貰いたいって言うなら…そうする」
「…ありがとうございます。イアソン王子」
「まだ熱がありそうだな。…今保険医はいないけど…まだ休んでいたほうがいいかもな。お大事に」
「はい」
返事をすると、イアソン王子はカーテンをしめて保健室を出ていった―。
「ふぅ…」
熱のある身体で再びベッドに横たわると、私は目を閉じた。
『まだ休んでいたほうがいいかもな』
イアソン王子の言葉が耳に残っている。
「そうね…まだ少し休んでいたほうが…いい…かも…」
そしてそのまま私は眠りについた―。
****
「ロザリー…大丈夫…?もう放課後よ…」
誰かの声が直ぐそばで聞こえてきた。
「ん…」
ゆっくり目を開けると、そこには心配そうに私を覗き込むアニータの姿がそこにあった。
「あ…アニータ…」
「大丈夫?ロザリー。もう…放課後なんだけど…貴女のカバンを持ってきたわ」
「あ、ありがとう…」
ベッドに手をついて起き上がろうとするとアニータが支えてくれた。
「大丈夫?寮に戻れそう?」
「え、ええ…多分…」
「手を貸しましょうか?」
「で、でも…風邪をうつしたりしたらいけないから…1人で歩くわ」
私の言葉にアニータは少し戸惑ったようを見せた。
「そう…?ならせめて荷物だけでも持っていってあげる」
「ありがとう、アニータ」
「いいのよ、さ、行きましょう」
そして2人で保健室を後にした―。
「ですが…イアソン王子が私に構えば構うほど…レナート様はますます私を憎しみの目で見るかも…しれませんよね?」
ハンカチで溢れ出しそうになる涙を押さえながら私は言った。
「それは確かにそうかもしれないが…だけど、ロザリーは本当にそれでいいのか?今だって…こんなに泣いてボロボロじゃないか」
イアソン王子は私のことを本当に心配しているようにみえた。
「い、いいんです…。どうか…お願いです。私の為を思って下さるなら…そっとして置いて下さい。そして出来れば…もう私に関わらないで頂けないでしょうか?もうこれ以上…レナート様に恨まれたくはないのです…。フランシスカ様にも…そう伝えて下さい…。きっとレナート様は…私がフランシスカ様の側にいるのを…嫌がるでしょうから…お願い致します…」
私はベッドの上で深々と頭を下げた。
「ロ、ロザリー…」
イアソン王子が私の名を呼び…やがて深いため息をつくと言った。
「分かった…フランシスカにもそう告げておくが…」
イアソン王子は一旦言葉を切ると言った。
「今の話をフランシスカに告げ…それでも仮にロザリーに近づこうとしても俺は彼女を止めないからな」
「え…?」
「当然だ。俺にはフランシスカを止める権利が無いからだ。仮に彼女が近づいてきて…迷惑に感じるなら自分でその事を告げるんだな。だけど…俺は言葉通りにするよ。ロザーが近づかないで貰いたいって言うなら…そうする」
「…ありがとうございます。イアソン王子」
「まだ熱がありそうだな。…今保険医はいないけど…まだ休んでいたほうがいいかもな。お大事に」
「はい」
返事をすると、イアソン王子はカーテンをしめて保健室を出ていった―。
「ふぅ…」
熱のある身体で再びベッドに横たわると、私は目を閉じた。
『まだ休んでいたほうがいいかもな』
イアソン王子の言葉が耳に残っている。
「そうね…まだ少し休んでいたほうが…いい…かも…」
そしてそのまま私は眠りについた―。
****
「ロザリー…大丈夫…?もう放課後よ…」
誰かの声が直ぐそばで聞こえてきた。
「ん…」
ゆっくり目を開けると、そこには心配そうに私を覗き込むアニータの姿がそこにあった。
「あ…アニータ…」
「大丈夫?ロザリー。もう…放課後なんだけど…貴女のカバンを持ってきたわ」
「あ、ありがとう…」
ベッドに手をついて起き上がろうとするとアニータが支えてくれた。
「大丈夫?寮に戻れそう?」
「え、ええ…多分…」
「手を貸しましょうか?」
「で、でも…風邪をうつしたりしたらいけないから…1人で歩くわ」
私の言葉にアニータは少し戸惑ったようを見せた。
「そう…?ならせめて荷物だけでも持っていってあげる」
「ありがとう、アニータ」
「いいのよ、さ、行きましょう」
そして2人で保健室を後にした―。
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