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5-11 手土産
賭け…。
その言葉に動揺する。確かに、この学園に入学するまでは淡い期待に胸を躍らせていた。けれども入学してから、過酷な現実を目の当たりにして打ちのめされた。
気づけば私は口を開いていた。
「賭けは…もういいんです」
「ロザリー様…?」
ノーラさんが怪訝そうに首を傾げる。
「ええ、私はあの学園で3年間しっかり学び…そして嫁ぎますから…」
「ロザリー様…」
そして私は馬車から外を眺めると言った。
「ユーグ様には感謝しています。学問とは無縁だった私をこんなに一流名門学園に入学させてくれたのですから」
本心とは裏腹の言葉を言っているのは自覚していた。そして私の胸の内をノーラさんに知られているのも。
ユーグ様の元へ嫁ぐにはそれなりの学歴も必要だった。その為に私はこの学園に入学させられたのだ。
そこにはある一つの賭けも含まれて。
でも、もう勝敗は見えてしまった。私はユーグ様との賭けに負けて、この学園を卒業すると同時に嫁ぐ事になるのだから―。
****
「まぁ…!10万ダルクも…!」
カトリーヌさんはノーラさんからお花代を受け取って驚いた。実際のお花代金は8万ダルクだったのに、ユーグ様からの指示でノーラさんは2万ダルクも上乗せしてお金を支払ってきたのだから。
「ええ、ご主人様からその様に言い使っておりますので」
「で、ですが…」
「いいえ、ご主人様は大変お喜びでした。ほんの気持ちだからと話されていました。なので、どうかお受け取り下さい」
「わ、分かりました…、それではありがたく頂戴致します…」
カトリーヌさんは恐縮しながらもお金を受け取った。
「ありがとうございましたー」
馬車に乗り込んだノーラさんを笑顔で見送るカトリーヌさん。そして馬車が見えなくなるとカトリーヌさんは私を振り返った。
「ありがとう、ロザリー。あのお客様はきっと貴女の事を気に入ってお花を買ってくれたのね?感謝するわ。お礼に今日のアルバイト代は少し上乗せしてあげるからね?」
「本当ですか?ありがとうございます」
笑顔で私は頭を下げた。
「さて、それじゃお花の水やりお願いしようかしら?」
「はい」
そして私は再び仕事を再開した―。
****
17時―
アルバイトの退勤時間になった。店の奥にある準備室で帰り支度をしているとカトリーヌさんが声を掛けてきた。
「ロザリー」
「はい」
返事をして振り返ると、そこにはバスケットを手にしたカトリーヌさんが立っていた。
「はい、これ…よかったら夜の食事代わりに食べて?」
「え…?頂いていいんですか?」
「ええ、勿論よ。ベーコンポテトパイとミートパイが入っているわ」
「ありがとうございます…。寮は学校がお休みの日は食事が提供されないので本当に嬉しいです」
バスケットを胸に抱きしめると私はお礼を述べた。
「フフ…今日はロザリーのお陰でお店が儲かったしね。それじゃ気をつけて帰ってね?」
「はい、また明日宜しくお願い致します」
そして薄暗くなった町を寮目指して歩き始めた―。
その言葉に動揺する。確かに、この学園に入学するまでは淡い期待に胸を躍らせていた。けれども入学してから、過酷な現実を目の当たりにして打ちのめされた。
気づけば私は口を開いていた。
「賭けは…もういいんです」
「ロザリー様…?」
ノーラさんが怪訝そうに首を傾げる。
「ええ、私はあの学園で3年間しっかり学び…そして嫁ぎますから…」
「ロザリー様…」
そして私は馬車から外を眺めると言った。
「ユーグ様には感謝しています。学問とは無縁だった私をこんなに一流名門学園に入学させてくれたのですから」
本心とは裏腹の言葉を言っているのは自覚していた。そして私の胸の内をノーラさんに知られているのも。
ユーグ様の元へ嫁ぐにはそれなりの学歴も必要だった。その為に私はこの学園に入学させられたのだ。
そこにはある一つの賭けも含まれて。
でも、もう勝敗は見えてしまった。私はユーグ様との賭けに負けて、この学園を卒業すると同時に嫁ぐ事になるのだから―。
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「まぁ…!10万ダルクも…!」
カトリーヌさんはノーラさんからお花代を受け取って驚いた。実際のお花代金は8万ダルクだったのに、ユーグ様からの指示でノーラさんは2万ダルクも上乗せしてお金を支払ってきたのだから。
「ええ、ご主人様からその様に言い使っておりますので」
「で、ですが…」
「いいえ、ご主人様は大変お喜びでした。ほんの気持ちだからと話されていました。なので、どうかお受け取り下さい」
「わ、分かりました…、それではありがたく頂戴致します…」
カトリーヌさんは恐縮しながらもお金を受け取った。
「ありがとうございましたー」
馬車に乗り込んだノーラさんを笑顔で見送るカトリーヌさん。そして馬車が見えなくなるとカトリーヌさんは私を振り返った。
「ありがとう、ロザリー。あのお客様はきっと貴女の事を気に入ってお花を買ってくれたのね?感謝するわ。お礼に今日のアルバイト代は少し上乗せしてあげるからね?」
「本当ですか?ありがとうございます」
笑顔で私は頭を下げた。
「さて、それじゃお花の水やりお願いしようかしら?」
「はい」
そして私は再び仕事を再開した―。
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17時―
アルバイトの退勤時間になった。店の奥にある準備室で帰り支度をしているとカトリーヌさんが声を掛けてきた。
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「はい」
返事をして振り返ると、そこにはバスケットを手にしたカトリーヌさんが立っていた。
「はい、これ…よかったら夜の食事代わりに食べて?」
「え…?頂いていいんですか?」
「ええ、勿論よ。ベーコンポテトパイとミートパイが入っているわ」
「ありがとうございます…。寮は学校がお休みの日は食事が提供されないので本当に嬉しいです」
バスケットを胸に抱きしめると私はお礼を述べた。
「フフ…今日はロザリーのお陰でお店が儲かったしね。それじゃ気をつけて帰ってね?」
「はい、また明日宜しくお願い致します」
そして薄暗くなった町を寮目指して歩き始めた―。
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