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6−2 夜の訪問者
その日の夕方にナタリーは他の大勢の寮生達と一緒に寮を出て行った。そしていつものように、寮に残されたのは私一人となった。
夕食後…1人、誰もいない部屋で荷造りをしていると窓をコツコツと叩く音が聞こえてきた。
「え?誰かしら…?」
窓に近づきカーテンを開けた時、私は息が止まりそうになってしまった。そこに立っていたのはレナート様だったのだ。
な、何故レナート様が…?
ドキドキする胸を押さえながら私は窓に近付き、そっと開けた。
「こんばんは、ロザリー」
レナート様が笑顔で挨拶してきた。
「は、はい。こんばんは…」
緊張気味に返事をするとレナート様が申し訳無さげに言った。
「ごめん…本当はイアソン王子やフランシスカからロザリーには近付くなと釘をさされていたのだけど…どうしても聞きたいことがあって…」
「聞きたいこと…ですか?」
「うん。ロザリーは明日、寮を出るんだよね?」
「は、はい。そうです…」
「それで…どっちへ行くの?」
「え?」
レナート様の言葉の意味が分からず、首を傾げた。
「明日からの長期休暇…ロザリーは実家に帰るの?それとも大公家の所へ行くの?」
「そ、それは…」
するとレナート様は目を伏せると言った。
「…ごめん。本当は僕がこんな事ロザリーに尋ねる資格が無いのは知っているし、大公にはロザリーには関わるなと言われていたけど…気になって…」
「気に…なる?」
どうしてそんな事を言ってくるのだろう?
「大公殿下にはロザリーの件で酷く責められたから…」
その態度で、私はレナート様が何を言いたいのか理解した。
「大丈夫です。ユーグ様にはレナート様の事をお話するつもりは一切ありませんから」
「本当かい?」」
レナート様は私の言葉にたちまち安堵の笑みを浮かべた。
「ええ、ですのでどうぞ御安心下さい」
「ありがとう、それを聞いて安心したよ。実は僕も明日、フランシスカと一緒に郷里へ帰るんだよ。郷里に帰ったらクリスマスパーティーが開かれるんだ。今年こそ彼女をパートナーに誘うつもりなんだよ。今からとても楽しみなんだ…。それじゃあね。良い休暇を!」
レナート様は笑みを浮かべると駆け足で去って行った。
「レナート様…」
レナート様は私の初恋の人だった。けれど、フランシスカ様の一件で私は目の敵にされ…レナート様への恋心は一切捨てることにした。
以前の私ならフランシスカ様と過ごすクリスマス休暇の話など聞かされれば、酷く胸が傷んでいただろうけれども、不思議と先程の話を聞かされても何も感じる事は無くなっていた。
「私…きっともうレナート様への思いは完全に吹っ切れたのね…」
そしてため息を一つだけつき、部屋の窓を閉じてカーテンをしめると再び荷造りを再開した―。
夕食後…1人、誰もいない部屋で荷造りをしていると窓をコツコツと叩く音が聞こえてきた。
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窓に近づきカーテンを開けた時、私は息が止まりそうになってしまった。そこに立っていたのはレナート様だったのだ。
な、何故レナート様が…?
ドキドキする胸を押さえながら私は窓に近付き、そっと開けた。
「こんばんは、ロザリー」
レナート様が笑顔で挨拶してきた。
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緊張気味に返事をするとレナート様が申し訳無さげに言った。
「ごめん…本当はイアソン王子やフランシスカからロザリーには近付くなと釘をさされていたのだけど…どうしても聞きたいことがあって…」
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「うん。ロザリーは明日、寮を出るんだよね?」
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「それで…どっちへ行くの?」
「え?」
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するとレナート様は目を伏せると言った。
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「気に…なる?」
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その態度で、私はレナート様が何を言いたいのか理解した。
「大丈夫です。ユーグ様にはレナート様の事をお話するつもりは一切ありませんから」
「本当かい?」」
レナート様は私の言葉にたちまち安堵の笑みを浮かべた。
「ええ、ですのでどうぞ御安心下さい」
「ありがとう、それを聞いて安心したよ。実は僕も明日、フランシスカと一緒に郷里へ帰るんだよ。郷里に帰ったらクリスマスパーティーが開かれるんだ。今年こそ彼女をパートナーに誘うつもりなんだよ。今からとても楽しみなんだ…。それじゃあね。良い休暇を!」
レナート様は笑みを浮かべると駆け足で去って行った。
「レナート様…」
レナート様は私の初恋の人だった。けれど、フランシスカ様の一件で私は目の敵にされ…レナート様への恋心は一切捨てることにした。
以前の私ならフランシスカ様と過ごすクリスマス休暇の話など聞かされれば、酷く胸が傷んでいただろうけれども、不思議と先程の話を聞かされても何も感じる事は無くなっていた。
「私…きっともうレナート様への思いは完全に吹っ切れたのね…」
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