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8-1 心苦しい気持ち
コンコン…
コンコン…
扉のノックの音が聞こえて来る。
「う~ん…」
目をこすりながら身体を起こすと部屋の中は薄暗く、自分が一瞬何所にいるのか分らなかった。
「え…と、ここは…?」
その時―。
コンコン
「ロザリー・ダナン様。お部屋におられますか?」
ノックの音と共に、女性の声が聞こえて来た。
「あ!は、はいっ!いますっ!」
慌てて椅子から立ち上がり、扉に駆け寄って開けた。
すると、目の前にはホテルの女性従業員がテーブルワゴンに食事を乗せて立っていた。
「お食事をお持ち致しました」
「どうもありがとうございます」
頭を下げた。
「お部屋にお運びしてよろしいでしょうか?」
「は、はい。あ…すみません。まだ明かりをつけていなくて部屋が暗いのですが…」
私の言葉に女性従業員は笑みを浮かべた。
「それではお部屋の明かりもお付けいたしますね」
そしてワゴンを室内まで入れると、ポケットからマッチを取り出し、次々とアルコールランプに火を灯してくれた。
「ありがとうございます」
すっかり明るくなった室内でお礼を述べると女性従業員は言った。
「ではごゆっくり召し上がって下さい」
「はい」
そして彼女が出て行くと、私はテーブルワゴンに向かった。
「まぁ…なんて美味しそうな料理なの…」
ワゴンの上にはまだ湯気の立つ料理が乗っていた。スープに魚料理、彩美しいサラダにパン、そしてオードブルの数々…。
「私、こんなに贅沢をしていいのかしら…?」
しかもホテル代も支払っていないので申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「頂きましょう」
そしていつもの日課通り、神様にお祈りを捧げると早速スプーンを手に取った―。
「美味しい…この間、ユーグ様にレストランへ連れて行って貰って以来の美味しい味だわ…」
私は料理の味に感動してしまった。
「こんなに美味しい食事付きのホテルに泊めてもらうなんて…本当に申し訳ないわ…」
食事をしながら思い浮ぶのはイアソン王子の事だった。
「どうしよう…お礼を言いたいけれどもイアソン王子が滞在しているのはお城だし、私のような身なりの貧しい者が行けるはずないし…」
仮にお城に入れたとしてもイアソン王子に迷惑がかかるのは目に見えて分っていた。
「やっぱり、学園に戻ってからそれとなくお礼を述べた方がいいのかもしれないわね…」
一応、ホテルの人の話では私は来年1月の5日までこの部屋に宿泊する事になっていた。
学園が始まるのは1月の8日。イアソン王子はほぼ一月分をこのホテルで過ごせるように手配してくれたのだろう。
確かにあの時の私は何所にも行き場が無かった。かと言ってここまでお世話になるのは心苦しくて仕方が無かった。
「私はどうすればイアソン王子にお礼が出来るのかしら…やっぱり学園が始まるまでは会う事も無いだろうし…」
私は何度目かの溜息をつきながら食事を進めた。
けれどすぐに私はイアソン王子に会う事になるのだった―。
コンコン…
扉のノックの音が聞こえて来る。
「う~ん…」
目をこすりながら身体を起こすと部屋の中は薄暗く、自分が一瞬何所にいるのか分らなかった。
「え…と、ここは…?」
その時―。
コンコン
「ロザリー・ダナン様。お部屋におられますか?」
ノックの音と共に、女性の声が聞こえて来た。
「あ!は、はいっ!いますっ!」
慌てて椅子から立ち上がり、扉に駆け寄って開けた。
すると、目の前にはホテルの女性従業員がテーブルワゴンに食事を乗せて立っていた。
「お食事をお持ち致しました」
「どうもありがとうございます」
頭を下げた。
「お部屋にお運びしてよろしいでしょうか?」
「は、はい。あ…すみません。まだ明かりをつけていなくて部屋が暗いのですが…」
私の言葉に女性従業員は笑みを浮かべた。
「それではお部屋の明かりもお付けいたしますね」
そしてワゴンを室内まで入れると、ポケットからマッチを取り出し、次々とアルコールランプに火を灯してくれた。
「ありがとうございます」
すっかり明るくなった室内でお礼を述べると女性従業員は言った。
「ではごゆっくり召し上がって下さい」
「はい」
そして彼女が出て行くと、私はテーブルワゴンに向かった。
「まぁ…なんて美味しそうな料理なの…」
ワゴンの上にはまだ湯気の立つ料理が乗っていた。スープに魚料理、彩美しいサラダにパン、そしてオードブルの数々…。
「私、こんなに贅沢をしていいのかしら…?」
しかもホテル代も支払っていないので申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「頂きましょう」
そしていつもの日課通り、神様にお祈りを捧げると早速スプーンを手に取った―。
「美味しい…この間、ユーグ様にレストランへ連れて行って貰って以来の美味しい味だわ…」
私は料理の味に感動してしまった。
「こんなに美味しい食事付きのホテルに泊めてもらうなんて…本当に申し訳ないわ…」
食事をしながら思い浮ぶのはイアソン王子の事だった。
「どうしよう…お礼を言いたいけれどもイアソン王子が滞在しているのはお城だし、私のような身なりの貧しい者が行けるはずないし…」
仮にお城に入れたとしてもイアソン王子に迷惑がかかるのは目に見えて分っていた。
「やっぱり、学園に戻ってからそれとなくお礼を述べた方がいいのかもしれないわね…」
一応、ホテルの人の話では私は来年1月の5日までこの部屋に宿泊する事になっていた。
学園が始まるのは1月の8日。イアソン王子はほぼ一月分をこのホテルで過ごせるように手配してくれたのだろう。
確かにあの時の私は何所にも行き場が無かった。かと言ってここまでお世話になるのは心苦しくて仕方が無かった。
「私はどうすればイアソン王子にお礼が出来るのかしら…やっぱり学園が始まるまでは会う事も無いだろうし…」
私は何度目かの溜息をつきながら食事を進めた。
けれどすぐに私はイアソン王子に会う事になるのだった―。
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