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8-12 数が足りない
「お嬢さん、服は選ばれましたか?」
試着室から出てきた所で、お店のおじいさんが声を掛けてきた。
「はい、10着選ばせて頂きました」
笑みを浮かべて答えると、おじいさんは困った顔を浮かべた。
「え…?たったの10着しか選ばれなかったのですか?王子様は20着選ぶようにお話されていましたよね?」
「ええ、そうなのですが…20着なんて私には贅沢過ぎます。いえ、10着でも多すぎる位だと思っています」
「そうですか…?でもお嬢さんがそうおっしゃっているのであれば仕方ありませんね…。では選ばれた服をお包みしますのでカウンターへ行きましょう」
「はい」
そして私はおじいさんの後をついていった―。
****
カウンターでおじいさんに買った服を箱に入れて貰っていると、ドアが開いてイアソン王子が護衛の人と共に店へ戻ってきた。
「ロザリー、服は選び終わったのか?」
王子は店内に入ってくるなり、私の姿を見て声を掛けてきた。
「はい、選びました」
「選んだ服はそこにあるだけなのか?」
「はい。そうですけど…」
「何着選んだんだ?」
「え?10着ですが…」
するとイアソン王子は唇を尖らせた。
「何故たった10着しか選んでいないんだ?俺は20着選ぶように言っただろう?」
「でも…それでは多すぎですから…」
「全く…。少しは自分の立場を考えたらどうだ?」
ため息をつくイアソン王子にお店のおじいさんが困った顔で尋ねてきた。
「あ、あの~…どうすれば宜しいでしょうか…?」
「…」
イアソン王子は少しだけ考え込む素振りを見せると、おじいさんに言った。
「女性用の服が売られている売り場に案内してくれ」
「はい、かしこまりました」
おじいさんは嬉しそうに返事をした。
「え?イアソン王子。まさか…服を選びに行くつもりですか?」
「ああ、そうだ。当然だろう?ロザリーが10着しか選べないと言うなら、俺が代わりに選ばせて貰う」
「そ、そんな…」
これ以上イアソン王子にお金を使わせたくはないのに…。
「何だ?その嫌そうな顔は…ひょっとすると俺のセンスを疑っているのか?」
「いえ、そんな事はありません。イアソン王子ならセンスは良いはずでしょうから。ただ、もう私にはこれ以上は贅沢すぎるので…」
「俺がいいと言ってるんだからいいんだよ。大体…この店で服を10着しか買わない方が世間で何と言われるか分かったものじゃない」
「…」
その言葉にお店のおじいさんはバツが悪そうに俯いてしまった。
「イアソン王子…今の言い方はいくら何でも…」
私は慌てて小声で王子に言った。
「そうなのか…?」
そこでイアソン王子はおじいさんに声を掛けた。
「すまなかった。悪気は無かったんだ。許して欲しい」
「い、いえ!そ、そんな…王子様から謝罪を貰うなんて恐れ多い事です。では、売り場にご案内致します」
「よし、行くぞ。ロザリー」
「はい…」
そして私はイアソン王子と一緒に再び売り場へ戻った―。
試着室から出てきた所で、お店のおじいさんが声を掛けてきた。
「はい、10着選ばせて頂きました」
笑みを浮かべて答えると、おじいさんは困った顔を浮かべた。
「え…?たったの10着しか選ばれなかったのですか?王子様は20着選ぶようにお話されていましたよね?」
「ええ、そうなのですが…20着なんて私には贅沢過ぎます。いえ、10着でも多すぎる位だと思っています」
「そうですか…?でもお嬢さんがそうおっしゃっているのであれば仕方ありませんね…。では選ばれた服をお包みしますのでカウンターへ行きましょう」
「はい」
そして私はおじいさんの後をついていった―。
****
カウンターでおじいさんに買った服を箱に入れて貰っていると、ドアが開いてイアソン王子が護衛の人と共に店へ戻ってきた。
「ロザリー、服は選び終わったのか?」
王子は店内に入ってくるなり、私の姿を見て声を掛けてきた。
「はい、選びました」
「選んだ服はそこにあるだけなのか?」
「はい。そうですけど…」
「何着選んだんだ?」
「え?10着ですが…」
するとイアソン王子は唇を尖らせた。
「何故たった10着しか選んでいないんだ?俺は20着選ぶように言っただろう?」
「でも…それでは多すぎですから…」
「全く…。少しは自分の立場を考えたらどうだ?」
ため息をつくイアソン王子にお店のおじいさんが困った顔で尋ねてきた。
「あ、あの~…どうすれば宜しいでしょうか…?」
「…」
イアソン王子は少しだけ考え込む素振りを見せると、おじいさんに言った。
「女性用の服が売られている売り場に案内してくれ」
「はい、かしこまりました」
おじいさんは嬉しそうに返事をした。
「え?イアソン王子。まさか…服を選びに行くつもりですか?」
「ああ、そうだ。当然だろう?ロザリーが10着しか選べないと言うなら、俺が代わりに選ばせて貰う」
「そ、そんな…」
これ以上イアソン王子にお金を使わせたくはないのに…。
「何だ?その嫌そうな顔は…ひょっとすると俺のセンスを疑っているのか?」
「いえ、そんな事はありません。イアソン王子ならセンスは良いはずでしょうから。ただ、もう私にはこれ以上は贅沢すぎるので…」
「俺がいいと言ってるんだからいいんだよ。大体…この店で服を10着しか買わない方が世間で何と言われるか分かったものじゃない」
「…」
その言葉にお店のおじいさんはバツが悪そうに俯いてしまった。
「イアソン王子…今の言い方はいくら何でも…」
私は慌てて小声で王子に言った。
「そうなのか…?」
そこでイアソン王子はおじいさんに声を掛けた。
「すまなかった。悪気は無かったんだ。許して欲しい」
「い、いえ!そ、そんな…王子様から謝罪を貰うなんて恐れ多い事です。では、売り場にご案内致します」
「よし、行くぞ。ロザリー」
「はい…」
そして私はイアソン王子と一緒に再び売り場へ戻った―。
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