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9-2 イーストビーチ
美しい青い空の下、馬車は海に向かって走り続け…私は窓から見える景色にすっかり心を奪われていた。
やがて馬車は停車し、御者のおじさんが声を掛けてきた。
「お嬢さん、イーストビーチに着きましたよ」
「ありがとうございます」
馬車代を支払い、地面に降り立つと外は潮風が吹いている。
「今は冬で、海を訪れる人はほとんどいないけど、眺めるだけでも十分楽しめると思いますよ」
馬車代を受け取った御者のおじさんが教えてくれた。
「はい、そうですね。どうもありがとうございます」
お辞儀をすると、御者のおじさんは笑みを浮かべて帽子をとって頭を少し下げて再び馬車を走らせて行った。
すぐそばには港があり、ボートやヨットが停泊している。
「フフ…本当に素敵な場所…季節が夏だったらもっと美しいでしょうね…」
もう少し近くに行って海を見たい…。
そう思った私は港に足を向けた―。
****
港には露店が立ち並び、新鮮な魚介類が売られていた。中にはお魚を焼いている屋台まであり、食欲をそそられる匂いが漂っている。
「…もう少しお金を持ってくれば、良かったかしら…」
でも、私にはそんなお金の余裕は無い。目で楽しむだけで十分だった。
「港もいいけど、砂浜も見たいわ…」
けれど、辺りを見渡しても砂浜は少しも見当たらない。
「そうよね。砂浜が見たいって御者のおじさんに伝えなかった私がいけないんだもの」
当分私はこの国に滞在することになるのだし、またいずれ来る機会もあるだろう。今は港の景色を楽しめればそれで十分だ。
「どこか座るところはないかしら…?」
港の周囲を見渡し、ベンチが置いてあるのが目に留まった。
私は早速ベンチに向かった。
「綺麗な景色…」
ベンチに座り、私は飽きることなく海を眺めていた。この国は比較的温暖な気候なのでそれほど寒くないのが救いだった。
「私の故郷とは全く違うわね…」
その時、不意に声を掛けられた。
「あの…すみません」
「はい?」
振り向くと、そこには私と同年代と思しき少年が立っていた。
アッシュブロンドの髪に、青い瞳が印象的な彼はとても美しい外見をしている。
「あ、あの…何か?」
すると彼は申し訳なさげに言った。
「すみません、写生をしたいので…お隣に座ってもいいでしょうか?」
「あ、どうぞ。すみません、真ん中に座ってしまって」
慌てて立ち上がると、端にずれた。
「すみません、催促してしまったようで」
彼は少しはにかんだ笑みを見せると、隣の席に腰を下ろした。そして斜め掛けしたカバンからスケッチブックと大量の色鉛筆を取り出すとすぐに鉛筆で写生を始めた。
「…」
悪いとは思いつつも、ついついどんな絵を描いているのか、気になった私は海をみつめながら時折、彼の描いているスケッチブックに目を落とした。
凄い…何て上手に絵を描く人なのだろう…。
気づけば私は夢中になって、彼が描いている絵を見つめていた―。
やがて馬車は停車し、御者のおじさんが声を掛けてきた。
「お嬢さん、イーストビーチに着きましたよ」
「ありがとうございます」
馬車代を支払い、地面に降り立つと外は潮風が吹いている。
「今は冬で、海を訪れる人はほとんどいないけど、眺めるだけでも十分楽しめると思いますよ」
馬車代を受け取った御者のおじさんが教えてくれた。
「はい、そうですね。どうもありがとうございます」
お辞儀をすると、御者のおじさんは笑みを浮かべて帽子をとって頭を少し下げて再び馬車を走らせて行った。
すぐそばには港があり、ボートやヨットが停泊している。
「フフ…本当に素敵な場所…季節が夏だったらもっと美しいでしょうね…」
もう少し近くに行って海を見たい…。
そう思った私は港に足を向けた―。
****
港には露店が立ち並び、新鮮な魚介類が売られていた。中にはお魚を焼いている屋台まであり、食欲をそそられる匂いが漂っている。
「…もう少しお金を持ってくれば、良かったかしら…」
でも、私にはそんなお金の余裕は無い。目で楽しむだけで十分だった。
「港もいいけど、砂浜も見たいわ…」
けれど、辺りを見渡しても砂浜は少しも見当たらない。
「そうよね。砂浜が見たいって御者のおじさんに伝えなかった私がいけないんだもの」
当分私はこの国に滞在することになるのだし、またいずれ来る機会もあるだろう。今は港の景色を楽しめればそれで十分だ。
「どこか座るところはないかしら…?」
港の周囲を見渡し、ベンチが置いてあるのが目に留まった。
私は早速ベンチに向かった。
「綺麗な景色…」
ベンチに座り、私は飽きることなく海を眺めていた。この国は比較的温暖な気候なのでそれほど寒くないのが救いだった。
「私の故郷とは全く違うわね…」
その時、不意に声を掛けられた。
「あの…すみません」
「はい?」
振り向くと、そこには私と同年代と思しき少年が立っていた。
アッシュブロンドの髪に、青い瞳が印象的な彼はとても美しい外見をしている。
「あ、あの…何か?」
すると彼は申し訳なさげに言った。
「すみません、写生をしたいので…お隣に座ってもいいでしょうか?」
「あ、どうぞ。すみません、真ん中に座ってしまって」
慌てて立ち上がると、端にずれた。
「すみません、催促してしまったようで」
彼は少しはにかんだ笑みを見せると、隣の席に腰を下ろした。そして斜め掛けしたカバンからスケッチブックと大量の色鉛筆を取り出すとすぐに鉛筆で写生を始めた。
「…」
悪いとは思いつつも、ついついどんな絵を描いているのか、気になった私は海をみつめながら時折、彼の描いているスケッチブックに目を落とした。
凄い…何て上手に絵を描く人なのだろう…。
気づけば私は夢中になって、彼が描いている絵を見つめていた―。
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