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9-16 横暴な王子
「港に…絵を描きに行っていました」
「ふ~ん…どこまで?」
「イーストビーチの港です」
「え?また同じ場所に行ったのか?あんな場所、港があるだけで大して面白い場所じゃないだろう?」
腕組みをしながら半ば呆れたような顔をする王子。そんな事を言われても、私はルペルト様とご一緒出来て楽しかったのに…。
「それで?そんな場所で一体何をしていたんだ?」
「絵を…描きに行っていました」
何故イアソン王子に一々報告をしなくてはならないのだろう?やはり王族ともなると、相手がどんな要求でも聞き入れると思っているのだろうか?
モヤモヤした気持ちを抱えつつ、私は素直に答えた。
「しかし…1人で港まで絵を描きに行くなんて…気がしれないな」
ため息をつきながらイアソン王子は私を見る。
「…」
何と答えればよいか分からず、黙ってしまった。本当は1人では無かったけれども、どうしてもイアソン王子にはルペルト様の事は話したくなかった。
「まぁいい。これから何処かへ出掛ける時は必ずフロントマンに行き先を告げて行ってくれよ」
「え?」
あまりの言葉に思わず声が上ずってしまった。するとイアソン王子は私に言った。
「いいかい?ロザリー。君は賓客として俺がこの国に連れてきたんだ。勿論大公だって君の居場所を知っている。言わば俺は君を大公の大切な者として預かっている立場にあるんだ。だから万一の事を考えて、ロザリーの行動は把握しておく必要がある。本音を言えば、護衛をつけたい位だ」
「え?!ご、護衛ですかっ?!」
そ、そんな…!それでは私の自由な時間が…。
「まぁ、護衛を付けるという話は多少大げさかもしれないけれど…とにかく、君はもっと自分の立場を自覚するべきだ。分かったか?」
「はい…。分かりました…」
「それじゃ俺はもう行くよ」
「え?」
こんなに早く開放してもらえるとは思わず、声が出てしまった。
「いつまでもここにいるとミレーユに捕まってしまうかもしれないからな。実は昨夜ミレーユとダンスを踊った時に、このホテルに滞在中は冬季休暇を一緒に過ごしたいとしつこく誘われているんだ。俺は…正直言って、彼女が苦手だからな」
「そうなのですか?」
イアソン王子は女性の頼みは絶対に断らない人だとばかり思っていただけに、意外だった。
「ああ、全く…彼女はしつこくて困る。ミレーユと出掛けるぐらいなら、まだアンドレアと出掛けたほうがマシだ」
「そういうものなのですか…?」
冗談とも本気とも取れる言葉に、もはや曖昧に返事をするしかなかった。
「それじゃあ、俺はもう行くが…今後は必ず出掛ける時はフロントに声をかけろよ?分かったか」
「はい、分かりました」
私が頷くと、イアソン王子は急ぎ足でホテルを出て行った―。
「ふ~ん…どこまで?」
「イーストビーチの港です」
「え?また同じ場所に行ったのか?あんな場所、港があるだけで大して面白い場所じゃないだろう?」
腕組みをしながら半ば呆れたような顔をする王子。そんな事を言われても、私はルペルト様とご一緒出来て楽しかったのに…。
「それで?そんな場所で一体何をしていたんだ?」
「絵を…描きに行っていました」
何故イアソン王子に一々報告をしなくてはならないのだろう?やはり王族ともなると、相手がどんな要求でも聞き入れると思っているのだろうか?
モヤモヤした気持ちを抱えつつ、私は素直に答えた。
「しかし…1人で港まで絵を描きに行くなんて…気がしれないな」
ため息をつきながらイアソン王子は私を見る。
「…」
何と答えればよいか分からず、黙ってしまった。本当は1人では無かったけれども、どうしてもイアソン王子にはルペルト様の事は話したくなかった。
「まぁいい。これから何処かへ出掛ける時は必ずフロントマンに行き先を告げて行ってくれよ」
「え?」
あまりの言葉に思わず声が上ずってしまった。するとイアソン王子は私に言った。
「いいかい?ロザリー。君は賓客として俺がこの国に連れてきたんだ。勿論大公だって君の居場所を知っている。言わば俺は君を大公の大切な者として預かっている立場にあるんだ。だから万一の事を考えて、ロザリーの行動は把握しておく必要がある。本音を言えば、護衛をつけたい位だ」
「え?!ご、護衛ですかっ?!」
そ、そんな…!それでは私の自由な時間が…。
「まぁ、護衛を付けるという話は多少大げさかもしれないけれど…とにかく、君はもっと自分の立場を自覚するべきだ。分かったか?」
「はい…。分かりました…」
「それじゃ俺はもう行くよ」
「え?」
こんなに早く開放してもらえるとは思わず、声が出てしまった。
「いつまでもここにいるとミレーユに捕まってしまうかもしれないからな。実は昨夜ミレーユとダンスを踊った時に、このホテルに滞在中は冬季休暇を一緒に過ごしたいとしつこく誘われているんだ。俺は…正直言って、彼女が苦手だからな」
「そうなのですか?」
イアソン王子は女性の頼みは絶対に断らない人だとばかり思っていただけに、意外だった。
「ああ、全く…彼女はしつこくて困る。ミレーユと出掛けるぐらいなら、まだアンドレアと出掛けたほうがマシだ」
「そういうものなのですか…?」
冗談とも本気とも取れる言葉に、もはや曖昧に返事をするしかなかった。
「それじゃあ、俺はもう行くが…今後は必ず出掛ける時はフロントに声をかけろよ?分かったか」
「はい、分かりました」
私が頷くと、イアソン王子は急ぎ足でホテルを出て行った―。
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