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12-3 慰めてくれる人
ダミアンが店からいなくなってくれた。
「よ、良かった…」
身体の震えが止まらない。店からいなくなってくれたのはいいけれども、これで問題が解決したわけではないのだから。
アルバイトの終わる時間に必ずダミアンはやって来る。
「一体…どうしたらいいの…」
解決法も見いだせないまま、重い足取りで先程作業を続けていた店内の奥に戻るとそこにはカトリーヌさんがいた。
私の作業の続きをしていたのだ。
「どうだった?ロザリー。お客様は…えっ?!ど、どうしたのっ?!顔色が真っ青じゃないのっ!」
カトリーヌさんが慌てた様子で声を掛けてきた。
「え…?顔色…?そんなに悪いですか…?」
「ええ、そうよ。今にも倒れそうじゃないの。もう今日は仕事はいいから帰りなさい」
「でも…ダミアンが…」
「え?ダミアンて誰?」
「あ…そ、その…すみません。何でも無いんです」
うっかりダミアンの話を口にしてしまった。
「とにかく、今日はもう帰りなさい」
「でも、お店は…」
今日は土曜日だからお客様が多いはずだ。
「大丈夫だってば、お店の心配はしなくてもいいから…今日は帰って、また明日来てくれればいいから。ね?」
「はい…分かりました…。それで…実は17時に知り合いが私に会いに来ることになっているのですが…」
「あら?そうなの?ならロザリーは具合が悪くなったから帰ったと伝えておくわよ」
「すみません。ありがとうございます」
頭を下げながら思った。
きっと、ダミアンのことだ…。私が店にいないと知れば、寮に来るに決まっている。
でも…お店に迷惑を掛けるよりは余程…。
私はグッと手を握りしめると挨拶をした。
「では、お言葉に甘えて今日は失礼させて頂きます」
結局…私はこの日、アルバイトを早退することにした―。
****
「どうしよう…このままでは駄目だわ…」
トボトボと町中を歩きながら、ついため息が漏れてしまう。今の時刻は午前11時を少し過ぎたところ。
後6時間後にはダミアンが私の元に現れる…。
「どうすればいいの…」
今のダミアンは普通じゃない。ダミアンが私を見る目が怖い。
あの目には…狂気が宿っている。2人きりになればどんなことになるか分からない。
何しろダミアンは私をどこかへ連れ去ろうかと考えていたくらいなのだから…。
怖い。
逃げたい…。
それでも今の私にはどこにも逃げる場所はない。それにもし逃げれば、カトリーヌさんや学園に迷惑を掛けてしまうことになるかもしれない。
こんなことなら…卒業を迎える前に、いっそユーグ様の元へ…。
そんなことを考えながらうつむき加減に歩いていると、不意に前方から声を掛けられた。
「あれ?ロザリーじゃないの?」
「え?」
顔をあげると、そこにルペルト様が立っていた。
「こんにちはロザリー。どうしたんだい?今日はアルバイトの日じゃ無かったの?」
笑みを浮かべるルペルト様を見て、思わず目に涙が浮かぶ。
「え…?ロザリー…?どうしたんだい?」
ルペルト様が私に近付いてきた。
「ル、ルペルト様…わ、私…」
ついに堪えきれなくなった涙が頬を伝って流れ落ちてきた。
「ロザリー…」
「す、すみませ…ん…こ、こんな町中で…な、泣いたり…して…」
嗚咽混じりに肩を震えわせて涙を拭っていると、不意にルペルト様に抱き寄せられた。
え…?
「何か悩みでもあるのかい?僕で良ければ相談に乗るよ。だから…もう泣かなくていいよ?」
優しい声で私を抱き寄せるルペルト様。
「あ、ありがとうございます…」
それから少しの間、私はルペルト様にすがって泣き続けた。
まるで、子供のように…。
そしてその間、ルペルト様は私の髪を優しく撫でてくれるのだった―。
「よ、良かった…」
身体の震えが止まらない。店からいなくなってくれたのはいいけれども、これで問題が解決したわけではないのだから。
アルバイトの終わる時間に必ずダミアンはやって来る。
「一体…どうしたらいいの…」
解決法も見いだせないまま、重い足取りで先程作業を続けていた店内の奥に戻るとそこにはカトリーヌさんがいた。
私の作業の続きをしていたのだ。
「どうだった?ロザリー。お客様は…えっ?!ど、どうしたのっ?!顔色が真っ青じゃないのっ!」
カトリーヌさんが慌てた様子で声を掛けてきた。
「え…?顔色…?そんなに悪いですか…?」
「ええ、そうよ。今にも倒れそうじゃないの。もう今日は仕事はいいから帰りなさい」
「でも…ダミアンが…」
「え?ダミアンて誰?」
「あ…そ、その…すみません。何でも無いんです」
うっかりダミアンの話を口にしてしまった。
「とにかく、今日はもう帰りなさい」
「でも、お店は…」
今日は土曜日だからお客様が多いはずだ。
「大丈夫だってば、お店の心配はしなくてもいいから…今日は帰って、また明日来てくれればいいから。ね?」
「はい…分かりました…。それで…実は17時に知り合いが私に会いに来ることになっているのですが…」
「あら?そうなの?ならロザリーは具合が悪くなったから帰ったと伝えておくわよ」
「すみません。ありがとうございます」
頭を下げながら思った。
きっと、ダミアンのことだ…。私が店にいないと知れば、寮に来るに決まっている。
でも…お店に迷惑を掛けるよりは余程…。
私はグッと手を握りしめると挨拶をした。
「では、お言葉に甘えて今日は失礼させて頂きます」
結局…私はこの日、アルバイトを早退することにした―。
****
「どうしよう…このままでは駄目だわ…」
トボトボと町中を歩きながら、ついため息が漏れてしまう。今の時刻は午前11時を少し過ぎたところ。
後6時間後にはダミアンが私の元に現れる…。
「どうすればいいの…」
今のダミアンは普通じゃない。ダミアンが私を見る目が怖い。
あの目には…狂気が宿っている。2人きりになればどんなことになるか分からない。
何しろダミアンは私をどこかへ連れ去ろうかと考えていたくらいなのだから…。
怖い。
逃げたい…。
それでも今の私にはどこにも逃げる場所はない。それにもし逃げれば、カトリーヌさんや学園に迷惑を掛けてしまうことになるかもしれない。
こんなことなら…卒業を迎える前に、いっそユーグ様の元へ…。
そんなことを考えながらうつむき加減に歩いていると、不意に前方から声を掛けられた。
「あれ?ロザリーじゃないの?」
「え?」
顔をあげると、そこにルペルト様が立っていた。
「こんにちはロザリー。どうしたんだい?今日はアルバイトの日じゃ無かったの?」
笑みを浮かべるルペルト様を見て、思わず目に涙が浮かぶ。
「え…?ロザリー…?どうしたんだい?」
ルペルト様が私に近付いてきた。
「ル、ルペルト様…わ、私…」
ついに堪えきれなくなった涙が頬を伝って流れ落ちてきた。
「ロザリー…」
「す、すみませ…ん…こ、こんな町中で…な、泣いたり…して…」
嗚咽混じりに肩を震えわせて涙を拭っていると、不意にルペルト様に抱き寄せられた。
え…?
「何か悩みでもあるのかい?僕で良ければ相談に乗るよ。だから…もう泣かなくていいよ?」
優しい声で私を抱き寄せるルペルト様。
「あ、ありがとうございます…」
それから少しの間、私はルペルト様にすがって泣き続けた。
まるで、子供のように…。
そしてその間、ルペルト様は私の髪を優しく撫でてくれるのだった―。
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