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第6章 1 受け取った手紙
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ビアンカ様と父親、そして2人の息がかかった使用人達が一掃されて1カ月が経過していた。
使用人も大幅に変わり、ようやく私もアデルも新生活に慣れてきたころのことだった。
――午後2時
「アデル様、フローネさん。お二人にシュタイナー家からお手紙が届いておりますよ」
メイドのサラが2通の手紙を持って現れた。
「おじいちゃんとおばあちゃんからお手紙が届いたの?」
お絵描きをしていたアデルが嬉しそうに目を輝かせる。
「はい、そうです。こちらがアデル様のお手紙で、これがフローネさんのお手紙になりますね」
「ありがとう、サラ」
私の手紙はアデルの封筒よりもサイズが大きいもので、厚みもあった。
「それでは失礼いたします。3時になりましたら、お茶とお菓子をお持ちしますね」
サラは笑顔で部屋を去ると、早速アデルがおねだりしてきた。
「おねえちゃ~ん。お手紙、読みたい」
「ええ、そうね。すぐに読みましょう?」
手紙を開封してあげると、アデルが手を伸ばしてきた。
「あら? アデル。自分で読むの?」
「うん、沢山読めるようになりたいから」
「そう? ならどうぞ」
「ありがとう」
ニコニコしながらアデルは手紙を受け取ると、早速真剣な表情で手紙を読み始めた。
「フフフ……」
私も早速自分あての手紙を開封すると、2種類の封筒が出てきた。
「あら……? 何故2通も……?」
1通はシュタイナー夫人からの手紙だった。そしてもう1通は……。
「え? ニコル?」
驚いたことに、その手紙はニコルからだったのだ。
「そう言えば、私……ニコルにはシュタイナー家の住所を教えていたのだわ」
シュタイナー夫妻には万一のことを考えて、ラインハルト家の住所は言わないほうがいいと言われていた。
その代わり、シュタイナー家の住所をニコルに告げるように言われていたのだ。
「お姉ちゃん、どうかしたの?」
「いいえ、何でもないわ。ごめんなさいね」
「うん」
アデルは再び手紙を読み始めたので、私もまずはシュタイナー夫人の手紙から読み始めることにした。
手紙には、私たちが元気に過ごしているかを案じている様子が記されていた。シュタイナー家ではアデルがいなくなったことで、すっかり静かになってしまったようだった。
そして手紙の最後には、私宛にニコルから手紙が届いたので同封したと締めくくられていた。
ありがとうございます、シュタイナー夫人。
心の中で夫人に礼を述べると、早速ニコルからの手紙を開封した。
「ニコル……」
懐かしいニコルの筆跡。見ているだけで、胸に熱い物が込み上げてくる。
引き取ってくれたブラウンさんは、とても良くしてくれていること。勉強を毎日頑張って、学年で1位の成績を収めたことが記されていた。
「フフフ……流石はニコルね」
また、手紙には私に会いたいと言う気持ちがひしひしと綴られていた。
ニコル……私も貴方に会いたいわ。
今の生活が落ち着いたら、絶対貴方に…‥‥。
「え?」
そこで私は凍り付いた。ニコルの手紙には、信じられないことが記されていたのだ。
『お姉さま。実はつい最近、バーデン家の人達が僕のところへやってきました。クリフさんとリリスさんが、お姉さまの居場所を教えるように言ってきたのです。いくら、知らないと言っても中々信じては貰えませんでしたけど、最後は諦めて帰って行きました。帰り際、リリスさんが絶対にお姉さまを見つけ出して連れ戻すと言っていました。僕の居場所をどうやって知ったのかは分かりませんが、どうか気を付けてください』
「そ、そんな……」
リリスが私を連れ戻す為に捜している……?
一体何故? どうしてリリスはそこまでして私を……?
もしかして、私に酷い罰を与える為に捜しているのだろうか?
言い知れぬ不安が込み上げてくる。
『勝手に私の元からいなくなったら……承知しないわよ』
私の耳に、リリスの言葉が蘇ってくるのだった――
使用人も大幅に変わり、ようやく私もアデルも新生活に慣れてきたころのことだった。
――午後2時
「アデル様、フローネさん。お二人にシュタイナー家からお手紙が届いておりますよ」
メイドのサラが2通の手紙を持って現れた。
「おじいちゃんとおばあちゃんからお手紙が届いたの?」
お絵描きをしていたアデルが嬉しそうに目を輝かせる。
「はい、そうです。こちらがアデル様のお手紙で、これがフローネさんのお手紙になりますね」
「ありがとう、サラ」
私の手紙はアデルの封筒よりもサイズが大きいもので、厚みもあった。
「それでは失礼いたします。3時になりましたら、お茶とお菓子をお持ちしますね」
サラは笑顔で部屋を去ると、早速アデルがおねだりしてきた。
「おねえちゃ~ん。お手紙、読みたい」
「ええ、そうね。すぐに読みましょう?」
手紙を開封してあげると、アデルが手を伸ばしてきた。
「あら? アデル。自分で読むの?」
「うん、沢山読めるようになりたいから」
「そう? ならどうぞ」
「ありがとう」
ニコニコしながらアデルは手紙を受け取ると、早速真剣な表情で手紙を読み始めた。
「フフフ……」
私も早速自分あての手紙を開封すると、2種類の封筒が出てきた。
「あら……? 何故2通も……?」
1通はシュタイナー夫人からの手紙だった。そしてもう1通は……。
「え? ニコル?」
驚いたことに、その手紙はニコルからだったのだ。
「そう言えば、私……ニコルにはシュタイナー家の住所を教えていたのだわ」
シュタイナー夫妻には万一のことを考えて、ラインハルト家の住所は言わないほうがいいと言われていた。
その代わり、シュタイナー家の住所をニコルに告げるように言われていたのだ。
「お姉ちゃん、どうかしたの?」
「いいえ、何でもないわ。ごめんなさいね」
「うん」
アデルは再び手紙を読み始めたので、私もまずはシュタイナー夫人の手紙から読み始めることにした。
手紙には、私たちが元気に過ごしているかを案じている様子が記されていた。シュタイナー家ではアデルがいなくなったことで、すっかり静かになってしまったようだった。
そして手紙の最後には、私宛にニコルから手紙が届いたので同封したと締めくくられていた。
ありがとうございます、シュタイナー夫人。
心の中で夫人に礼を述べると、早速ニコルからの手紙を開封した。
「ニコル……」
懐かしいニコルの筆跡。見ているだけで、胸に熱い物が込み上げてくる。
引き取ってくれたブラウンさんは、とても良くしてくれていること。勉強を毎日頑張って、学年で1位の成績を収めたことが記されていた。
「フフフ……流石はニコルね」
また、手紙には私に会いたいと言う気持ちがひしひしと綴られていた。
ニコル……私も貴方に会いたいわ。
今の生活が落ち着いたら、絶対貴方に…‥‥。
「え?」
そこで私は凍り付いた。ニコルの手紙には、信じられないことが記されていたのだ。
『お姉さま。実はつい最近、バーデン家の人達が僕のところへやってきました。クリフさんとリリスさんが、お姉さまの居場所を教えるように言ってきたのです。いくら、知らないと言っても中々信じては貰えませんでしたけど、最後は諦めて帰って行きました。帰り際、リリスさんが絶対にお姉さまを見つけ出して連れ戻すと言っていました。僕の居場所をどうやって知ったのかは分かりませんが、どうか気を付けてください』
「そ、そんな……」
リリスが私を連れ戻す為に捜している……?
一体何故? どうしてリリスはそこまでして私を……?
もしかして、私に酷い罰を与える為に捜しているのだろうか?
言い知れぬ不安が込み上げてくる。
『勝手に私の元からいなくなったら……承知しないわよ』
私の耳に、リリスの言葉が蘇ってくるのだった――
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