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6 感じる視線
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駅前の繁華街に到着すると、馬車は停車した。
「フローネ、ここから先は人通りが激しい場所になるから一度馬車を降りて歩こう。御者にはここで待機しているようにつたえてあるんだ」
そしてアドニス様は扉を開けると先に降り立ち、手を差し出してきた。
「あ、あの……?」
戸惑っているとアドニス様が首を傾げる。
「どうしたんだ? 降りないのかい?」
「い、いえ。降ります」
差し出された手に掴まり、顔を熱くさせながら馬車を降りた。今までこのようなレディの扱いを受けたことなど無かったし、相手はまるで絵本の中の王子様のように素敵な男性。
ドキドキしないほうが無理も無い。
「それじゃ、プレゼントを探しに行こう。俺にはアデルにどんなプレゼントを買ってあげれば良いか分からないから、フローネが決めて貰えないかな?」
「はい。お任せ下さい」
優しい笑顔を向けてくるアドニス様。そう、これは可愛い妹のプレゼントを買うのが楽しくて笑顔なのだ。
決して私に向けてでは無い、だから……勘違いしてはいけないのだ。
こうして、私とアドニス様のショッピングが始まった――
「それにしても、凄い人ですね」
繁華街をアドニス様と歩きながら、辺りを見渡した。道幅いっぱいに人々が歩いている。
「そうだね。元々買い物客で賑わいのある通りだけど、もうすぐ大きなお祭りが開催される。かなり有名なお祭りだから、別荘を所有している貴族たちは早目に滞在しているんだよ」
「貴族……」
言われて見ると、通りを歩く誰もが皆高級そうな服を着ている。私のように粗末な身なりをしている人物は誰もいない。
こんな私と一緒に歩けば、アドニス様に迷惑をかけてしまう……。
そこで、私は少しだけ後ろに下がって歩き出すとアドニス様が振り返った。
「どうしたんだい? フローネ」
「あの、私は……」
どうしよう、何て答えればいいのだろう。
「あ、ごめん。歩くのが早かったかな? つい、アデルのプレゼントのことで気が急いてしまったようだね」
「い、いえ。違います、決してそのような意味では……!」
そのとき、背後から刺すような視線を感じた。
「え?」
振り向くも、怪しい人影は見当たらない。
「どうしたんだい? フローネ」
アドニス様が不思議そうな顔で尋ねてきた。
「い、いえ。何でもありません」
慌てて首を振りながら思った。
そうだ、きっと私が感じた視線はアドニス様に向けられたものに違いない。
「そうかい? なら行こう。初めはどの店に入ろうか?」
「そうですね……まずは雑貨屋さんへ行ってみませんか? 色々な商品が売っていますよ」
「雑貨屋か……そうだな、行ってみよう」
「はい」
こうして、私とアドニス様は再び繁華街を歩き始めた。
この町に私の知り合いはひとりもいない…‥‥。けれど、アドニス様はこの町の人で、名門侯爵家。
それに、若くて輝くような美貌を持っていらっしゃる。きっとアドニス様に憧れている女性が、たまたま私たちを見かけたのだ。
そして、まるで使用人のような身なりの私が一緒に歩いている姿を見かけて嫉妬されてしまったのかもしれない。
私は自分の中でそう結論付けた。
やっぱり、ここへ来るべきでは無かったのかもしれない。
アドニス様にプレゼントのアドバイスだけして……1人で買い物に来て貰った方が良かったのかも……。
そんなことを考えながら、私とアドニス様は色々な店を見て回った。
そして「ここへ来るべきでは無かった」という私の考えが、現実となる出来事が発生する――
「フローネ、ここから先は人通りが激しい場所になるから一度馬車を降りて歩こう。御者にはここで待機しているようにつたえてあるんだ」
そしてアドニス様は扉を開けると先に降り立ち、手を差し出してきた。
「あ、あの……?」
戸惑っているとアドニス様が首を傾げる。
「どうしたんだ? 降りないのかい?」
「い、いえ。降ります」
差し出された手に掴まり、顔を熱くさせながら馬車を降りた。今までこのようなレディの扱いを受けたことなど無かったし、相手はまるで絵本の中の王子様のように素敵な男性。
ドキドキしないほうが無理も無い。
「それじゃ、プレゼントを探しに行こう。俺にはアデルにどんなプレゼントを買ってあげれば良いか分からないから、フローネが決めて貰えないかな?」
「はい。お任せ下さい」
優しい笑顔を向けてくるアドニス様。そう、これは可愛い妹のプレゼントを買うのが楽しくて笑顔なのだ。
決して私に向けてでは無い、だから……勘違いしてはいけないのだ。
こうして、私とアドニス様のショッピングが始まった――
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「貴族……」
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そこで、私は少しだけ後ろに下がって歩き出すとアドニス様が振り返った。
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どうしよう、何て答えればいいのだろう。
「あ、ごめん。歩くのが早かったかな? つい、アデルのプレゼントのことで気が急いてしまったようだね」
「い、いえ。違います、決してそのような意味では……!」
そのとき、背後から刺すような視線を感じた。
「え?」
振り向くも、怪しい人影は見当たらない。
「どうしたんだい? フローネ」
アドニス様が不思議そうな顔で尋ねてきた。
「い、いえ。何でもありません」
慌てて首を振りながら思った。
そうだ、きっと私が感じた視線はアドニス様に向けられたものに違いない。
「そうかい? なら行こう。初めはどの店に入ろうか?」
「そうですね……まずは雑貨屋さんへ行ってみませんか? 色々な商品が売っていますよ」
「雑貨屋か……そうだな、行ってみよう」
「はい」
こうして、私とアドニス様は再び繁華街を歩き始めた。
この町に私の知り合いはひとりもいない…‥‥。けれど、アドニス様はこの町の人で、名門侯爵家。
それに、若くて輝くような美貌を持っていらっしゃる。きっとアドニス様に憧れている女性が、たまたま私たちを見かけたのだ。
そして、まるで使用人のような身なりの私が一緒に歩いている姿を見かけて嫉妬されてしまったのかもしれない。
私は自分の中でそう結論付けた。
やっぱり、ここへ来るべきでは無かったのかもしれない。
アドニス様にプレゼントのアドバイスだけして……1人で買い物に来て貰った方が良かったのかも……。
そんなことを考えながら、私とアドニス様は色々な店を見て回った。
そして「ここへ来るべきでは無かった」という私の考えが、現実となる出来事が発生する――
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