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22日目ー嘲弄、及び、薬物投与ー

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22日目―嘲弄、及び、薬物投与―
「ーーー~~~ッ! ぁ、ぅ、っ、あっ、~~~~~~っ! っく、はっ! ああああああああああああああっ!」
「あーあー、言語機能死んじゃってるじゃん」
 一週間後、白い部屋に戻ってきた梓を迎え入れたのは、妙に湿度の高い空気とむせ返りそうなほどの淫臭だった。
 部屋の真ん中では、肘掛け椅子のような形の棺桶から顔だけ出して、蛍が狂ったように頭を振って悶えている。
 梓は蛍に近づいて、気つけに一回頬を叩いた。
「やあやあ、心折れた?」
「あああっ! ぅぅ、っく、あはあああああああああっ! とめてっ! お願いだから早くどめでぇええええええええええっ!」
「えー、そんな命令調で言われてもなあ」
「どめでぐだざいっ! お願いします死んじゃいまずっ! どめで、あ、また、っく、イっぐぅううううううううううううっ!」
 びくん、びくんと見えるところだけでも想像ができるぐらい全身を跳ね上げて舌を出す蛍の表情からは、知性の欠片もうかがい知れなかった。
―――ほら見たことか、しょせんこんなもんだ。
 気をよくした梓は、蛍の耳をくすぐって、顔を寄せた。
「パスワード、教えてくれるかなあ?」
 すると、しゃっくりのように一瞬、蛍の息が止まった。
 もう体は死んでいるに等しい。
 小刻みに絶頂を繰り返しているし、敏感なところと言わず全身を繊毛に虐められ、今や性感帯でも何でもない所を触られるだけで絶頂に達するほど感度を上げられている。
だが。
 涙と涎をぼたぼたと垂らしながら、蛍は必死に首を横に振った。
 折れかけた瞳になけなしの意思を振り絞って、ぶれる視界で梓を睨む。
「いわ、ないっ、言わないぃぃいいいいっ! お前、おまえだけはっ! ぜっだい、に、ゆるざなっ、っあ、はあ! イっ、ぐっ! 止めろぉぉ! 止めてぇぇえええええええええっ!」
 そして、その狂態を晒しながらも未だ堕ちない蛍を見て、梓は努めて冷静な表情を作って言った。
「…………ほんっと、強情だなあ」
 本音は舌打ちでもしたいところだった。
 リモコン下部の、赤い点滅に目をやる。
―――先週破損してるからなあ、限界なんだよな……。
「はあ、仕方ない」
 止めろと言いながら延々と果てを極め続ける蛍を見ながら、梓は停止ボタンを押す。
 そして、慎重に蛍の拘束を解き、付属の手錠で蛍の両腕と両足を戒め直した。
「………ぅ、あ」
 後ろ手に拘束され、足も縛られた蛍は、ベッドから乱雑に下ろされて床に這いつくばる。
「ベッドは回収ねー。来週には直ると良いけど」
 床下にベッドを下げて、梓は蛍の頭を踏んだ。
 ひどい格好だった。
 同じ姿勢で何日も虐められたからだろうか、うつ伏せの姿勢で蟹股気味に足を開き、中途半端に挙げられた尻は何かを誘うようにひくひくと動き、時折愛液がぷしゅ、と噴き出す。わき腹を軽く蹴ると、胸が床と擦れたのか「ん、ぁ」と喘いでまた潮を噴き、たらーと涎が床に垂れた。
「ねえ、起きてる?」
「…………お、きてる、わよ」
「顔見にくいなあ。よっこいしょっと」
「まって! いま、触んない、で、っく、はあ、イっく、っ!」
 仰向けにするために触っただけ。
 それだけで絶頂を迎えた蛍に、梓は下卑た笑みを浮かべた。
「ずいぶん愉快な体になったねぇ! このへーんたい」
「…………あんたも、似たような、もんでしょう、が」
「へーその話蒸し返しちゃうんだあ」
「あっ! あ、ふ、あんっ! っくあ、はあっ! あ、だめイくっ!」
 仰向けにしてぱっくりと開いた陰核をつついてやれば、蛍は数秒と持たずに腰をわななかせる。
 そして絶頂で開いた口に、梓はいつぞやの水差しを突っ込んだ。
 叫びっぱなしで喉が渇いていた蛍は、もはや抗いもせずにそれを飲む。
「んんんっ! んむっ………ぷはっ」
「はい飲んだね」
 そして梓は、にたりと笑った。
「ちょっと楽しもっか」
 
■■■
 
「そんなところ、舐めるな、ぁぁああああああああああっ!」
「んむ、ちゅーっ、……。ふふ、がくがく震えてやりにくいなあ」
 仰向けの蛍の足を無理やりM字に開かせて、陰核に吸い付く。強く吸うたびに顔にかかる淫液を舐めとって、梓は何度目かの絶頂を蛍に与えた。
 しかも、その近辺には常人なら発狂しかねない性感帯がいくつもある。
 梓が菊門に指を入れると、蛍は背中を浮かせて口を開ける。
 甲高い絶叫がほとばしった。
「か、っは、ふざ、けんな、あっ! この、へんたい、がぁっ! っはあ、あうっ!」
「はいぐりぐりー。でー、あとここもねー」
「ひうっ! っく、あんっ! ふ、はっ! っく、イ………っく!」
 陰核を吸い上げ、菊門を押し込み、陰唇から菊門までの道を何度も撫でてやると、また蛍の体が震えて、真っ赤に売れた膣からたらりと愛液が滴る。
 そして、太ももを割り開いて蛍の秘部を眺めていた梓は、尿道がひくひくと動いているのを見てこらえきれずに笑いを漏らした。
「っふふ、そうだよねー。利尿剤がぶ飲みしたもんねー」
「このっ! あ、っく、ふぁっ!」
「さあさあ、どれだけ我慢できるかなあ?」
 尿がかからないように、蛍の上半身側に体を移動し。
 梓は蛍の下腹部を思いっきり肘で押した。
「っふ、か、はっ! まって、まってまって!」
「さらにダメ押しに―」
 といって、蛍の薄ピンクに色づいたお腹と脇を、思いっきりくすぐる。
 先週までならくすぐったいだけだったが。
 媚毒繊毛責めで出来上がってしまった蛍の体は、それすらも快楽として受け取り始めて。
「っふふ、あん! っく、あ、くすぐったい、のにぃぃ! きも、ぢ、ぃっ! やめてぇぇ! これ以上私の体、おがしぐ、じないでぇぇええええっ!」
「もう充分おかしいから、安心して悶えてねー」
 そしてにっこり笑うと、蛍の耳元でささやいた。
「いまから一分間、イかなかったらここから出してあげる」
「………っ!」
 突然の申し出に、体がこわばる蛍だったが。
「はいスタート」
「ぅぅああああっ! くそ、くそ、く、っそ、ぁぁああああああああああああっ!」
 直後に梓が乳首と陰核を同時につまんでゆすって、5秒と持たずに潮を噴いた。
 その後も。
 昂りきった蛍に、梓は何度も同じことを囁いた。
 そのたびに、蛍は体をこわばらせて耐えようとするが、結局毎回10秒も持たずに絶頂を迎え。
「も、っくはああっ! あああああああああああああああっ!」
「はい、7秒」
「この、あくま、あぐまっ! っく、は、ぅぅゔゔゔゔゔゔゔっ!」
「はい、4秒」
「も、やめでよぉぉおっ! 無理、無理なのっ! また、イっちゃううううっ!」
「はい、6秒。全くこらえ性がないなあ」
 M字開脚を強要されながら強制的に連続絶頂をさせられてすすり泣く蛍に、梓は容赦なくとどめを刺した。
 尿道に綿棒を指して、全体重を下腹部に書ける。
 そして。
「だめ、だめだから………! お願い、おねがいしますっ! どいて、どいてっ!」
「いまから30分漏らさなかったら出してあげる」
「ご、のぉぉおおおおおっ! むり、に、きまってっ! あ、も、だめっ、出、る、出ちゃう出ちゃうっ! あああっ……、っ⁉ あ、く、そ、………イ、く……っ」
「あっはは、これも10秒もたないのかー。ていうか、お漏らしするときは静かにイくんだねー、面白い」
 犬のように足を開いたまま。
 股間から湯気を立て尿を出し、その刺激で静かに絶頂を極める蛍の胸を弄ってさらに追い打ちをかけながら、梓はからかい交じりに頭を撫でてやった。
 
■■■
 
「さて、と。楽しく遊んだねー。蛍ちゃん」
「………………っ!」
 その後。
 尿は蛍の口にタオルを加えさせて拭かせ、陰部についた尿は梓が拭いてやった。
 処理のついでに陰核を虐められさらに10回ほどイかされた蛍は、今は荒く湿った息を吐きながら、床に体育座りをしている。
 梓は白衣のポケットに両手を入れてパタパタと広げて遊び。
「さってとー。蛍ちゃんがベッドぶっ壊しちゃったから1週間ぐらい帰ってこないわけだけど」
「………どうせろくでもないことするのは変わらないんでしょ」
「ひどいなあ。機械と一緒に蛍ちゃんにもクールダウンの時間を上げようと思っていたのに」
 そして梓は、蛍の前に張形を落とした。
「それ、奥まで入れてくれる?」
「それのどこがクールダウンなのかしらね……」
「つべこべ言わない。痛い目見ないと従わない気? 私はそれでもいいけれど」
「ふっ、あ……。こ、の……っ」
 戯れに背筋を撫でられただけで膣が疼き、蛍はしぶしぶ命令に従う。
 不自由な状態から、なんとか限界まで太ももを開き、張形を床に立て、騎乗位のように上から体重をかけた。
「ふ、あっ! あ…………んっ」
「きゃーほたるちゃん色っぽーい」
「ぶっ殺されたいのっ! っく、はああああっ!」
 ずん、と奥まで入ると同時に梓に乳首をゆすられて、とろけきった顔を晒してしまう蛍。
「さて、じゃあ残りは私が、っと」
「あ、ちょ、っと!」
 張形の根元を陰唇から出し、開かれた蛍の股に梓は手を入れて、ほとんどバンド状の貞操帯を取り付ける。
 そして、張形のスイッチを押した。
「ふっ……っく、はあ! 中、で震えて……っ、ああっ!」
「ふふ、良いリードになったね」
 一番の急所を狙い撃ちにされて悶える蛍の口に、梓は一錠の薬をねじ込んだ。
「んんっ⁉」
「あー出さないでそれ高いんだから。まあまあ警戒せずに、後悔はさせないぜ」
 あ、ちゃんと噛んでね? 外殻プラスチックだから、というセリフに吐き捨ててやろうと思ったが、顎を押さえつけられてくるみ割り人形みたいにカプセルを割られ。
 怪しげな錠剤を嚥下してしまう蛍。
 効果はすぐに表れた。
「…………あれ? 感覚が」
「戻ったっしょー?」
 戻ったというか、切り離されたような印象だった。
 膣内で張形が蠢いているのは異物感からわかる。でもそれが快感につながってこない。多少の動きづらさに目をつぶれば日常生活も送れそうだ。
 いつのまにそんなものできたのか、部屋中心から出た楔に蛍の足首の枷を繋げて、梓は笑う。
「まー私の生活必需品よ。おすそわけ」
「……何が目的?」
「まあ善意じゃないよね」
 梓のニヒルな笑みに、ぞわぞわと悪寒が裸の背筋を伝っていく。
「まず一つ目、気持ちいいのがわからないと、快感からどう逃げたらいいかわかりづらいでしょ? 本当は今もここ、開発されているからね?」
「………っ!」
 下生えを弄ばれ、蛍は後ずさって目を見開く。そして凶悪さに歯ぎしりする。
 今の動作だって、本来はかなりの快感を伴うはずだ。きっと自分で自分の首を絞めるような、開発を助長するような箇所への刺激だって受けている。
 でも、それがわからないということは、知らない間に責めを一身に受けるしかない。
 そして………。
「その薬が解けたとき、君はどうなっちゃうんだろうねー?」
「…………こいつっ!」
 縛られた足で蹴りを放つも難なくかわされ、梓は笑った。
「じゃあ、私はこの辺で帰るけど。大体その薬、6時間ぐらいで切れちゃうから。今夜はお楽しみですね、ほたるちゃん」
「………私に冷静になれる時間を与えたこと、後悔すると良いわよ」
「あっははっ! 明日またぐちゃぐちゃの顔になってないと良いね」
 そして、ばたんと扉が閉まり。
 なるべく動かないほうが良いと判断し、うつ伏せになって股間から振動音を響かせて。
 珍しく静かな屋内の時間が経っていく。
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