地面に埋まっていた幼女を引っこ抜いたら理解できない言語を喋りだして漸く理解したら世界が滅びるとか言い出したが俺には遅すぎた件

中の人など居ない

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薄氷裏の日常5

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——3月29日(金)19:00

周囲はすっかり暗くなり零士は一人通学路を帰る。
途中、見慣れた商店街を通ると地元の人で夕飯の買い出しや外食で出歩いている。
零士は家族連れが近くのファミレスに入っていく様子を見ながら、
商店街を抜けて閑散とした住宅街の路地を歩いていく。
零士が違和感を感じるにはそう時間はかからなかった。
目の前の道路からはおおよそありえないものが生えているのだ。

「何だ…ありゃ…?」

街灯に照らされ、コンクリで舗装されているはずの路面を突き破り、
女児用ドレスがひっくり返り、かぼちゃパンツ的なドロワーズがむき出しになっている。
その不可思議な光景に零士は唖然としながらも人が埋まっていることは明らかで周囲に人も居ないため、
我に返ると恐る恐ると声を掛けてみる。

「お、おいっ…大丈夫か!?まさか、死んでる…?」

零士の声に反応して天に向かって飛び出したニーソックスの足がジタバタと動き、理解不能な奇声が上がる。

「縺企。倥>�∝勧縺代※��」

「待ってろ!今助けてやる!」

零士はその小さな脚をふん掴まえると大きなカブを引き抜くかのように垂直に持ち上げる。

「繧ョ繝」繝シ�∫李縺�李縺�シ�」

埋まっている主は先程よりさらに大きな悲鳴をあげるも、やがてスポンッと泥がむき出しの地中から引き抜かれる。

「ぬ…抜けた!」

二人は暫く呆然とするも、黒髪の幼女はパンパンと手で顔や衣服の泥を払うとニコリと零士に微笑む。

「蜉ゥ縺代※縺上l縺ヲ縺ゅj縺後→縺�シ�」

「えっ…!?」

零士は幼女が喋っていることが一ミリも理解ができなかった。
日本人じゃないのか…?いや、それどころか英語ですらもなく、どこの言語すらかもわからない。

「縺ゅ▲�√#繧√s縺斐a繧薙€√≠縺ェ縺滄#縺ォ縺ッ遘�#縺ョ險€闡峨�繧上°繧峨↑縺�h縺ュ�溘%繧後〒縺ゥ縺�°縺ェ��」

零士の脳裏に直接幼女の声が語りかけてくる。

「こ……わ…る…」

しかし薄っすらと激しい靄のようなノイズに阻まれ、それでも理解することができない。

「何だコレ…気持ち悪い…お前がやってるのか!?」

突然の超常現象に零士は慄くも幼女は必死に首を縦に何度も振り、頷く。

「ごめん、でも何を言っているのかわからないんだ…」

幼女は口を尖らせ、両手の人指し指を合わせしょんぼりする。
どうやらこちらの話していることは理解できているようだ。

「それより、大丈夫か?怪我とかないか?」

零士はしゃがみ、目線をあわせながら幼女に語りかけると
幼女は泥塗れのドレスの手足をひとしきり確認するとドヤ顔でサムズアップする。

「いや、ドヤ顔するところ違うだろう…名前は?お父さんやお母さんは?」

「…ν(ニュー)」

幼女はそう呟く、おそらくそれが彼女の名前なのかもしれない。

「困ったなぁ…交番で引き取ってもらうか…?」

零士がそう言うなり、νは零士の腕にぶら下がり
泣きそうな顔になりながら、必死に何度も首を横に振る。

「なんだよ…嫌なのか?」

νは勢いよく頷く。
こんな時間にこんな所に埋まっているんだ。おそらく普通の子ではないのだろう。
しかも、近くに人通りもなく両親から逸れたとも考えにくい。

「はぁ…仕方ない、うちくるか?」

零士は溜息を吐くと幼女は両腕をくの字にして目を輝かせながら頷く。
身元不明とは言え泥だらけの幼女を夜道に放っておくわけにも行かない。

「ちょっと待ってろ」

鞄からルーズリーフを取り出し、鞄の上でボールペンで書き置きを書くと
セロハンテープで近くの電柱に貼り付ける。

『黒髪のドレスの迷子の女の子を預かってます。お探しのご親族の方へ電話番号はこちらxxx-xxxx-xxxx』

「これでよしっ!と、じゃあいくか」

零士は幼女を置いていかないよう歩調を合わせながら自宅の方へ歩き出す。

「あっ!いけねっ!この子の親も日本人じゃないよな…日本語の張り紙じゃ意味ないか…」

道すがら零士はそう思ったが夜道を戻ってわざわざ剥がすのも面倒になり、結局そのままにすることにした。
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