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第7章 瑛太3
第91話 少し慣れて来た移動生活
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石倉さんをなるべく早く宿で休ませよういうことで、次の街まで急ぐ事になった。昼休憩は本当に手早く、湯と干し肉とパン。急ぐなら火を焚いて湯を沸かすも省略しようと言う意見もあったけど、固いパンも湯に浸した方が消化に良いし、そもそも衛生的にも飲み水は沸かしてから飲んだ方が安心ということで、食事休憩時は可能な限り火起こしをしていた。
だんだんと火を起こすのも皆慣れて来た。
火を起こすといっても、種火をライアンさんの火魔法で付けてもらって、薪用の枝を重ねた中に潜り込ませるんだ。
そういえば火打石って圭の鞄の中身のリストで見た気がする。でも、もう火がついているし、今は必要ないよな。
ライアンさんがいないときに火を起こしたいときがあったら試してみたいな。逆に余裕がある時に練習しておいた方が良いのかもしれないけど。
火を起こしている間に、鍋をおく即席竃もささっと組み上げてる。後は火がしっかりついたら水を入れた鍋をおくだけだ。
お湯が沸いた辺りで、藍ちゃんがオタマでお湯を少し取って桶に並べてあった布にピシャっとかけた。
桶の中にはあらかじめ洗ってある布がいくつも並べられていた。お湯を少しかけると簡易おしぼりのようになるのだ。
移動中は水を節約する必要があるので、手を洗う代わりにそんな方法をとるようになった。
この世界ではこまめに手を洗ったり、おしぼりで拭くという習慣はないようだ。やったとしても贅沢なことらしいんだけど、火を起こすのに枝やら石を拾って指先が黒ずんだりしてたら、洗うまでは行かなくても手を拭いたりはしたいんだよね。
不衛生が原因で病気になっても病院に行けないわけだし。
藍ちゃんは最初手を洗いたがっていたんだけど、長時間移動の場合もあるから水の節約で頭を悩ませていてた。「おしぼりにしたら」と言ってみたら、すぐに次に行った村で古布を買ってハンカチサイズに切ってもらっておしぼりを作り始めた。
熱湯がかかった布をつまみ上げて広げ、少し冷ましてから折り畳んで絞ると全体的に温かいおしぼり状態になる。温かいとやっぱり気持ちいい。
「瑛太、お湯、はい。」
藍ちゃんがカップに入ったお湯を差し出してくれた。
礼を言って受け取って、パンと干し肉もひとつずつ取る。
干し肉は街でかったそのまま食べられるやつだ。ジャーキーみたいな固いやつ。
相変わらずパンは固いけど、今朝買ったばかりのものだからかなりマシな方だ。
お湯につけなくても食べられるな、とかじってみると口の中の水分を持って行かれる。それを湯を飲んで喉の奥に流し込む。
こういう「昼食」にもかなり慣れた。つくづく最初に来たときに食べた圭の用意した弁当は特別だったなと思う。
まだ圭の鞄にシリアルバーとかが入っている。その事は皆にも言ってあるけど、本当に何にもないときか、いざというときに取っておこうという話になっている。
圭の鞄の機能の検証はまだ途中だ。
試しに俺の持ち物を入れてみたけど問題なく入った。取り出しも同じように出来た。
圭の鞄に移すと重さも感じなくなる。
どのくらい入るのかとか、液体をいれたらどうなるかとか、まだ試していない。いつもランダムに数個しか中身がわからないし、変な物を入れてみて中のものが壊れても困る。
石倉さんは身体が大分弱っているみたいで、湯の入ったカップを両手で包み込んでちびりちびりと飲んでいるだけで
パンや干し肉には手をつけていなかった。
だんだんと火を起こすのも皆慣れて来た。
火を起こすといっても、種火をライアンさんの火魔法で付けてもらって、薪用の枝を重ねた中に潜り込ませるんだ。
そういえば火打石って圭の鞄の中身のリストで見た気がする。でも、もう火がついているし、今は必要ないよな。
ライアンさんがいないときに火を起こしたいときがあったら試してみたいな。逆に余裕がある時に練習しておいた方が良いのかもしれないけど。
火を起こしている間に、鍋をおく即席竃もささっと組み上げてる。後は火がしっかりついたら水を入れた鍋をおくだけだ。
お湯が沸いた辺りで、藍ちゃんがオタマでお湯を少し取って桶に並べてあった布にピシャっとかけた。
桶の中にはあらかじめ洗ってある布がいくつも並べられていた。お湯を少しかけると簡易おしぼりのようになるのだ。
移動中は水を節約する必要があるので、手を洗う代わりにそんな方法をとるようになった。
この世界ではこまめに手を洗ったり、おしぼりで拭くという習慣はないようだ。やったとしても贅沢なことらしいんだけど、火を起こすのに枝やら石を拾って指先が黒ずんだりしてたら、洗うまでは行かなくても手を拭いたりはしたいんだよね。
不衛生が原因で病気になっても病院に行けないわけだし。
藍ちゃんは最初手を洗いたがっていたんだけど、長時間移動の場合もあるから水の節約で頭を悩ませていてた。「おしぼりにしたら」と言ってみたら、すぐに次に行った村で古布を買ってハンカチサイズに切ってもらっておしぼりを作り始めた。
熱湯がかかった布をつまみ上げて広げ、少し冷ましてから折り畳んで絞ると全体的に温かいおしぼり状態になる。温かいとやっぱり気持ちいい。
「瑛太、お湯、はい。」
藍ちゃんがカップに入ったお湯を差し出してくれた。
礼を言って受け取って、パンと干し肉もひとつずつ取る。
干し肉は街でかったそのまま食べられるやつだ。ジャーキーみたいな固いやつ。
相変わらずパンは固いけど、今朝買ったばかりのものだからかなりマシな方だ。
お湯につけなくても食べられるな、とかじってみると口の中の水分を持って行かれる。それを湯を飲んで喉の奥に流し込む。
こういう「昼食」にもかなり慣れた。つくづく最初に来たときに食べた圭の用意した弁当は特別だったなと思う。
まだ圭の鞄にシリアルバーとかが入っている。その事は皆にも言ってあるけど、本当に何にもないときか、いざというときに取っておこうという話になっている。
圭の鞄の機能の検証はまだ途中だ。
試しに俺の持ち物を入れてみたけど問題なく入った。取り出しも同じように出来た。
圭の鞄に移すと重さも感じなくなる。
どのくらい入るのかとか、液体をいれたらどうなるかとか、まだ試していない。いつもランダムに数個しか中身がわからないし、変な物を入れてみて中のものが壊れても困る。
石倉さんは身体が大分弱っているみたいで、湯の入ったカップを両手で包み込んでちびりちびりと飲んでいるだけで
パンや干し肉には手をつけていなかった。
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