224 / 324
第3章
第223話 宿の食堂にて
食堂に着くと魔導科クラスの彼らが既に来ていて、あらためて部屋の件で礼を言われた。
「明日も出発出来るか判らないとのことでしょう? お部屋を確保してくださって本当に助かりましたわ。」
魔導科令嬢達も、宿がとれなかったらロビー泊でも、と覚悟していたようだったけど、部屋が確保されていてホッとしたそうだ。簡易ベッドで手狭になるのは全然構わないらしい。
ちらり、と、冒険者ギルドで会った三人組の話をしてみたら、アメリー嬢が驚愕していた。
「え?貴族の令嬢が冒険者ギルドで雑魚寝ですか?しかも寝袋で?なんて酷い!」
「言ってくだされば、こちらの部屋に相部屋でも良かったのに!マーカス様、どうして誘ってあげなかったんですの?」
先程まで感謝モードだったのに、急に避難モード?アメリー嬢とメイサ嬢に責められた。
「いや、君達に断りもなく勝手に決められないだろう。それに、彼らはこの先も暫く冒険者活動をするのだから、いざというときの手段として緊急寄宿がどんなものか知っておくのも大事だと思うよ。
それに、宿泊場所は男女分けてあるし。」
「でも‥‥。」
会った事もないはずなのに,学園の後輩となる予定の令嬢に、彼女達は同情的だ。
えーと、令息達もいるんですよ?心配するなら男子の後輩の心配もしてあげたら良いのに。
男子は、男子で面倒見てって事なの?
「半日の護衛依頼にそんな落とし穴があっただっぺか。」
「冬場は要注意だす。」
「緊急寄宿って初めて知ったよぉ。無料で泊まれるなら良い制度だねぇ。」
男子達は受け止め方が違うようだ。マルロイ君達は冬季休暇中に冒険者活動をして小遣い稼ぎをしようと思っていたそうで、半日護衛や緊急寄宿の方に関心を示していた。
マルロイ君とシン君、クレイリー君は冒険者登録をしているそうだ。討伐依頼が受けられる青銅級には上がったそうだけど、
まだあまり討伐実績はないらしい。
「なんと!拙者も冒険者登録したいでござる!」
「ユリウス氏は登録していなかったんだっぺ。」
「登録しようと思った矢先に色々あったでござる。」
「学科移籍してたら忙しいだすな。」
ユリウスは王都での生活に慣れてから冒険者登録をしようと思っていたそうだ。
しかし、故郷での魔獣溢れが発生して、学費の問題で魔導科から騎士科に移籍をすることになり授業についていくのに精一杯だったらしい。
ユリウスは手袋をした左手を顔の前にかざしてポーズをとった。
「冒険者になったら、この封印せし左手が火を吹くでござるよ。」
「手から火を吹いたら熱いだっぺ。」
「火傷だす。」
マルロイ君達から次々にツッコミが入るが、ユリウスはあまり気にしていなさそうだ。ごそごそと、腰にくくり付けていた麻袋から、魔法陣玉を取り出してニコニコしている。
「拙者にはこれが有るでござる。火を吹くでござるよ。」
「なんだすか?‥‥魔法陣?」
ユリウスが、丸めた羊皮紙を少しめくって、チラリと魔法陣が描かれた部分を見せた。
「魔法陣玉でござる!
「クリーン魔法だっぺか。」
「まさか用を足した後、トイレに投げ込むだすか。」
「違うでござる!」
魔法陣玉をみて、クリーン魔法の魔法陣を連想したマルロイ君とシン君の言葉に、ユリウスはむぅ~と唇を歪めた。
「明日も出発出来るか判らないとのことでしょう? お部屋を確保してくださって本当に助かりましたわ。」
魔導科令嬢達も、宿がとれなかったらロビー泊でも、と覚悟していたようだったけど、部屋が確保されていてホッとしたそうだ。簡易ベッドで手狭になるのは全然構わないらしい。
ちらり、と、冒険者ギルドで会った三人組の話をしてみたら、アメリー嬢が驚愕していた。
「え?貴族の令嬢が冒険者ギルドで雑魚寝ですか?しかも寝袋で?なんて酷い!」
「言ってくだされば、こちらの部屋に相部屋でも良かったのに!マーカス様、どうして誘ってあげなかったんですの?」
先程まで感謝モードだったのに、急に避難モード?アメリー嬢とメイサ嬢に責められた。
「いや、君達に断りもなく勝手に決められないだろう。それに、彼らはこの先も暫く冒険者活動をするのだから、いざというときの手段として緊急寄宿がどんなものか知っておくのも大事だと思うよ。
それに、宿泊場所は男女分けてあるし。」
「でも‥‥。」
会った事もないはずなのに,学園の後輩となる予定の令嬢に、彼女達は同情的だ。
えーと、令息達もいるんですよ?心配するなら男子の後輩の心配もしてあげたら良いのに。
男子は、男子で面倒見てって事なの?
「半日の護衛依頼にそんな落とし穴があっただっぺか。」
「冬場は要注意だす。」
「緊急寄宿って初めて知ったよぉ。無料で泊まれるなら良い制度だねぇ。」
男子達は受け止め方が違うようだ。マルロイ君達は冬季休暇中に冒険者活動をして小遣い稼ぎをしようと思っていたそうで、半日護衛や緊急寄宿の方に関心を示していた。
マルロイ君とシン君、クレイリー君は冒険者登録をしているそうだ。討伐依頼が受けられる青銅級には上がったそうだけど、
まだあまり討伐実績はないらしい。
「なんと!拙者も冒険者登録したいでござる!」
「ユリウス氏は登録していなかったんだっぺ。」
「登録しようと思った矢先に色々あったでござる。」
「学科移籍してたら忙しいだすな。」
ユリウスは王都での生活に慣れてから冒険者登録をしようと思っていたそうだ。
しかし、故郷での魔獣溢れが発生して、学費の問題で魔導科から騎士科に移籍をすることになり授業についていくのに精一杯だったらしい。
ユリウスは手袋をした左手を顔の前にかざしてポーズをとった。
「冒険者になったら、この封印せし左手が火を吹くでござるよ。」
「手から火を吹いたら熱いだっぺ。」
「火傷だす。」
マルロイ君達から次々にツッコミが入るが、ユリウスはあまり気にしていなさそうだ。ごそごそと、腰にくくり付けていた麻袋から、魔法陣玉を取り出してニコニコしている。
「拙者にはこれが有るでござる。火を吹くでござるよ。」
「なんだすか?‥‥魔法陣?」
ユリウスが、丸めた羊皮紙を少しめくって、チラリと魔法陣が描かれた部分を見せた。
「魔法陣玉でござる!
「クリーン魔法だっぺか。」
「まさか用を足した後、トイレに投げ込むだすか。」
「違うでござる!」
魔法陣玉をみて、クリーン魔法の魔法陣を連想したマルロイ君とシン君の言葉に、ユリウスはむぅ~と唇を歪めた。
あなたにおすすめの小説
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
やり直し令嬢は本当にやり直す
お好み焼き
恋愛
やり直しにも色々あるものです。婚約者に若い令嬢に乗り換えられ婚約解消されてしまったので、本来なら婚約する前に時を巻き戻すことが出来ればそれが一番よかったのですけれど、そんな事は神ではないわたくしには不可能です。けれどわたくしの場合は、寿命は変えられないけど見た目年齢は変えられる不老のエルフの血を引いていたお陰で、本当にやり直すことができました。一方わたくしから若いご令嬢に乗り換えた元婚約者は……。
虐げられた前王の子に転生しましたが、マイペースに規格外でいきます!
竜鳴躍
ファンタジー
気が付いたら転生していました。
でも王族なのに、離宮に閉じ込められたまま。学校も行けず、家庭教師もつけてもらえず、世話もされず。社交にも出られず。
何故なら、今の王様は急逝した先代の陛下……僕の父の弟だから。
王様夫婦には王子様がいて、その子が次期王太子として学校も行って、社交もしている。
僕は邪魔なんだよね。分かってる。
先代の王の子を大切に育てたけど、体が弱い出来損ないだからそのまま自分の子が跡を継ぎますってしたいんだよね。
そんなに頑張らなくても僕、王位なんていらないのに~。
だって、いつも誰かに見られていて、自分の好きなことできないんでしょ。
僕は僕の好きなことをやって生きていきたい。
従兄弟の王太子襲名の式典の日に、殺されちゃうことになったから、国を出ることにした僕。
だけど、みんな知らなかったんだ。
僕がいなくなったら困るってこと…。
帰ってきてくれって言われても、今更無理です。
2026.03.30 内容紹介一部修正