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第3章
第227話 備え
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解決の目処が立たない場合は少し王都方面に引き返してから迂回することになるかもしれない。俺達の目的地は商業旅団と同じツヴァンだからまだ良いけど、
魔導科クラスの彼らは、途中で乗り換えて行く予定だったはずだ。
迂回した場合、かなり遠回りになる可能性がある。
出来れば原因を解消して、通行止めを解除したい所だ。
ラドロ達は討伐で疲れているであろうということで、少し話しをしてから解散した。去り際にマーギットさんが、クリーン魔法を使おうか?と進言した。
ちょうど俺達も4人いたのでそれぞれ一人一回ずつクリーン魔法を使えば、インターバルも必要ないのだ。
お礼を行って来たラドロの様子だと、ラドロもクリーン魔法を覚えていなさそうだった。
ロビーでクリーン魔法を使ったので、他のロビー泊の客から金を払うのでクリーン魔法をかけてくれないかと打診されてしまった。
宿の営業妨害になるかもしれないので宿に相談してくると告げて、宿の受付にはクリーン魔法の希望者が多い事を伝えておいた。
宿には清掃業務もあるし、宿の従業員の大半はクリーン魔法を普段から多用しているはずだ。臨時のサービスで、収益を得るチャンスだろう。
受付のカウンターの所にいた、従業員達の目がキラリと光った。
早速、数人の従業員で料金の相談を始めていた。
部屋に戻りながらマーギットさんが、チラリと後方を振り返った。
「彼らへのクリーン魔法も宿に任せるべきであったかな。」
「いえ、サービス開始前だったし問題ないでしょう。商売したわけじゃないですし。」
意外とクリーン魔法の需要が高い事が判った。インターバルの有無だけではなく、クリーン魔法自体を覚えていない人が結構いるみたいだ。
「しかし‥‥、明日出発出来ない可能性が高そうであるな。次の馬車隊が到着したら、更に混雑するのではないか?」
「既に宿も一杯だというのにな。」
マーギットさんとデリックさんが難しそうな顔をした。
「我々用に確保してくれた宿は延泊が可能ということであったが、このまま足止め客が増えて行ったら宿に泊まれない人で街が溢れかえるであるぞ。」
「夕方に王都方面行きの馬車が出てたから、通行止めの事も伝えてくれていると良いですけどね。」
商業ギルド辺りが通行止めの事を伝達していっているなら、後続の馬車隊は手前の街辺りに留まるのではないかと思うのだけどね。
そのまま各自の部屋に戻って解散の流れかと思ったら、マーギットさんが難しい顔をして相談してきた。
「アイスリザードが続々出て来たというのが気になるである。原因も判明していないであるし‥‥。」
今の所、街にまでアイスリザードの襲撃はないようだが、万一の為に、魔法陣玉を用意しておきたいというのだ。
発火の魔法陣の発動を遅延するように書き換える方法をマーギットさんとデリックさんにレクチャーする事になった。
まだそんなに遅い時間ではなかったのと、ユリウスとトマソンも部屋に戻って来ていたので、急遽、魔法陣教室を開催した。
明日までに魔法陣玉を用意するのが目的なので、まだ魔法陣を描き慣れないユリウスとトマソンは、書き換え方法の説明を一度受けた後は、
せっせと発火の魔法陣製作をして、マーギットさんとデリックさんが書き換えを担当した。
俺とジョセフィンはいくつか別の魔法陣を作成した。使う必要がない事を願うが、もっと激しい炎をだす魔法陣やら炎が民家に燃え移ったリしたときに消化する為の魔法陣やら。
取り扱い注意のものは、色の違う羊皮紙に書いておく。
「マルロイ氏達にも持たせたいでござる。いくつか渡しても良いでござるか?」
描き上がった魔法陣を箱の中に重ねながら、ユリウスが言った。
「良いんじゃない?‥‥彼らまで使う事態は避けたいけどさ。」
「確かに。使わないに越した事ないでござるなぁ。」
備えあれば憂いなし、とは言うけど、大量に作っていたら使用する場面を想像して返って心配になってしまったようだ。
マーギットさんが、ペンを魔法陣から離して顔を上げた。
「いざというときは、集まって行動していればよかろう。我もいる。心配はいらん。」
「でも‥‥。心配だから魔法陣玉を作っているのでござろう?」
「より安全を確保する為である。想像してみるがいいである。我が戦っている時に、もう一体現れたとする。我は集中して戦う事が出来なくなるである。
そういった時に、誰かが魔法陣玉を投げつけて相手が怯んだ隙にお前達が逃げてくれれば安心というものである。」
「それでは兄上が矢面で戦う想定になるでござる!そんな訳にはいかないでござる!拙者も戦うでござる!」
ユリウスは泣きそうな顔をして立ち上がった。
マーギットさんは目を細めてユリウスを見つめた。
「実戦経験がないユリウスが、前線に出て行ったら、返って邪魔になるであろう。ユリウスは友達を避難させることに注力する方が効率的であるぞ。」
「でも‥‥、それだと兄上が‥‥。」
「我も、危険と判断したら逃げるである。アイスリザードは足が遅いのであるから、あまり心配するでない。今言ったのはアイスリザードが二体出て来た場合どうするかというだけの話である。」
マーギットさんの言葉に、ユリウスはまだ納得していないのか不安そうな顔をしていた。デリックさんが、二人の顔を交互に見た。
魔導科クラスの彼らは、途中で乗り換えて行く予定だったはずだ。
迂回した場合、かなり遠回りになる可能性がある。
出来れば原因を解消して、通行止めを解除したい所だ。
ラドロ達は討伐で疲れているであろうということで、少し話しをしてから解散した。去り際にマーギットさんが、クリーン魔法を使おうか?と進言した。
ちょうど俺達も4人いたのでそれぞれ一人一回ずつクリーン魔法を使えば、インターバルも必要ないのだ。
お礼を行って来たラドロの様子だと、ラドロもクリーン魔法を覚えていなさそうだった。
ロビーでクリーン魔法を使ったので、他のロビー泊の客から金を払うのでクリーン魔法をかけてくれないかと打診されてしまった。
宿の営業妨害になるかもしれないので宿に相談してくると告げて、宿の受付にはクリーン魔法の希望者が多い事を伝えておいた。
宿には清掃業務もあるし、宿の従業員の大半はクリーン魔法を普段から多用しているはずだ。臨時のサービスで、収益を得るチャンスだろう。
受付のカウンターの所にいた、従業員達の目がキラリと光った。
早速、数人の従業員で料金の相談を始めていた。
部屋に戻りながらマーギットさんが、チラリと後方を振り返った。
「彼らへのクリーン魔法も宿に任せるべきであったかな。」
「いえ、サービス開始前だったし問題ないでしょう。商売したわけじゃないですし。」
意外とクリーン魔法の需要が高い事が判った。インターバルの有無だけではなく、クリーン魔法自体を覚えていない人が結構いるみたいだ。
「しかし‥‥、明日出発出来ない可能性が高そうであるな。次の馬車隊が到着したら、更に混雑するのではないか?」
「既に宿も一杯だというのにな。」
マーギットさんとデリックさんが難しそうな顔をした。
「我々用に確保してくれた宿は延泊が可能ということであったが、このまま足止め客が増えて行ったら宿に泊まれない人で街が溢れかえるであるぞ。」
「夕方に王都方面行きの馬車が出てたから、通行止めの事も伝えてくれていると良いですけどね。」
商業ギルド辺りが通行止めの事を伝達していっているなら、後続の馬車隊は手前の街辺りに留まるのではないかと思うのだけどね。
そのまま各自の部屋に戻って解散の流れかと思ったら、マーギットさんが難しい顔をして相談してきた。
「アイスリザードが続々出て来たというのが気になるである。原因も判明していないであるし‥‥。」
今の所、街にまでアイスリザードの襲撃はないようだが、万一の為に、魔法陣玉を用意しておきたいというのだ。
発火の魔法陣の発動を遅延するように書き換える方法をマーギットさんとデリックさんにレクチャーする事になった。
まだそんなに遅い時間ではなかったのと、ユリウスとトマソンも部屋に戻って来ていたので、急遽、魔法陣教室を開催した。
明日までに魔法陣玉を用意するのが目的なので、まだ魔法陣を描き慣れないユリウスとトマソンは、書き換え方法の説明を一度受けた後は、
せっせと発火の魔法陣製作をして、マーギットさんとデリックさんが書き換えを担当した。
俺とジョセフィンはいくつか別の魔法陣を作成した。使う必要がない事を願うが、もっと激しい炎をだす魔法陣やら炎が民家に燃え移ったリしたときに消化する為の魔法陣やら。
取り扱い注意のものは、色の違う羊皮紙に書いておく。
「マルロイ氏達にも持たせたいでござる。いくつか渡しても良いでござるか?」
描き上がった魔法陣を箱の中に重ねながら、ユリウスが言った。
「良いんじゃない?‥‥彼らまで使う事態は避けたいけどさ。」
「確かに。使わないに越した事ないでござるなぁ。」
備えあれば憂いなし、とは言うけど、大量に作っていたら使用する場面を想像して返って心配になってしまったようだ。
マーギットさんが、ペンを魔法陣から離して顔を上げた。
「いざというときは、集まって行動していればよかろう。我もいる。心配はいらん。」
「でも‥‥。心配だから魔法陣玉を作っているのでござろう?」
「より安全を確保する為である。想像してみるがいいである。我が戦っている時に、もう一体現れたとする。我は集中して戦う事が出来なくなるである。
そういった時に、誰かが魔法陣玉を投げつけて相手が怯んだ隙にお前達が逃げてくれれば安心というものである。」
「それでは兄上が矢面で戦う想定になるでござる!そんな訳にはいかないでござる!拙者も戦うでござる!」
ユリウスは泣きそうな顔をして立ち上がった。
マーギットさんは目を細めてユリウスを見つめた。
「実戦経験がないユリウスが、前線に出て行ったら、返って邪魔になるであろう。ユリウスは友達を避難させることに注力する方が効率的であるぞ。」
「でも‥‥、それだと兄上が‥‥。」
「我も、危険と判断したら逃げるである。アイスリザードは足が遅いのであるから、あまり心配するでない。今言ったのはアイスリザードが二体出て来た場合どうするかというだけの話である。」
マーギットさんの言葉に、ユリウスはまだ納得していないのか不安そうな顔をしていた。デリックさんが、二人の顔を交互に見た。
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