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城外訓練からの単独行動
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城外訓練当日
3人は城壁から離れた森を移動していた。3人とも武器を持ち、防具を装着している。
ナオキと八京は剣、明日香は槍を装備していた。
各々の防具は軽くて動きやすい甲冑を身に着けている。重い甲冑で全身を覆ってしまうと、移動で疲れてしまい訓練どころではなくなってしまうからだ。
それと各自カバンを持っていた。非常用の水や救急用具が入っている。
森の中は普段から人が通っているのだろう。草が生えていない箇所が道になっている。
残念ながら天気は晴天。太陽の日に当たっていると暑かったが、木の陰に入ってしまうと涼しさを感じる。草の生い茂った匂いを鼻で感じながら歩いているとハイキングに来ているようだ。いや、魔物が出ることを考えなかったらハイキングそのものだ。
先頭を八京が歩き、その後ろをナオキ、最後尾に明日香がついてくる。
明日香も初めての城外訓練で緊張しているのだろう、頻繁に後ろを確認をしていた。
「明日香さん、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。ここら辺は滅多に魔物は出ないから」
「え? そうなんですか? 確かに考えてみたらこんな城の近くで魔物が出ることなんて無いですよねぇ。アハハ」
「何だ明日香。昨日はあんなこと言って、実は緊張してるんじゃないのか?」
笑みを浮かべ、からかう様にナオキは言った。
「うっさいわね! き、緊張なんかして無いわよ。ただ、万が一ってことも有るかな~って後ろを見てただけでしょ! それよりナオキこそ、さっきから物音がするたびに『ビクッ』てしてるじゃない。あんたビビりすぎでしょ。マジ受けるんですけどぉ」
早口でまくし立てるところを見ると、強がってはいるが初めてのことで緊張しているのだろう。けどそれはナオキも同じだ。
昨晩は不安と緊張でほとんど寝ることが出来なかった。そして朝食もほとんど手を付けずにいた。そんな中、いつ魔物が出てくるか分からない恐怖で胃がキリキリする。
「ナオキ君大丈夫? 顔色があまり良くないけど……少し休憩しようか?」
八京が顔を覗き込む。その心配りがありがたい。
「はい。すいませんがそうします」
ナオキは道端へ座り込んだ。今頃腹も空いてきたし、喉も乾いている。
「ナオキぃ、まだ城を出て一時間も経ってないよ。どんだけ体力無いのよ」
『ハァー』と漏らしたため息がナオキに聞こえる。
「うるさいなぁ。最近までロクに運動なんてしてこなかったんだから仕方ないだろ。それに明日香は体力が有りすぎなんだよ」
「そりゃあ、私は普段から鍛えてるし体力にはちょっと自信があるわ。ほらナオキ、スタイルだって良いと思わない?」
明日香はモデルがとるようなポーズをして見せた。確かに甲冑の上からでも胸、尻の膨らみ腰の細さは見てわかる。
「…………」
「ちょっと見過ぎよ。気持ち悪い。あんまり見ないでくれる?」
「何だよ! 見るように言ったのはそっちだろ!」
まったく……褒めようと思ったけどまた『気持ち悪い』なんて言われそうだからやめとこう。
「ねぇ八京さん? 似合ってるでしょ?」
明日香は八京へ向き半ば強引に同意を求めた。
「そ、そうだね。とても良く似合ってると思うよ」
困った顔で八京は肯定した。
「でしょ! これ、私が選んだんですよ。ほら、この国の防具って地味なのばっかりだから、探すの大変だったんですよ。ホントはもっと可愛いのがあればいいのに」
褒められた明日香は嬉しそうだ。
「いや、魔物殺すのに可愛さは必要ないだろ。無駄に可愛くして目立ったら魔物に見つかるし」
「い、いいのよ見つかったって! 結局私たちが狩るんだから。って言うかそんなとこ突っ込まなくっていいのよ」
魔物を狩るという目的はあるが雰囲気はハイキングそのものだ。できればこのまま魔物に遭遇することなく訓練が終わってくれることをナオキは望んだ。
「そうそう、この近くに小川があるんだ。僕は水を汲んでくるから、二人はそこの木陰で休んでてよ」
二人の会話を遮るように八京は草むらを掻き分けて走り出した。
「あ、なら私も一緒に行きますよ。別に疲れてないし」
明日香八京に同行しようとしたが八京はそれを止めた。
「大丈夫だよスグそこだし。それにもう少し進んだら魔物も出てくるだろうから、休める時に休んでおいたほうが良いよ」
早々に八京は走って行ってしまった。
八京の背中を見送り、残念そうに明日香は木陰に歩き座った。
「ちぇ~、二人で話したかったのに……」
明日香は拗ねた様に口を尖らせている。普段憎まれ口を叩いているが、こういった仕草は新鮮で可愛いい。
「ほらナオキ、こっち来て座ったら。アンタ疲れてるでしょ」
明日香が座った隣を叩いて座るように促した。
「うん」
素直に従い明日香の右側へ行き腰を下ろした。
空を見上げると、澄んだ晴天の鮮やかな天色が目に入った。深呼吸をすると、気持ちが落ち着き疲れが癒される。
「はいこれ。どうせ朝食もロクに食べてなかったんでしょ? 食べなさいよ」
朝食に出されたパンにハムと生野菜を挟んだサンドイッチだ。
「これ……明日香が作ったの?」
「当たり前じゃない。っていっても、あったものを挟んだだけだけど……ほら、どうするの? 食べるの? 食べないの?」
「あ、ありがとう。いただきます」
ナオキは付けていた革のグローブを外すとサンドイッチを受け取った。
「本当は八京さんが疲れた時に食べてもらって、気の利く良い女をアピールしたかったんだけどね……それなのに早速ナオキにあげるとは思わなかったわ」
「う……申し訳ない……なら返そうか?」
「冗談よ。いいから食べなさい」
小さく呟きながらサンドイッチをかじる。朝に少し食べた時には感じなかったが、小麦の香りが鼻の奥から香る。身体を動かしたからなのか、森での食事だからなのか、素朴なサンドイッチが最高に旨いと感じた。
「ほら、これも飲みなさい」
今度はジュースの入った革の容器が出された。明日香の心遣いで張り詰めていた緊張の糸が和らいでいく。
「随分優しいんだな。普段からこんな態度だったら良いのに」
「何言ってるの? 私は普段から優しいわ。周りが気付かないだけでしょ」
言葉とは裏腹に、嬉しそうな恥ずかしそうな顔を明日香はしている。
『いやマジで』とか言ったらまた言い返されるから止めとこう。
サンドイッチを食べ終え、ジュースを半分ほど飲んだところでナオキの心と腹は満たされた。
「ふぅ、旨かった。マジでありがとう」
明日香へ感謝の気持ちが素直に言葉になる。
「このくらいのことで大袈裟ね。でも感謝されて悪い気はしないわ。もっと感謝しなさい」
「はいはい。明日香様ありがとうございます。このご恩は一生忘れません」
ふざけて言ったが、明日香は満更でもなさそうだ。少し照れている明日香は普段の数倍可愛い。明日香が八京を好きじゃ無ければ最高のシチュエーションだけどそこが残念でならない。
「いや~、やっぱメシ食うのって大事なんだな。緊張して不安な時でも、腹が満たされたら気持ちが少しは楽になったもん。マジで感謝だわ。後でお礼しなきゃな」
それを聞いた明日香の目の色が変わったことをナオキは見逃さなかった。照れていた顔が小悪魔的な笑顔に変わっている。
「そう? じゃあ早速ナオキに協力してもらおっかなぁ」
しまった。何か良からぬことを企んでるぞ。何とか誤魔化さないと……
「あ、あの……」
「今から二人で魔物探しに行こ!」
ナオキが言うより先に明日香に言われてしまった。
「へ? 今なんて?」
突然、明日香は前のめりになりナオキに顔を近づけた。あまりの近さにキスをされるんじゃないかと思うほどに近かった。
「だからぁ、二人で魔物を探してやっつけちゃおうよ」
やっぱりだ! なんてこと言ってんだこの女。ヤバいぞ、早く断らないと。
明日香の顔が至近距離にあるのに、もう少しも心がときめかない。必死に説得の言葉を探す。
「いや、二人でなんて危ないじゃん? オレたちまだ魔物も実際に見たことないし……それに八京さんがいないと色々マズいだろ」
「だからよ。八京さんがいたらほとんど八京さんがやっつけちゃうじゃん。そうじゃなくて、私が一人で魔物をやっつけて八京さんに見直してもらいたいの」
馬鹿だ、この女。何のための訓練だと思ってるんだ。八京さんがメインで動いてオレたちへの危険を最小限にしながら経験をさせるのが今回の目的だろ。お前の八京さんへの点数稼ぎなんてどうだっていいんだよ!
少し前の『明日香が可愛い』と思った自分はどこか遠くへ行ってしまい明日香への文句が溢れ出てくる。
「でも、実際の魔物の強さも分からないし……大量の魔物が現れたらどうするんだよ? 初戦で二人とも終了だぞ」
「大丈夫よ。この辺の魔物は弱いのしかいないって言ってたし、ヤバそうだったら逃げちゃえばいいじゃない。それとも何? ナオキ、アンタは私が作った八京さん用のサンドイッチ食べといて何のお返しもないの?」
「そ…それは…い、いずれだな…」
そ、それは反則だろ……
「八京さんがいない今がチャンスなのよ。ほら、行くよ」
明日香は立ち上がり、ナオキの両腕を掴んで引っ張った。ナオキは両足で踏ん張り、連れていかれないように耐える。必死に踏ん張っているが想明日香は像以上に力が強い。このまま投げ飛ばされてしまいそうだ。
「勘弁してくれよ! そんなの絶対うまくいかないって。大人しく八京さんを待とうよ」
今にも涙が出そうだ。
「大丈夫よ。私が何とかするから! 観念して行きましょうよ」
明日香の引く力が更に強くなる。だがこっちも負けていられない。
「ぜーったいー、いーやーだー」
ありったけの力で拒否をしていると、不意に明日香が手を放した。その反動で今まで溜めていた力がナオキの身体を後方の地面に叩き付け『ドンッ!』と鈍い音がた。
いっっっってぇぇぇぇ!!
ハンマーで殴られたような痛みが後頭部を襲った。あまりの痛さに言葉が出ない。両手で後頭部を抑えてうずくまるのが精一杯だ。
「あっそ~。ならいいわ! 私一人で魔物退治に行くから!」
激痛に耐える中、何とか明日香の言葉が頭に入る。だが、こっちはそれどころじゃない。
「バカァ! そんなに嫌ならここに一人で八京さんを待ってればいいじゃない! 私は絶対に行くんだから! 何が『後でお礼しなきゃな』よ! 一緒に行ってくれたっていいじゃない……ってちょっとナオキ聞いてんの!?」
明日香は怒りを向けてくるが怒りたいのはこっちだ。
「う……うん……聞いてる……よ……」
痛みを堪え何とか言葉を出した。
「何痛がってるのよ。男でしょ、まったく頼りない」
酷い言われようだ。
深呼吸を数回繰り返すうちに痛みが和らいでいった。
「いやいや、いきなり手を離すなよ。思いっきり後頭部打ったんだぞ! 受け身も取れなかったんだからな」
「そんなの知らないわ。私の誘いを断ったんだから当然でしょ! それに手を離したらナオキが勝手に後ろに倒れたんじゃない」
早口で捲し立てられてナオキは何も言い返せないでいた。そもそもナオキは口喧嘩も得意ではない。
文句を言っても倍にして返されるし……これ以上言うのは止めとこう
口論はナオキの完敗だ。
このままだと本当に明日香は一人で行ってしまう。どうするか悩んでいると明日香はナオキに背を向けた。
「じゃあ行くわ。アナタはここで待ってなさい」
どこか寂し気に言葉を残して明日香は茂みの方へ歩き出した。
「ま、待てよ」
思わず言葉が出た。
「何? まだ私を止めるの? もうそういうの良いんだけど」
立ち止まって明日香はこちらを振り返る。少し苛立っているようだ。
もう覚悟を決めるしかない。
「オレも一緒に行くよ。その……明日香一人だと心配だからさ……」
『もう来なくっていい!』なんて言われたらどうしよう……
明日香の返事を待ちながら数秒が経った。
「ア、アンタに心配されなくても、べ、別に大丈夫だし……でも……どうしても付いて来たいって言うなら……別にいいわよ?」
ツンデレかよ!
「ぷっ!」
頬を染め、嬉しそうな表情の明日香を見て思わず笑ってしまった。そして、今まで頑なに拒否をしていたが、明日香のそんな顔を見たらそんなことはどうでもよくなった。
「な、何よ! そんなに笑わなくったっていいじゃない! ほら、どうするの? 行くの? 行かないの?」
「行くよ。明日香を一人で行かせて何かあったら、オレはきっと後悔するから。もし明日香が危険な時はオレが守るよ」
言葉に嘘は無かった。何かあったら明日香は守ろうと覚悟を決めたのだ。
見る見るうちに明日香の顔が真っ赤になっていく。
「そ、そんな……ナオキに守られることなんてあるわけ無いじゃない。私のほうが強いんだから。逆に私がナオキを守ってあげるわよ」
普段強がっているけど明日香も女の子なんだ。
「でも……そう言ってくれて……ありがとう」
その言葉は、風でかき消されそうなほど小さな声だったがナオキにはハッキリ聞こえた。
「うん、いいよ。じゃあ行こっか」
膝に手を付いて立ち上がろうとした時後頭部に再び激痛が走った。
「痛ってぇ……」
中腰の体制で痛みに耐えていると明日香が『プッ』と笑い出した。
「ナオキ、アンタ締まらないわね。さっきは少しカッコよかったのに。アハハハハ」
腹を抱えて笑っている明日香を見て今度はナオキの顔が熱くなるのを感じた。
「仕方ないだろう! マジで痛いんだから。それに元はと言えば明日香のせいだからな」
「ハイハイ、わかったわ。悪かったわよ。でもそんなんで私を守るなんてよく言えたわ……プッアハハハハ」
恥ずかしさと痛みに堪えてナオキは立ち上がった。
笑いながら明日香がナオキの方へ歩き出し、ナオキの右手を握った。
「期待してるわナオキ」
握った右手を引っ張りながら明日香とナオキは草むらに入っていった。
3人は城壁から離れた森を移動していた。3人とも武器を持ち、防具を装着している。
ナオキと八京は剣、明日香は槍を装備していた。
各々の防具は軽くて動きやすい甲冑を身に着けている。重い甲冑で全身を覆ってしまうと、移動で疲れてしまい訓練どころではなくなってしまうからだ。
それと各自カバンを持っていた。非常用の水や救急用具が入っている。
森の中は普段から人が通っているのだろう。草が生えていない箇所が道になっている。
残念ながら天気は晴天。太陽の日に当たっていると暑かったが、木の陰に入ってしまうと涼しさを感じる。草の生い茂った匂いを鼻で感じながら歩いているとハイキングに来ているようだ。いや、魔物が出ることを考えなかったらハイキングそのものだ。
先頭を八京が歩き、その後ろをナオキ、最後尾に明日香がついてくる。
明日香も初めての城外訓練で緊張しているのだろう、頻繁に後ろを確認をしていた。
「明日香さん、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。ここら辺は滅多に魔物は出ないから」
「え? そうなんですか? 確かに考えてみたらこんな城の近くで魔物が出ることなんて無いですよねぇ。アハハ」
「何だ明日香。昨日はあんなこと言って、実は緊張してるんじゃないのか?」
笑みを浮かべ、からかう様にナオキは言った。
「うっさいわね! き、緊張なんかして無いわよ。ただ、万が一ってことも有るかな~って後ろを見てただけでしょ! それよりナオキこそ、さっきから物音がするたびに『ビクッ』てしてるじゃない。あんたビビりすぎでしょ。マジ受けるんですけどぉ」
早口でまくし立てるところを見ると、強がってはいるが初めてのことで緊張しているのだろう。けどそれはナオキも同じだ。
昨晩は不安と緊張でほとんど寝ることが出来なかった。そして朝食もほとんど手を付けずにいた。そんな中、いつ魔物が出てくるか分からない恐怖で胃がキリキリする。
「ナオキ君大丈夫? 顔色があまり良くないけど……少し休憩しようか?」
八京が顔を覗き込む。その心配りがありがたい。
「はい。すいませんがそうします」
ナオキは道端へ座り込んだ。今頃腹も空いてきたし、喉も乾いている。
「ナオキぃ、まだ城を出て一時間も経ってないよ。どんだけ体力無いのよ」
『ハァー』と漏らしたため息がナオキに聞こえる。
「うるさいなぁ。最近までロクに運動なんてしてこなかったんだから仕方ないだろ。それに明日香は体力が有りすぎなんだよ」
「そりゃあ、私は普段から鍛えてるし体力にはちょっと自信があるわ。ほらナオキ、スタイルだって良いと思わない?」
明日香はモデルがとるようなポーズをして見せた。確かに甲冑の上からでも胸、尻の膨らみ腰の細さは見てわかる。
「…………」
「ちょっと見過ぎよ。気持ち悪い。あんまり見ないでくれる?」
「何だよ! 見るように言ったのはそっちだろ!」
まったく……褒めようと思ったけどまた『気持ち悪い』なんて言われそうだからやめとこう。
「ねぇ八京さん? 似合ってるでしょ?」
明日香は八京へ向き半ば強引に同意を求めた。
「そ、そうだね。とても良く似合ってると思うよ」
困った顔で八京は肯定した。
「でしょ! これ、私が選んだんですよ。ほら、この国の防具って地味なのばっかりだから、探すの大変だったんですよ。ホントはもっと可愛いのがあればいいのに」
褒められた明日香は嬉しそうだ。
「いや、魔物殺すのに可愛さは必要ないだろ。無駄に可愛くして目立ったら魔物に見つかるし」
「い、いいのよ見つかったって! 結局私たちが狩るんだから。って言うかそんなとこ突っ込まなくっていいのよ」
魔物を狩るという目的はあるが雰囲気はハイキングそのものだ。できればこのまま魔物に遭遇することなく訓練が終わってくれることをナオキは望んだ。
「そうそう、この近くに小川があるんだ。僕は水を汲んでくるから、二人はそこの木陰で休んでてよ」
二人の会話を遮るように八京は草むらを掻き分けて走り出した。
「あ、なら私も一緒に行きますよ。別に疲れてないし」
明日香八京に同行しようとしたが八京はそれを止めた。
「大丈夫だよスグそこだし。それにもう少し進んだら魔物も出てくるだろうから、休める時に休んでおいたほうが良いよ」
早々に八京は走って行ってしまった。
八京の背中を見送り、残念そうに明日香は木陰に歩き座った。
「ちぇ~、二人で話したかったのに……」
明日香は拗ねた様に口を尖らせている。普段憎まれ口を叩いているが、こういった仕草は新鮮で可愛いい。
「ほらナオキ、こっち来て座ったら。アンタ疲れてるでしょ」
明日香が座った隣を叩いて座るように促した。
「うん」
素直に従い明日香の右側へ行き腰を下ろした。
空を見上げると、澄んだ晴天の鮮やかな天色が目に入った。深呼吸をすると、気持ちが落ち着き疲れが癒される。
「はいこれ。どうせ朝食もロクに食べてなかったんでしょ? 食べなさいよ」
朝食に出されたパンにハムと生野菜を挟んだサンドイッチだ。
「これ……明日香が作ったの?」
「当たり前じゃない。っていっても、あったものを挟んだだけだけど……ほら、どうするの? 食べるの? 食べないの?」
「あ、ありがとう。いただきます」
ナオキは付けていた革のグローブを外すとサンドイッチを受け取った。
「本当は八京さんが疲れた時に食べてもらって、気の利く良い女をアピールしたかったんだけどね……それなのに早速ナオキにあげるとは思わなかったわ」
「う……申し訳ない……なら返そうか?」
「冗談よ。いいから食べなさい」
小さく呟きながらサンドイッチをかじる。朝に少し食べた時には感じなかったが、小麦の香りが鼻の奥から香る。身体を動かしたからなのか、森での食事だからなのか、素朴なサンドイッチが最高に旨いと感じた。
「ほら、これも飲みなさい」
今度はジュースの入った革の容器が出された。明日香の心遣いで張り詰めていた緊張の糸が和らいでいく。
「随分優しいんだな。普段からこんな態度だったら良いのに」
「何言ってるの? 私は普段から優しいわ。周りが気付かないだけでしょ」
言葉とは裏腹に、嬉しそうな恥ずかしそうな顔を明日香はしている。
『いやマジで』とか言ったらまた言い返されるから止めとこう。
サンドイッチを食べ終え、ジュースを半分ほど飲んだところでナオキの心と腹は満たされた。
「ふぅ、旨かった。マジでありがとう」
明日香へ感謝の気持ちが素直に言葉になる。
「このくらいのことで大袈裟ね。でも感謝されて悪い気はしないわ。もっと感謝しなさい」
「はいはい。明日香様ありがとうございます。このご恩は一生忘れません」
ふざけて言ったが、明日香は満更でもなさそうだ。少し照れている明日香は普段の数倍可愛い。明日香が八京を好きじゃ無ければ最高のシチュエーションだけどそこが残念でならない。
「いや~、やっぱメシ食うのって大事なんだな。緊張して不安な時でも、腹が満たされたら気持ちが少しは楽になったもん。マジで感謝だわ。後でお礼しなきゃな」
それを聞いた明日香の目の色が変わったことをナオキは見逃さなかった。照れていた顔が小悪魔的な笑顔に変わっている。
「そう? じゃあ早速ナオキに協力してもらおっかなぁ」
しまった。何か良からぬことを企んでるぞ。何とか誤魔化さないと……
「あ、あの……」
「今から二人で魔物探しに行こ!」
ナオキが言うより先に明日香に言われてしまった。
「へ? 今なんて?」
突然、明日香は前のめりになりナオキに顔を近づけた。あまりの近さにキスをされるんじゃないかと思うほどに近かった。
「だからぁ、二人で魔物を探してやっつけちゃおうよ」
やっぱりだ! なんてこと言ってんだこの女。ヤバいぞ、早く断らないと。
明日香の顔が至近距離にあるのに、もう少しも心がときめかない。必死に説得の言葉を探す。
「いや、二人でなんて危ないじゃん? オレたちまだ魔物も実際に見たことないし……それに八京さんがいないと色々マズいだろ」
「だからよ。八京さんがいたらほとんど八京さんがやっつけちゃうじゃん。そうじゃなくて、私が一人で魔物をやっつけて八京さんに見直してもらいたいの」
馬鹿だ、この女。何のための訓練だと思ってるんだ。八京さんがメインで動いてオレたちへの危険を最小限にしながら経験をさせるのが今回の目的だろ。お前の八京さんへの点数稼ぎなんてどうだっていいんだよ!
少し前の『明日香が可愛い』と思った自分はどこか遠くへ行ってしまい明日香への文句が溢れ出てくる。
「でも、実際の魔物の強さも分からないし……大量の魔物が現れたらどうするんだよ? 初戦で二人とも終了だぞ」
「大丈夫よ。この辺の魔物は弱いのしかいないって言ってたし、ヤバそうだったら逃げちゃえばいいじゃない。それとも何? ナオキ、アンタは私が作った八京さん用のサンドイッチ食べといて何のお返しもないの?」
「そ…それは…い、いずれだな…」
そ、それは反則だろ……
「八京さんがいない今がチャンスなのよ。ほら、行くよ」
明日香は立ち上がり、ナオキの両腕を掴んで引っ張った。ナオキは両足で踏ん張り、連れていかれないように耐える。必死に踏ん張っているが想明日香は像以上に力が強い。このまま投げ飛ばされてしまいそうだ。
「勘弁してくれよ! そんなの絶対うまくいかないって。大人しく八京さんを待とうよ」
今にも涙が出そうだ。
「大丈夫よ。私が何とかするから! 観念して行きましょうよ」
明日香の引く力が更に強くなる。だがこっちも負けていられない。
「ぜーったいー、いーやーだー」
ありったけの力で拒否をしていると、不意に明日香が手を放した。その反動で今まで溜めていた力がナオキの身体を後方の地面に叩き付け『ドンッ!』と鈍い音がた。
いっっっってぇぇぇぇ!!
ハンマーで殴られたような痛みが後頭部を襲った。あまりの痛さに言葉が出ない。両手で後頭部を抑えてうずくまるのが精一杯だ。
「あっそ~。ならいいわ! 私一人で魔物退治に行くから!」
激痛に耐える中、何とか明日香の言葉が頭に入る。だが、こっちはそれどころじゃない。
「バカァ! そんなに嫌ならここに一人で八京さんを待ってればいいじゃない! 私は絶対に行くんだから! 何が『後でお礼しなきゃな』よ! 一緒に行ってくれたっていいじゃない……ってちょっとナオキ聞いてんの!?」
明日香は怒りを向けてくるが怒りたいのはこっちだ。
「う……うん……聞いてる……よ……」
痛みを堪え何とか言葉を出した。
「何痛がってるのよ。男でしょ、まったく頼りない」
酷い言われようだ。
深呼吸を数回繰り返すうちに痛みが和らいでいった。
「いやいや、いきなり手を離すなよ。思いっきり後頭部打ったんだぞ! 受け身も取れなかったんだからな」
「そんなの知らないわ。私の誘いを断ったんだから当然でしょ! それに手を離したらナオキが勝手に後ろに倒れたんじゃない」
早口で捲し立てられてナオキは何も言い返せないでいた。そもそもナオキは口喧嘩も得意ではない。
文句を言っても倍にして返されるし……これ以上言うのは止めとこう
口論はナオキの完敗だ。
このままだと本当に明日香は一人で行ってしまう。どうするか悩んでいると明日香はナオキに背を向けた。
「じゃあ行くわ。アナタはここで待ってなさい」
どこか寂し気に言葉を残して明日香は茂みの方へ歩き出した。
「ま、待てよ」
思わず言葉が出た。
「何? まだ私を止めるの? もうそういうの良いんだけど」
立ち止まって明日香はこちらを振り返る。少し苛立っているようだ。
もう覚悟を決めるしかない。
「オレも一緒に行くよ。その……明日香一人だと心配だからさ……」
『もう来なくっていい!』なんて言われたらどうしよう……
明日香の返事を待ちながら数秒が経った。
「ア、アンタに心配されなくても、べ、別に大丈夫だし……でも……どうしても付いて来たいって言うなら……別にいいわよ?」
ツンデレかよ!
「ぷっ!」
頬を染め、嬉しそうな表情の明日香を見て思わず笑ってしまった。そして、今まで頑なに拒否をしていたが、明日香のそんな顔を見たらそんなことはどうでもよくなった。
「な、何よ! そんなに笑わなくったっていいじゃない! ほら、どうするの? 行くの? 行かないの?」
「行くよ。明日香を一人で行かせて何かあったら、オレはきっと後悔するから。もし明日香が危険な時はオレが守るよ」
言葉に嘘は無かった。何かあったら明日香は守ろうと覚悟を決めたのだ。
見る見るうちに明日香の顔が真っ赤になっていく。
「そ、そんな……ナオキに守られることなんてあるわけ無いじゃない。私のほうが強いんだから。逆に私がナオキを守ってあげるわよ」
普段強がっているけど明日香も女の子なんだ。
「でも……そう言ってくれて……ありがとう」
その言葉は、風でかき消されそうなほど小さな声だったがナオキにはハッキリ聞こえた。
「うん、いいよ。じゃあ行こっか」
膝に手を付いて立ち上がろうとした時後頭部に再び激痛が走った。
「痛ってぇ……」
中腰の体制で痛みに耐えていると明日香が『プッ』と笑い出した。
「ナオキ、アンタ締まらないわね。さっきは少しカッコよかったのに。アハハハハ」
腹を抱えて笑っている明日香を見て今度はナオキの顔が熱くなるのを感じた。
「仕方ないだろう! マジで痛いんだから。それに元はと言えば明日香のせいだからな」
「ハイハイ、わかったわ。悪かったわよ。でもそんなんで私を守るなんてよく言えたわ……プッアハハハハ」
恥ずかしさと痛みに堪えてナオキは立ち上がった。
笑いながら明日香がナオキの方へ歩き出し、ナオキの右手を握った。
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おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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